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日本の人口問題、将来予測も逐次改善

2017年04月11日 13時51分16秒 | 社会
日本の人口問題、将来予測も逐次改善
 昨年10月に総務省は平成27年の国勢調査の結果を発表しましたが、国立社会保障・人口問題研究所は昨日、それをベースにした50年後(2065年)の日本の将来人口推計を発表しました。

 マスコミが揃って取り上げているのはいわゆる「中位推計」で、それによりますと50年後の人口は8808万人で高齢化率(65歳以上人口の割合)は38.4%(2015年現在1億2709万人、26.6%)ということです。

 これは前回の推計(推計は国勢調査に合わせて5年ごと)より大分改善しています。
 推計には合計特殊出生率や平均寿命などの要因を予測して計算するわけですが、改善の主要な要因は勿論、このブログでも折に触れて書いていますが、 合計特殊出生率の上昇です。

 前回の推計では合計特殊出生率は1.35人ベースでしたが、今回は1.44人がベースです。勿論上記研究所は中位推計のほかに「高位推計」「低位推計」も発表していて、ちなみに並べてみますと、3つの推計の合計特殊出生率と人口と高齢化率は、
高位推計  1.65人 9490万人 35.6%
中位推計  1.44人 8808万人 38.4%
低位推計  1.25人 8213万人 41.2%
という事になっています。高位推計では安倍政権の目標、人口1億維持に近づきます。

 過去の動きを見れば、合計特殊出生率は、2005年の1.26人、いわゆる「1.26ショック」を底に回復に転じ2015年には1.44人まで回復していて、これには波はなく一貫して上昇基調です。という事は、これは日本社会全体が支えている傾向と考えられ、今後も上昇の可能性が大きいと予想されます。

 人口推計は50年先を見ているのですが、足元の10年で、合計特殊出生率は0.19人上昇という事です。マスコミ論調では、まだまだ高齢化の深刻化といった意見が多いようですが、そろそろ発想を変えてもいいのではないでしょうか。

 折しも、今年の春闘では、労使が共に 高齢化問題を克服、プラスに変えよう、という主張をしています。
 日本人のバイタリティーを、一方で出生率の改善に、もう一方で、人口減でもより豊かな充実した社会の建設に積極的に活用すべく発想の転換をしていくことが望まれる社会なってきているようです。

 社会の豊かさ、快適さは、経済成長によって可能になります。一人当たりのGDPが順調に増えることが、元気な社会を作り、人びとは将来に希望を持ち、結果的に出生率も改善するといった方向を日本人が望み、その方向に動き出しているように見受けられます。
 人口、経済、社会、前向きな発想に切り替える時期が来ているのではないでしょうか。