司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

スーパー・ファストトラック・オプション異聞

2021-04-22 10:46:03 | 会社法(改正商法等)
 令和3年2月15日から利用可能となったスーパー・ファストトラック・オプション(設立登記と定款認証の同時申請」であるが,誤った申請が多く,施行日から3月末までに申請のあった約150件のうち,実に75%が不備があり,完了に至らなかった(やり直し等を余儀なくされた。)という問題であるが・・・。

 どうやら,主たる原因は,「定款認証のみ」の場合も,「同時申請」の場合も,同一の「電磁的記録の認証の嘱託」フォームにたどり着くことにあるようだ。

 誤ったとされる申請も,実は同時申請しているわけではなく(登記申請情報を送信しているのではなく),普通に「定款認証のみ」の手続をしている際に,「電磁的記録の認証の嘱託」画面でうっかり「設立登記との同時申請」を選択してしまっているだけであるようだ。

 したがって,もちろん,登記所の方では,何が起こっているのかも知らず,公証役場ばかりが「同時申請来た!・・・違った!」と大騒ぎしているのであろう。

 そもそも「定款認証のみ」の場合と「同時申請」の場合とでは,入口が違うのであるから,同一のフォームにせず,「定款認証のみ」の場合には,嘱託のフォームで「設立登記との同時申請」を選択できないようにしておけば,上記のような誤りは起こり得ないのだが。
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法務大臣閣議後記者会見の概要「所有者不明土地問題解決のための民法等改正案に関する質疑について」

2021-04-22 10:17:12 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和3年4月20日(火))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00191.html

〇 所有者不明土地問題解決のための民法等改正案に関する質疑について
【記者】
 所有者不明土地問題を解決するための民法など関連法の改正案が,本日の参議院法務委員会で採決され,近く成立する見通しです。
 同法案には,相続登記の義務化や手続の負担軽減,相続した土地を国庫に帰属させられる制度などが設けられています。
 大臣の所感と今後の所有者不明土地問題を巡る取組についてお願いします。

【大臣】
 今回提出しております2つの法律案でありますが,所有者不明土地の発生の予防と利用の円滑化の両面から,総合的に民事基本法制の見直しを行うもので,所有者不明土地問題の抜本的な解決に資するものと考えております。
 本日も参議院法務委員会で質疑が行われる予定でございまして,充実した御審議をいただいた上で,速やかに成立させていただけるよう,引き続き丁寧に説明を尽くしてまいりたいと思っております。
 その上で,両法律案が成立した場合には,その施行に向けてしっかりと取り組んでいく所存でございます。
 まず,両法律案に盛り込まれました各種の新制度がございます。その適切な実施・運用のためには,新制度の趣旨・内容につきまして,国民の皆様の理解を得る必要があると考えております。
 関係機関・関係団体とも連携しつつ,効果的な周知・広報活動に努めてまいりたいと考えております。
 また,両法律案におきましては,法務省・法務局において新たな業務を担うことになる施策も数多くございます。その取組につきましては,計画的に体制を整え,十分な事前準備をしてまいりたいと思っております。
 法務省といたしましては,民事基本法制及び民事法務行政を所管する立場から,引き続き,所有者不明土地問題の抜本的解決に向けまして,関係省庁とも連携しつつ,しっかりと対策を進めてまいりたいと考えております。
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夫婦別姓訴訟~海外で法律婚をすれば,日本においても婚姻は成立しているとみなされる

2021-04-21 19:07:28 | 民法改正
弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/c_18/n_12970/?fbclid=IwAR2mWiDc0UuzWpDJanzya8Hnu4B-RBSXgZGv3vCQxmBNFRf2isuT-R8jzts

 東京地裁は,別姓のままでは日本における婚姻届は受理されないことを是認したものの,法律婚の成立自体は認めた,ということのようである。
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家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等IT化研究会

2021-04-21 18:24:43 | 家事事件(成年後見等)
家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等IT化研究会
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/kajijikentetuduki

 民事裁判手続のIT化に続き,家事事件手続及び民事保全,執行,倒産手続等のIT化も議論が始まったようである。
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相続登記の義務化等に関する「民法等の一部を改正する法律案」等が成立

2021-04-21 16:12:41 | 民法改正
 相続登記の義務化等に関する「民法等の一部を改正する法律案」(閣法第55号)及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案」(閣法第56号)が本日,参議院本会議において全会一致で可決,成立した。
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スーパー・ファストトラック・オプションの利用における誤選択に注意

2021-04-21 10:47:17 | 会社法(改正商法等)
 令和3年2月15日から利用可能となったスーパー・ファストトラック・オプション(設立登記と定款認証の同時申請」であるが,誤った申請が多く,施行日から3月末までに申請のあった約150件のうち,実に75%が不備があり,完了に至らなかった(やり直し等を余儀なくされた。)そうである。

 ひどいな~。

 おそらく,その多くは,本人申請によるものであると思われるが。

 とまれ,利用時には要件に御注意を。

・ 株式会社のみ
・ 電子定款について,テレビ電話機能を利用して認証手続をすること。
・ 同時申請後,申請日と同日中に,認証手続をすること。
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配偶者居住権の設定の登記の前提としてする所有権の移転の登記の申請における登記原因

2021-04-21 10:38:26 | 不動産登記法その他
「配偶者居住権の設定の登記の前提としてする所有権の移転の登記の申請における登記原因等について(通達)」(令和3年4月19日付け法務省民二第744号法務省民事局長通達)が発出されている。

「本通達に抵触する従前の取扱いは,本通達により変更したものとします。」である。これまでは,遺言書に「相続させる」とあっても「遺贈」で登記すべしとされていた点につき,「相続」で登記してもいいとされたものである。

 立案担当者によれば,「「遺贈」と「特定財産承継遺言による財産の承継」を厳密に区別整理した」と説明されていたが,現場の混乱を招いた故であろうか。


1 配偶者居住権の設定の登記の前提としてする居住建物(被相続人の財産に属し,その配偶者が相続開始の時に居住していた建物をいう。以下同じ。)の所有権の移転の登記の申請において,配偶者に配偶者居住権を取得させ,子などの法定相続人に当該居住建物を相続させる旨の記載がされた遺言書を登記原因証明情報として提供する場合にあっては,遺言書の全体の記載から当該居住建物の所有権の帰属に関する部分を特定財産承継遺言 (遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言(民法(明治29年法律第89号) 第1014条第2項)。いわゆる相続させる旨の遺言のうち遺産の分割の方法の指定がされたもの。)の趣旨と解することができる場合には,当該特定財産承継遺言に基づいて当該登記を申請することができる。この場合における所有権の移転の登記の申請は,登記原因を「相続」とし,登記権利者が単独で申請することができる。

2 なお,当該遺言書の全体の記載から当該居住建物の所有権の帰属に関する部分を遺贈の趣旨と解することができる場合には,当該遺贈に基づいて当該登記を申請することができること,また,配偶者居住権を特定財産承継遺言によって取得することができないことは,従前のとおりである。
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相続登記の義務化と「法定相続分」の登記

2021-04-21 10:17:25 | 不動産登記法その他
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK191L60Z10C21A4000000/

「意思に基づく遺産分割が行われず、法定相続で権利が分散してしまうことに本質的な問題がある」(上掲記事)

という点については,いわゆる「法定相続分」での登記の申請が,遺言や遺産分割協議に基づかず,「保存行為」の美名の下に,単独申請ですることが可能であるからである。

 今回の改正により,この「法定相続分」での登記の申請が,義務化の下に促進されることになる。しかし,遺産分割協議が未了であって,「遺産共有」状態であるのであれば,その旨が明らかになるような登記制度であるべきである。

 不動産登記は,不動産に関する権利を公示するための制度であるから,「法定相続分」による登記が遺言や遺産分割協議に基づかない申請によるのであれば,登記原因としてその旨を明示すべきであり,それが国民の権利の保全を図り,もって取引の安全を円滑に資することにつながるものと考える。

 というわけで,改正後の実務としては,「相続人申告登記」の方が活用されるべきであろう。
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離婚とペットの親権(?)

2021-04-20 23:18:52 | 民法改正
YAHOO! ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/gotouchie/20210420-00233508/

 離婚に際して,飼育していたペットをどちらが引き取るか,そして,それに伴う財産的な条件等の法律問題について論じられている。
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バーチャル組合総会/理事会開催に関する実務指針(案)

2021-04-20 18:06:44 | 法人制度
バーチャル組合総会/理事会開催に関する実務指針(案)について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=640221003&Mode=0

「バーチャルオンリー型組合総会及びバーチャルオンリー型理事会を開催できるよう、中小企業等協同組合法施行規則(以下「中協法施行規則」という。)、中小企業団体の組織に関する法律施行規則(以下「中団法施行規則」という。)、商店街振興組合法施行規則(以下「商振法施行規則」という。)及び技術研究組合法施行規則(「技組法施行規則」という。)を改正する予定です(中協法施行規則、中団法施行規則及び商振法施行規則については令和3年4月8日から5月7日まで、技組法施行規則については同年4月9日から5月8日までパブリックコメントを実施。いずれも同年5月中旬公布・施行予定。)。」
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訴訟の相手方弁護士が,利益相反を抱える弁護士と同じ事務所である場合に,裁判所に対して,その行為の排除を求めることができるか

2021-04-20 17:58:13 | 民事訴訟等
最高裁令和3年4月14日第2小法廷決定
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90257

【判示事項】
 弁護士職務基本規程(平成16年日本弁護士連合会会規第70号)57条に違反する訴訟行為について,相手方である当事者は,同条違反を理由として,これに異議を述べ,裁判所に対しその行為の排除を求めることはできない

「基本規程は,日本弁護士連合会が,弁護士の職務に関する倫理と行為規範を明らかにするため,会規として制定したものであるが,基本規程57条に違反する行為そのものを具体的に禁止する法律の規定は見当たらない。民訴法上,弁護士は,委任を受けた事件について,訴訟代理人として訴訟行為をすることが認められている(同法54条1項,55条1項,2項)。したがって,弁護士法25条1号のように,法律により職務を行い得ない事件が規定され,弁護士が訴訟代理人として行う訴訟行為がその規定に違反する場合には,相手方である当事者は,これに異議を述べ,裁判所に対しその行為の排除を求めることができるとはいえ,弁護士が訴訟代理人として行う訴訟行為が日本弁護士連合会の会規である基本規程57条に違反するものにとどまる場合には,その違反は,懲戒の原因となり得ることは別として,当該訴訟行為の効力に影響を及ぼすものではないと解するのが相当である。」

cf. 日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE161DM0W1A410C2000000/
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「民法等の一部を改正する法律案」等が参議院法務委員会を通過

2021-04-20 15:52:36 | 民法改正
「民法等の一部を改正する法律案」(閣法第55号)及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案」(閣法第56号)が本日,参議院法務委員会で全会一致で可決,通過した。

 明日の参議院本会議で可決,成立の見込みである。
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法務大臣閣議後記者会見の概要「離婚に関する実態調査の結果の公表について」

2021-04-20 14:37:04 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和3年4月16日(金))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00190.html

「まず1件目は,離婚に関する実態調査の結果の公表についてです。
 法務省では,未成年期に親の離婚を経験した子どもの実態調査を行い,本年3月にその結果を公表いたしました。
 これに加えて,本年3月に,協議離婚の経験がある30代・40代の男女1,000名を対象とした協議離婚の実態調査と,離婚を経験した30代から60代までの男女700名を対象とした財産分与の実態調査をそれぞれウェブアンケートで行いました。
 その集計作業が終わりましたので,本日,法務省ホームページでその結果を公表いたします。
 いずれの調査も,法務省として,離婚を経験した方の声を把握するために初めて実施したものでありまして,先ほど申し上げました子どもの実態調査と合わせ,是非,多くの方にこの調査結果を御覧いただきたいと思っております。
 2件目は,協議離婚時の養育費や面会交流の取決めに関する周知についてであります。
 法務省では,これまで,離婚届用紙に,養育費と面会交流の取決めの有無を尋ねるチェック欄を設け,取決めの重要性を周知してまいりました。この度,一層効果的な周知を図るため,離婚届の書式を改訂することとしました。
 具体的には,例えば,養育費の取決めについて,不払いがあった場合の強制執行を容易にする観点から,公正証書による取決めの有無も尋ねる等の見直しをいたしました。
 また,このチェック欄の趣旨等を説明する動画を作成してインターネット上で公開し,離婚届のチェック欄の横に設けたQRコードからアクセスして視聴できるようにいたしました。
 今回の見直しにより,離婚を検討している父母が,離婚届用紙を通じて必要な情報を取得し,離婚後の子どもの成長について考えるきっかけの一つになることを期待しています。」

〇 協議離婚に関する実態についての調査研究業務報告書の公表について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00244.html

〇 財産分与を中心とした離婚に関する実態についての調査・分析業務報告書の公表について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00257.html
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「電子契約・電子署名の活用に関する諸問題(契約実践編)-法人間で締結される電子契約の証拠力を中心に」

2021-04-19 18:58:27 | 会社法(改正商法等)
電子契約・電子署名の活用に関する諸問題(契約実践編)-法人間で締結される電子契約の証拠力を中心に by AMT Newsletter
https://www.amt-law.com/asset/pdf/bulletins14_pdf/201130.pdf

 電子契約の証拠力及び法人間契約を電子化する際の注意点等についてまとめられている。
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商事法の電子化に関する研究会

2021-04-19 18:30:01 | 会社法(改正商法等)
商事法の電子化に関する研究会
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/syojihonodensika

 未だ何の情報も開示されていないが,とりあえず「研究会」が設置されたようである。
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