tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ロシアのウクライナ侵攻は世界の損失

2023年07月19日 17時17分08秒 | 国際関係
ロシアがウクライナに侵攻して500日が過ぎました。

侵攻当時、プーチンは数日で終わると思っていたなどと言われましたが、既に500日、そしてまだまだ先が見えないという見方が多くなっているようです。

すでにウクライナ東部の諸都市は廃墟と化した様子がTVの画面に映し出されますが、客観的にみれば、こんなに破壊した上で領土を広げたいと考えるのかとプーチンの妄執の愚かさと恐ろしさを感じるだけです。

一人の人間の意思決定でこんなことが起き、国連という世界人類のための組織を持ちながらその解決のために効果的なことが出来なという現状が500日以上続いているのです。

国際交流の活発化のため、世界人類の生活文化の向上のために建設されたインフラが破壊され、安定した経済社会の交流のためのシステムば機能を停止、広範囲な食糧危機の可能性すら出て来ています。

プーチンは核の威嚇に言及し、世界は核戦争の回避に、改めて真剣な考慮を払わなければならないような状況にありますが、同じ核問題でも、チェルノブイリの原発の管理はどうなっているのか、世界最大と言われるザポリージャ原発の管理は安全なのか、今後の戦況の中で予断を許さないのではないでしょうか。

当事国のロシア、ウクライナは勿論、NATO諸国も兵器、弾薬の生産に追われ、アメリカは国際条約で禁止されているクラスター爆弾のウクライナへの供給の方針などという報道まで(アメリカは条約不参加)取りざたされています。

戦争が長引くと戦略施設や基地の破壊だけでなく都市の破壊、インフラの破壊、社会システムの破壊、人間生活の破壊、人命そのものの破壊まで、破壊の範囲は限りなく拡大していってしまうようです。

第二次世界大戦の破壊の大きさを省み、世界の平和と経済文化の発展を目指したはずの人類の行く先に、改めてこんな人類社会の破壊の現実が待っていたとは、考えてもみなかったことではないでしょうか。

こうした現実を見ていますと、人類社会が平和と安定を実現すればするほど、その社会は暴力に対して脆弱になるというパラドックスが成立するという事なのでしょうか。
今の国連中心のシステムの国際社会におけるガバナンス能力が、十分なものでないとすれば、改めて国連という組織、システムの在り方を考えなければならないという事になるのかもしれません。

リヒテンシュタインが提起している国連安保理における常任理事国の拒否権の在り方についての検討は、小さい一歩ですが、何らかの示唆を与えるものかもしれません。

国連中心主義を標榜してきている日本も、改めて、国連の国際社会におけるガバナンスの問題について真剣に考える必要があるのではないでしょうか。

ロシアのウクライナ侵攻問題は長引きそうだという悲観的な情報に暗澹とした気持ちになるしかないのでしょうか。