tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

プラスチック廃棄物をどうする

2018年08月28日 22時44分15秒 | 科学技術
プラスチック廃棄物をどうする
 原子力発電について、「トイレの無いマンション」という言葉がはやりましたが、トイレのマンションは原発だけではないようです。

 中国のプラごみ輸入禁止から、急遽問題になっているのがプラスチック廃棄物問題です。さらにこれは、海洋汚染、魚類やクジラ、海鳥までに至る生態系に深刻な影響を与えつつあるという調査や、研究が数多く発表されています。

 原子力利用の廃棄物とは違ってリサイクルの技術も開発されているのですが、収拾、輸送、選別、洗浄、原材料還元、再利用といったリサイクルのコストが高く、採算ベースに乗らないという場合が多いようです。正確にはトイレがないのではなく、トイレが足りないマンションでしょうか。

 しかもプラスチック廃棄物はこれからも急速に増加するという予想が、これも数多く出ており、そレが現実になりつつあるようです。

 例えば、PET製品(ペットボトルなどのポリエチレンテレフタレート製品)のリサイクル率はドイツで40%台、スイスが30%台、日本は20%
等と言われますが、これまでプラごみの中国への輸出で何とかやってきた日本も、これからが大変です。

 しかし、生態系から地球環境にまで影響を及ぼすことが予想されるとなると、CO2とはまた別の環境問題として、地球社会として取り上げなければならない問題でしょう。

 今、プラスチック製ストローをやめようといった動きもあり、勿論望ましい方向ですが、問題はどこまで効果があるかです。恐らくプラスチック製品を使うなと言っても、こんな便利なものは今はほかにないので、あまり現実的ではないのかもしれません。

 という事であれば、矢張り何とか完全リサイクルを考えなければならないでしょう。これは物理的、化学的処理による再資源化、単純に言えば、石油から作ったものだから、石油に戻すことが出来ればという事になるわけですが、収集、輸送、選別(分別)洗浄といった、いわば社会的なコストの方が大きくなりすぎることも問題のようです。

 しかし、これは何とかやり遂げなければならない問題でしょう。石油資源の争奪戦は今でも地球上で続いていますが、人類共通のプロジェクトとしてプラスチックの完全再利用の社会的、技術的サイクルを確立するといった努力が必要になっているのではないでしょうか。

 石油資源の争奪が国家間の争いに発展することを防ぐためにも、世界の平和を目指す日本が率先してプラスチックリサイクルの総合システムを創造し、それによって世界の平和に貢献するといった構想を持ってもいいのではないかと思うのですが、やっぱりカジノや文言だけの改憲の方が大事でしょうか。

 

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