中国が正式にTPPへの加盟申請をしたというニュースは驚かれた向きも多いようです。
TPPはご承知のように、環太平洋自由貿易協定という事で、アメリカが主唱し自由貿易協定(FTA)に賛同する12か国で合意を目指したものです。
目指したのは、FTAだけでなく投資、政府調達、知的財産権、人の移動、ビジネス環境整備など広範な合意です。
然し、万年赤字国のアメリカが主唱という事で、このブログでは当初からなんとなく胡散臭いと書いてきました。
実質的にはアメリカと日本の詰めの交渉になったようで、アメリカの通商代表のフロマン氏と日本の担当大臣甘利氏の徹夜の交渉で、何とか決着というところまで行ったのですが、最終的には「アメリカ・ファースト」のトランプ大統領が、アメリカの役には立たないと判断したのでしょうか、離脱を宣言、12か国でなく、TPP11として発足しています。
先に、EUを脱退したイギリスもTPPに参加したいと加盟申請を出していますが、中国の場合は、政治問題では香港の一国二制度無視や、国内で人権侵害問題などが指摘されている政治的独裁色を強める状況ですから加盟申請は、やはり驚きを持って迎えられるというのも当然でしょう。
一方、アメリカの方は、現状も、トランプ政権の後遺症もあってでしょうか、TPP復帰には否定的のようです。
という事であれば、アメリカ抜きのTPP11との交渉という事になるわけで、当面貿易上のトラブルのあるオーストラリア、と日本辺りとの関係を中国がどう持っていくかという事になるのでしょうか。
アメリカがいない方が、大分やり易いという意識も中国にはあるかもしれませんし、中国が本気でFTAを重視しているという姿勢を海外に示すことにもなるし、ある意味では当面ダメモトでもという事もあるのかもしれません。
アメリカ自身が主唱した時点では、アメリカの赤字削減に役立つものにと多分考えていたでしょうし、中国も上手くいけば、国際関係の改善や経済減速の要因になっている内外諸問題のブレークスルーに役立つと考えていてもおかしくないでしょう。
歴史の経験から言えば、大国は、経済状態が良ければ寛大な国ですが、しかし一旦経済状態に問題が出ると、大国の力と権威を利用して(その他多様な手段も活用し)自国の地位確保に積極的になるという傾向があるように思います。
そういう意味では、アメリカと徹底した交渉をして、参加国全体の共通利益を求めてきた日本は、中国参加申請についても、本来のTPPの望むあるべき姿を念頭に、中国にも、加盟各国とともに、TPPの適切な理解と適切な行動を求めつつ、参加歓迎という、確りした態度を取ることが望まれるのではないでしょうか。
些か荷が重くても、総選挙後の新政権には、そんなことを期待したいと思っています。
TPPはご承知のように、環太平洋自由貿易協定という事で、アメリカが主唱し自由貿易協定(FTA)に賛同する12か国で合意を目指したものです。
目指したのは、FTAだけでなく投資、政府調達、知的財産権、人の移動、ビジネス環境整備など広範な合意です。
然し、万年赤字国のアメリカが主唱という事で、このブログでは当初からなんとなく胡散臭いと書いてきました。
実質的にはアメリカと日本の詰めの交渉になったようで、アメリカの通商代表のフロマン氏と日本の担当大臣甘利氏の徹夜の交渉で、何とか決着というところまで行ったのですが、最終的には「アメリカ・ファースト」のトランプ大統領が、アメリカの役には立たないと判断したのでしょうか、離脱を宣言、12か国でなく、TPP11として発足しています。
先に、EUを脱退したイギリスもTPPに参加したいと加盟申請を出していますが、中国の場合は、政治問題では香港の一国二制度無視や、国内で人権侵害問題などが指摘されている政治的独裁色を強める状況ですから加盟申請は、やはり驚きを持って迎えられるというのも当然でしょう。
一方、アメリカの方は、現状も、トランプ政権の後遺症もあってでしょうか、TPP復帰には否定的のようです。
という事であれば、アメリカ抜きのTPP11との交渉という事になるわけで、当面貿易上のトラブルのあるオーストラリア、と日本辺りとの関係を中国がどう持っていくかという事になるのでしょうか。
アメリカがいない方が、大分やり易いという意識も中国にはあるかもしれませんし、中国が本気でFTAを重視しているという姿勢を海外に示すことにもなるし、ある意味では当面ダメモトでもという事もあるのかもしれません。
アメリカ自身が主唱した時点では、アメリカの赤字削減に役立つものにと多分考えていたでしょうし、中国も上手くいけば、国際関係の改善や経済減速の要因になっている内外諸問題のブレークスルーに役立つと考えていてもおかしくないでしょう。
歴史の経験から言えば、大国は、経済状態が良ければ寛大な国ですが、しかし一旦経済状態に問題が出ると、大国の力と権威を利用して(その他多様な手段も活用し)自国の地位確保に積極的になるという傾向があるように思います。
そういう意味では、アメリカと徹底した交渉をして、参加国全体の共通利益を求めてきた日本は、中国参加申請についても、本来のTPPの望むあるべき姿を念頭に、中国にも、加盟各国とともに、TPPの適切な理解と適切な行動を求めつつ、参加歓迎という、確りした態度を取ることが望まれるのではないでしょうか。
些か荷が重くても、総選挙後の新政権には、そんなことを期待したいと思っています。