tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ECB追加緩和示唆、ユーロ急落

2014年11月07日 12時03分01秒 | 経済
ECB追加緩和示唆、ユーロ急落
 先日(10月22日)「今なぜ世界経済は不振なのか」のテーマで、ギリシャ、スペインなどの経常収支黒字化で、ユーロ圏の経常黒字が拡大し、これがユーロ高を呼んで、ユーロ圏経済はデフレの様相、「第二の日本になるな」と金融政策出動でマイナス金利、と書かせて頂きました。

 日本のように、円高になってもじっと我慢してコスト引き下げの努力を20年も続けるなどという国は日本以外にはないだろうと何度も書いてきましたが、ECB(ヨーロッパ中央銀行)は、6日、理事会後の総裁の記者会見で追加緩和を打ち出しました。
 
 日本のようにデフレを我慢して頑張るのではなく、早期に金融政策で対抗しようという姿勢です。
 国際投機資本は、この発言に敏感に対応し、ユーロは急落しています。

 アメリカが金融緩和の終結に動く中、日本の金融緩和、ECBの金融緩和と続き、株価は上昇、EUのデフレ懸念も差当たって薄れるといったところですが、アメリカもこれを歓迎している様子です。アメリカは世界の金融が緩めば、アメリカへの資本流入がしやすくなるということなのでしょうか。

 こうした動きを見ていると、「地球の歩き方」ではありませんが、マネー資本主義の地球の中ので経済政策の『歩き方』が良く見えてくるように思います。

 日本もすでに日銀の政策変更で実行してデフレ脱出を果しましたが、自国通貨が切り上げられて、経済がデフレに陥りそうなときは、なりふり構わずウルトラでも異次元でも良いですから、タイミングよく金融緩和を実行し、国際投機資本が損得勘定で、自国通貨を売ってくれるように仕向ける行動を取ることです。
 
 日本のように、円高に日本経済を合わせるために20年もコストダウンの努力をする必要はないようです。
 宮沢回顧録で、宮沢さんが、「あの時は毎日のように大幅な円高で大変困りました」と書いていますが、日本の真面目すぎる経済政策が「失われた20年」を齎したのでしょうか。