tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

GDP:2021年4-6月期第二次速報

2021年09月09日 14時16分40秒 | 経済
昨日、4-6月期のGDPの第2次速報が内閣府から発表になりました。
GDPの成長率は対前期比(季節調整済み)で第一次速報の0.3%増(年率換算1.3%)から0.5%増(年率換算1.9%)の増に修正されました(いずれも実質値)

年率で1.9%の成長はコロナ禍の最中としてはまあ良い数字ですので、何が改定になって1.3%が1.9%になったのか中身をみてみたいと思います。

第一次速報では、対前期0.3%の増でしたが、その内訳は国内需要が、寄与率にして、0.6%増え、海外需要が(同)0.3%減った結果ですが、第二次速報では国内需要が(同)0.8%増えて海外需要は第一次速報と同じマイナス0.3分で合計0.5という事です。

内需が0.3ポイントのプラス改定になったわけですが、内需は、民間部門と、公的部門の合計で、民間部門が0.8%増えた内の0.6%分は民間部門で、0.2%分が公的部門です。

民間部門の0.6%の内、消費需要が0.5%分で、企業の設備投資が0.4%分です。ただし在庫が減っている(0.3%分)のでその分マイナスです。

この中で第一次速報と変わったのは、民間部門では、家計最終所費支出と企業設備投資が、それぞれ0.1%分ずつ増えたことです。

公的部門では政府最終消費支出が0.3%分増えていることで(政府の固定資本形成は0.1%分減って結局0.2%分)、これはコロな関係の医療費支出などが増えたことによるようです。

細かい事をいっぱい書きましたが、つまりは家計消費と企業の設備投資が第一次速報より改善したこと、それにコロナ関係の政府の支出が増えたという事です。

民間部門は、法人企業統計季報が9月1日に発表になりこれが予想外の伸びで、更に毎月発表される家計調査の数字も算入されたことによるのでしょう。

政府のコロナ関係の支出に関しては、第一次速報の伸び率0.5%が、第二次速報では1.3%と大幅な見込み違いだったようで、この辺りは政府の後追いの実態を反映したものでしょうか。

いずれにしても、家計消費と、企業投資が、何とか少しずつでも伸びていることが、経済成長を支えていることが現状でもGDP成長の救いになっているのかなという感じです。

この所、株価は随分上がっているようですが、これが本当に景気気を先見しているのかどうか、何となくいかがわしいと思いながら、少しは期待したいところです。