tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

メガバンク2社、ベア要求見送り

2018年02月27日 11時15分39秒 | 労働
メガバンク2社、ベア要求見送り
 この2日間、統計問題で多くのアクセスを頂きました。
 数字さえ示せば人は信用すると思ったのでしょうか、結果は国会の混乱ですが、これも絶対多数で押し通すのでしょうか。
 統計は大事です。国が統計を誤魔化すようになるとそれは亡国の兆しです。それは歴史が証明するところでしょう。

 ところで、2018春闘で、メガバンク2行がベア要求を見送るという報道がありました。黒田総裁続投で、マイナス金利はまだまだ続きそうという事になると、銀行の収益低下傾向の改善は容易でないでしょう。日本の組合は本当に真面目ですね。

 欧米だったら、通常は、政府や中央銀行の方針のお蔭で儲からないと言って、従業員は余計に苦労して働いているのだ、銀行の収益とわれわれの賃金要求とは関係ないと賃金要求をするのが当然の権利と考えます。

 日本のように、経営の現状を考慮して、賃金要求基準を決めるなどというのは「まさに御用組合の典型、労働組合にあるまじき行動」などと批判されてきた歴史もあります。

 昨年の春闘ではクロネコヤマトの組合が、組合の権限を越えて、営業時間や料金体系にまで論議を進め、それを経営側がまともに受け、全国的な宅配業界の問題改善にまで発展しました。
 このブログでも「 異例な春闘 」と取り上げましたが、日本の労使関係は、伝統的な欧米の労使関係とは一味違います。

 労使が、それぞれに自分の利害だけを行動基準とし、ぶつかり合って妥協した処が「正しい」などという考えは決して主流にはなりません。労使が共に、「社会正義」を目指し、より良い社会構築のために議論するのです。

 こうした労使関係を持った国の政府は大変幸運だと思います。オイルショックの時も、バブル崩壊の時も、労使は政府に迷惑をかけることなく、自主的労使交渉の中で、きちんと進むべき日本経済の在り方、選択すべき方向を議論して来ています。

 この所、政府の春闘への介入、さらには国民の働き方を決めたいなど、異常なまでに思い込みの政策が見られますが、政府も、労使と同じように、自分の都合(例えば2%インフレにしたい、同一労働同一賃金がベスト、などなど)を主張するのではなく、労使がいかに懸命に自己中心でない「社会正義」実現の意識のもとに行動して来ているかを勉強して理解し、基準法のような基本の設定に専心し、あとは賢明で真摯な日本の労使に安んじて任せる事を学んだら如何でしょうか。

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