tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

国連の役割と将来について日本は

2023年02月22日 13時22分58秒 | 経済
国連のグテーレス事務総長がぶら下がり記者に「国連は戦争を止めることは出来ないから」と言っているのがテレビに映っていました。

確かに、現状ではその通りです。しかし、何時までもそれでいいのでしょうか。日本のように憲法に「戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と書いてある国ばかりならばいいのでしょうが、そうではありません。

しかし、第2次大戦後国連をつくり、戦勝国5か国を常任理事国とする「安全保障理事会」をその中枢機能とした背景には、「日独伊という独裁専制国家と戦って勝った国が揃って国連の中枢にいれば、世界の平和は守られるだろう」という意識があったことは当然でしょう。

だからこそこの5か国には拒否権を与え、1国でも反対すれば、国連は、世界の国の「安全保障」を脅かすような動きを阻止することが出来るようにと考えたはずです。

ところが、これが裏目に出て、安全保障の中枢機能を担う常任理事国5か国のうちのロシアが戦争を始めたのです。

そして、安全保障の目的に照らして戦争はいけない、やめるべきだと「安全保障理事会」が決議しようとしてもロシアは拒否権を持っていますから、ロシアの拒否権で、決議は出来ないという事態になっているのです。

考えてみれば、安全保障を担当する国が戦争を始めたのですから、最初から「戦争をした国(戦争に賛成した国)は、安全保障理事会の常任理事国の資格を失う」と決めておけばよかったのでしょう。

今の国連組織は安全保障理事会の常任理事国5か国が、総て常に平和を望み戦争はしない国という善意に立つ組織であり、結果的にはその善意によって機能しない組織になっているという事でしょう。

これを何とかしないと、国連による安全保障は成り立たないことは明らかです。
冒頭のグテーレス事務総長の言葉は、その端的な表現でしょう。

しかし、だからと言って、これをこのまま放置していいのでしょうか。国と国との戦争や内戦をいつまでも放置し、力ずくで勝った者が正しいという、野蛮な状態の黙認がいつまでも続くという状態で、人類社会の知恵がストップしているという事になるのです。それでいいのでしょうか。

ところで、日本は世界に先駆けて、平和を希求し、戦争を永久に放棄すると約束した国です。
安全保障理事会の常任理事国には最適な国ですが、過去に素行が悪かったので常任理事国にはなれません。

それでも日本として、国連の本来の目標に向かって活動をすることは出来ます。
国家は大小あっても皆対等です。国連は国家の一段上にある国際組織です。国レベルで解決できない問題があれば、それを国際法に基づいて解決できるのは国連組織を措いて他にありません。

国連の安全保障理事会がその本来の役割を果たせるような国連の組織改革、国連の意思決定機関としての国連総会の持つべき役割、といった問題に、何年、場合によっては何世紀かかっても一貫して取り組み続ける国としての日本であって欲しいと心から思うところです。

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