tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

国土強靭化は何処へ行った

2023年07月11日 12時35分18秒 | 政治
国土強靭化は何処へ行った
昔から日本では「梅雨明けの豪雨」などと言われますが、近年は異常気象ののせいでしょうか、雨の降りかたが昔とは違ってきたように思います。

今年も西日本、特に九州地方の雨はまさに異常です。熊本は4年前にも大水害がありました。今年も熊本、福岡など、洪水、山崩れ、更に今年は山陰に飛んで島根の被害も大きいようです。TVで惨状を見るたびに心が痛みます。

気象用語そのものが随分変わってきました。大雨とか集中豪雨、などという言葉から、今は「線状降水帯」という言葉が最も恐ろしく響きます。

同じ現象が昔からあって名前だけ新しくなったのか、それとも、そうした現象がこんなに頻繁に起きるというのは、異常気象が言われる今日の地球環境の異常のせいなのか、専門家でない我々にはわかりませんが、昔の自然はもう少し優しかったように思います。

竜巻という言葉も最近は頻繁に使われるようになったように思います。以前は気象庁は竜巻という言葉は使わないのだろうと思うようなこともありましたが、今は関東平野でも竜巻が起きています。

恐らく雨、風といった自然現象は、地球環境の変化のせいで、以前より、人間に対して厳しいものになって来ているのではないでしょうか。
世界的のも旱魃や豪雨、豪雪など、自然の厳しさは増しているようです。

日本は地形上、山と海の間の限られた平地に人が住むという事になるのでしょうから、矢張り恐ろしいのは水害と山崩れでしょう。
橋は勿論、道路も田畑も、最近の線状降水帯現象には太刀打ちできない所がある事がTVのニュースから知られます。

政府も、こうした状況については、疾うに気が付いて、「国土強靭化」が常に言われているのですが、自然の猛威の方が先行しているのでしょうか。

都市においても。下水施設をはじめ1時間50㎜迄の降雨を前提に設計されているとのことですが、下水から雨水が噴出する光景がTVでよく見られます。

日本は地震国ですから、土木や建築の技術は世界に知られるような高水準なものと聞いていますが、矢張り「国土強靭化」には、これからも膨大な国費を掛けなければならないのでしょう。

今回の西日本の線状降水帯による被害も、多くの人命の損傷にまで至っています。
亡くなられた方、行方不明の方、ご家族の苦しみ痛みはいかばかりかと思いながら、どうしても考えてしまうのは今の政府の政策の在り方です。

率直に言えば、国民の生命財産を守るために先ず重要なのは、巨額防衛費の優先的な積み上げか、それともこうした自然災害に対する「国土強靭化」の地道な努力かです。

政府の方針は既に決まっているようですが、国民が政府に頼むべき問題として、いずれを重視すべきか、日本という国土に住む人間として、もう少し真剣に考えなければならない問題なのではないでしょうか。