tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

首相ウクライナ訪問、平和の出発点に

2023年03月22日 15時59分49秒 | 国際関係
岸田総理が、ウクライナと報道され、びっくりした人も多かったのではないでしょうか。

今年は日本はG7の議長国、G7各国の首脳は岸田総理以外はすでにウクライナを訪問し、議長国の首相としては、そのタイミングを考えていたのでしょう。

昨年から今年にかけての世界の最大の課題は、ロシアのウクライナ侵攻問題をいかなる形で終わらせるかでしょう。その中で、今年はG7の議長国、しかも平和憲法を持つ国の総理として、戦争の現場が如何なるものか、確り見とどけることは必須でしょう。

こうした状況に中で、平和憲法を持つ日本の首相は、G7議長として今年1年、大変難しい役割を強いらえるのではないかと誰もが想像するところでしょう。

ロシアはすでにクリミア問題以来G7から外されており、そのロシアのプーチンという独裁者が、自分の邪な野望を満たすために、国民を騙してまで、隣国ウクライナに侵攻したというのが現実の問題です。

自由世界はこのプーチンの邪な野望を阻止しなければならないのですが、国対国という対等のレベルでは、交渉に応じない相手には力、つまり戦争でしか解決の道はありません。

結局自由世界はG7を中心にウクライナを支援してプーチンのロシアと戦うという現実になってしまっているのが現状でしょう。

日本の立場は極めて難しくなっています。自由主義国で当然「ストップ!プーチン」が目標ですが、「平和憲法」を持っている以上、戦争は勿論、直接の協力も出来ないのです。

かつて日本に戦争放棄を促した同盟国アメリカは、今は日本に出来るだけ自由世界の戦争に加担せよとの意向です。
その日本が、今年はG7の議長国で、岸田さんは日本の総理です。

力(戦争)によってプーチンのロシアを押しとどめようと自由世界が一致して行動するときに、日本は戦力による協力は出来ないのです。

然し更に現状を注視すれば、ウクライナを含め多くの国が、日本には戦力による協力・支援は求めないという事を認めてくれているのです。

それは何故でしょか。問題の核心はここにあるように思われるのです。

憲法で戦争を放棄している国は大国では日本だけです。それでも、何処の国も「日本はズルい」とか「日本だけ得をしている」と言わず、それを認めてくれているのです。

それは、「戦争をしない」と宣言することは大きな危険を冒すことかもしれない、しかし、地球社会の国のとしての「理想的な在り方」を世界に先駆けて「思い切って率先選択した」という事に対する敬意の表れでしょう。

戦争のない世界・人類社会という理想を誰もが持っているからこそ、そこに戦争を放棄した国への敬意が生まれるのではないでしょうか。
日本人にとって、そうした国の在り方は大きな誇りでもあるはずです。

岸田首相には今回のウクライナ訪問を含め、G7議長国総理としての多くの経験の中で、、平和憲法を持ち、戦争を放棄した国日本の意義を改めて実感して欲しいと思っています。

もし、日本が戦争をする国になれば、地球社会の時代を先取りしたという日本人の誇りも、それに対する諸外国からの敬意もたちどころに消滅するでしょうから。