tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

国際投機資本の跳梁阻止を

2011年03月17日 10時12分27秒 | 国際経済
国際投機資本の跳梁阻止を
 円が一時1ドル76円台をつけたというニュースが入りました。現在は78円台のようですが、日本の災害状況の行く方次第では円高の進展は予断を許しません。これは容易ならざることです。

 日本国内がこのような巨大災害に見舞われ、その影響が原発に及ぶという世界が憂慮する重大な問題が発生し、多くの国々が、緊急援助の暖かい手を差し伸べている中で、円高を演出する「国際投機資本」は一体何を考えているのでしょうか。

 彼らの意識は「この危機を利用して、最大限の利益(キャピタルゲイン)を挙げたい」ということだけなのでしょう。まさに「資本の本能」丸出しです。
 その結果、日本の災害対応、経済復興にいかなる影響があるか、国際的な援助にどのようなマイナスの影響があるかといった問題は、彼らの頭の片隅にすらないのでしょう。

 金、かね、カネ。 金のためなら、実体経済、人々の生活、人間の善意などに関心など払っていられない、というい国際投機資本の本性が、こうした危機的な時にこそはっきりと示されます。

 そうした者の跳梁跋扈を黙って許すことは、経済面の政策当局としては、決してすべきでないでしょう。日銀は徹底した金融緩和策を取っていますが、政策当局には市場介入から、為替制限まで、とりうる手段はいろいろあります。IMFやG20 がやるべきだと言いながらなかなか出来ない金融規制ですが、こうした原因・結果とその悪影響が目の当たりに見えるときこそ「資本主義の鬼子 」への本格的な対応を考えるチャンスではないでしょうか。

 日本人の中にすら、片方で巨大災害に心を痛めながら、片方でこうした国際投機資本の掌に載せられ、マネーの信用取引の手を染めている人もいるはずです。

 円高の問題は、プラザ合意以降の経験 から学んだように、日本人すべてに降りかかってくる「経済的災害 」です。しかもその対応には極めて長期の時間と、経済的、社会的な大きな犠牲を要します。
 政策当局に早期かつ賢明な対応を望むや切です。