tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

MMTについて種々考えてみましょう(2)

2020年08月01日 22時25分39秒 | 経済
貨幣を供給すれば経済は拡大する
 今回は半分まじめで半分笑い話です。
 ピラミッド建設は失業救済の公共事業の色彩を持ったものだ、という説があります。
 ファラオの時代のエジプトの失業率は何%か解りませんが、「ファラオのお墓を作るので日当を払って人を集めています」と言えば、ファラオのためでもあり、日当も貰えるという事で大勢集まって、大事業が成功したというのであれば、大した宗教的、愛国的、労働経済学者がいたものだと感心します。

 北朝鮮はGDPが日本の小さい方の県の県民所得ぐらいですがら、核兵器まで手を出すのは大変でしょう。その昔、100ドル紙幣の偽札を作っていたという説があります。
 曽我ひとみさんの御夫君のジェンキンスさんが、何かのお祝いか報奨だったのでしょうか、北朝鮮の政府から100ドルもらったそうで、それは新札の100ドル紙幣で、ジェンキンスさんは大変感激されたとのことです。
 100ドルの新札と聞いて、私は、きっとそれは噂の偽札だったのだろうなんて思ったことがありました。

1960年代ですか、ユーロダラーというのが流行ったことがありました。アメリカが金利制限などしていた時代なので、ヨーロッパの銀行が取引に使っている米ドルのことでしたが、耳学問の知人が、「ヨーロッパでぶらぶらしているドルで『遊浪ダラー』というのがある」といっていたのを覚えています。

 アメリカの中央銀行は、そんなドルの価値をどう管理、どうコントロールしているのだろうと不思議でした。
 そして、多分、アメリカの経済自体が確りしていれば、ドルである限り、矢張り信用があるのだろう、などと納得していました。

 しかし、現実は、アメリカ経済が赤字体質になり、流出するドルが多くなって、当時まだ金1オンス=35ドルという時代でしたからフランスなどがアメリカから1オンス35ドルでどんどんアメリカの金を買い、アメリカの金準備がみるみる減っていくことになって、1970年のニクソン・ショックを招き、ドルのペーパーマネー化、そして変動相場制になりました。
 
 こんな現実を見ると、貨幣の供給は適切な政策と結びつくと雇用を増やし、経済を活性化する効果を確実に持ちますが、貨幣を増やしても、それが効果的に経済活動に結び付き、経済活性化の起爆剤になる場合と、どちらかというと無駄遣いで結局「死に金」になる場合がるように思われます。

 ピラミッドの建造は、エジプトの経済発展の起爆剤になったのかもしれませんし、数千年後にエジプト観光の目玉として、今日のエジプト経済にも大きく貢献しています。

 北朝鮮のニセザツによる通貨供給は、真偽のほどは別として、経済学的には外貨不足の北朝鮮の消費材、生産財、技術などの輸入により経済の安定化に貢献するものでしょう。

 アメリカのドル札の過剰供給は、ペーパーマネー化で歯止めがなくなり、変動相場制の結果、対円では360円から110円に価値を下げました。
 アメリカがドルを無駄遣いし、ドルが増えただけの経済効果を実現していないからでしょう。

 円は国民が堅実なため、今のところは円高(他の国が価値を下げているため)ですが、国債発行して通貨供給を増やし、それに見合うほどの経済の活性化がないと、いつかはアメリカと同じことになるでしょう。(無駄遣いというと、今回のアベノマスクや「一律」10万円の給付金が、確り役に立ってくれればいいなと思われるところです。)

 MMTは、短期的には成り立つこともありますが、どうも長期的にはなかなか成り立たないように思えますがいかがでしょうか。