tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

自然エネルギーと電力会社

2009年11月06日 11時25分08秒 | 科学技術
自然エネルギーと電力会社
 金融は経済の血流といわれますが、同じような言い方をするとすれば、電気というのは社会の血流ということになるでしょう。

 原始、生物のそして動物の生命を支えたのは太陽の光でした。人間は、それに加えて火を使うようになりました。プロメテウスから雷神まで、人間に火をもたらした神話や民話は世界中にあるようです。

 火を使うことによって、人間の生活は格段に進歩しました。そして人類の歴史から見ればごく最近ですが、人間は蒸気機関を使うようになり、そして電気を使うようになりました。電気は、光源にも、動力源にも、熱源にも、そして情報の加工や通信にまで、人間生活のあらゆる面に使われるようになっています。

 電気の特徴は、エネルギーとしての移動速度の速さ、まさに光に次ぐ速さであり、その搬送の柔軟性にあるのでしょう。
 人間生活の中の生産、流通、消費、趣味活動から医療まで、凡て電気のお世話になっています。発電量はその時点の人間社会の活動の状態に最も一致する指標といわれる所以です。

 その電気にも1つ大きな欠点があります。それは貯蔵が困難なことです。化石燃料の備蓄から揚水発電まで、発電の原材料の貯蔵で対応して来ているということでしょう。

 この社会の血流である電気の世界に、今、大きな変化の波が押し寄せています。その理由は、発電のために化石燃料を使うことによる地球環境の汚染、CO2による温暖化の問題です。
 人類にとって緊急で必須な課題は、第1に、発電手段としての化石燃料から自然エネルギー、再生可能エネルギーへの転換、そして第2に、蓄電技術の多様化と進展でしょう。

 自然エネルギーは、その源をたどれば、年々太陽が無償で贈与してくれる太陽エネルギーを使ってその年のエネルギー消費を賄おうということで、伝統的な水力発電、今日の太陽光・熱発電から、風力、波力発電、バイオエタノールまで凡て元はといえば、太陽エネルギーのお蔭によるものです。これが出来れば地球の生態系のエネルギーバランスは回復します。

 幸、日本は多くの企業などの努力の蔭で、この面では世界の先端を進みつつあるようです。ただ不思議なのは、主役であるべき電力企業が、ほとんどこの面での活動をしていないことです。
 自然エネルギー利用、蓄電技術からスマートグリッド まで、技術力にも資本力にも優れている電力企業の早期の参入と活躍を期待したいと思います。


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