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司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

取締役の利益相反取引と債権法の改正

2020-04-05 11:56:17 | 会社法(改正商法等)
 債権法の改正により,民法第108条が改正され,自己契約及び双方代理に該当する行為を無権代理行為とみなすことが明確化され(同条第1項),自己契約及び双方代理に当たらない利益相反行為についても,本人があらかじめ許諾したものを除き,無権代理行為とみなされることとなった(新設された同条第2項)。

 そして,会社法第356条第2項が改正され,株主総会等の承認を受けた間接取引(同条第1項第3号)についても,民法第108条の適用を除外する改正がされている。

 なお,この改正には,経過措置があり,施行日前に取締役等となった者の利益相反取引については,施行日後も「なお従前の例による」ものとされている(整備法第47条第5項)。

会社法
 (競業及び利益相反取引の制限)
第356条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
 一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
 二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。
 三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。
2 民法第108条の規定は、前項の承認を受けた同項第2号又は第3号の取引については、適用しない。

民法
 (自己契約及び双方代理等)
第108条 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
2 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成29年法律第45号)
 (会社法の一部改正に伴う経過措置)
第47条 【略】
2~4 【略】
5 施行日前に取締役、執行役又は清算株式会社(旧会社法第四百七十六条に規定する清算株式会社をいう。)の清算人となった者の利益相反取引については、新会社法第三百五十六条第二項(新会社法第四百十九条第二項及び第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
6~8 【略】
9 施行日前に持分会社の業務を執行する社員、社員の職務を行うべき者又は清算持分会社(旧会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいう。)の清算人となった者の利益相反取引については、新会社法第五百九十五条第二項(新会社法第五百九十八条第二項及び第六百五十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
10~13 【略】
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