tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

大国ほど「地球的責任意識」を

2017年04月26日 11時02分30秒 | 国際関係
大国ほど「地球的責任意識」を
  昨年6月、イギリスのEU離脱か残留かの投票を前に「 分裂か統合か:地球市民」を書きました。
 その後、結果は僅差で離脱となり、その後もゴタゴタしながらも、今はメイ首相の、いわば「離脱確認」のための総選挙前倒しという状況になっています。

 そして今回はフランスです。
 5月7日の決選投票に向かって、中道右派のマクロン氏と、極右「国民戦線」のルペン氏が競う形になりました。
 争点は、EUとの関係、難民・移民問題が大きいようですが、世論はマクロン支持が多いと読んで、2人の決選投票が決まって以来主要市場の株価は連騰しています。

 イギリスのEU離脱も世界にとってはショックでしたが、今回の選挙でもしフランスのEU離脱が現実になるようなことが起これば、それこそヨーロッパの戦後の歴史は何だったのかといったことになりかねません。

 EUはベネルックス関税同盟や欧州炭鉱鉄鋼共同体などをもとに進化してきたとのことですが、2回の世界大戦で独仏が相戦ったという悲劇を再び起こさないようにというヨーロッパの悲願の表れでもあるはずです(クーデンホーフ・カレルギー:青山栄次郎)。

 フランス・ドイツが「EUの核」と誰もが思っていた中で、ルペン氏がフランスでそれなりの支持を得たということはどういうことでしょうか。
 マスコミはポピュリスト・ルペンと書きますが、EUが当面する大きな問題としての難民・移民問題が ポピュリストの台頭を齎したのでしょうか。

 難民問題を引き起こす原因としてシリアの内戦があります。単なる内戦であれば、日本でも「関が原」、「江戸幕末」を始めいろいろありました。問題はそれに世界の超大国が、敵・味方に分かれて力を貸すことから始まるのではないでしょうか。

 今の世界の混乱を総合的に見れば、根因は、国連安保理常任理事国の対立にあるということになるようです。
 狭い地球で地球市民が何で争うのでしょうか。企業社会ではすでに、CSR(企業の社会的責任)が言われて久しいのです。
 国についても、 NGR(Nation’s Global Responsibility=国家の地球的責任)が問われるような地球社会に、何とか早くしていかなければならないのではないでしょうか。

 今回の北朝鮮問題が適切に乗り切れれば、その方向に、一歩前進という結果になるような気がしないでもないのですが。