司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

合同会社が発起人となって株式会社を設立する場合の実質的支配者(再燃)

2019-01-08 12:47:35 | 会社法(改正商法等)
ほくらoffice(文京公証役場の公証人)
https://www.hokura-office.com/

「発起人が合同会社である場合の実質的支配者の考え方に関する以前のツイート2件を削除して撤回します。」(上掲HPのツイート欄)

 削除されたのは,下記2件である。

「発起人合同会社が議決権100%を保有する株式会社を設立するとき,合同会社の議決権50%超を保有する自然人が実質的支配者。それがいなければ設立会社に支配的影響を有する自然人,それもいなければ設立会社の設立時代表取締役が実質的支配者となるのです。」

「犯収法施行規則11条3項2号の「支配法人」とは「当該自然人がその議決権の総数の二分の一を超える議決権を有する法人をいう」とされるから,合同会社も含まれる。合同会社の議決権は定款で出資割合とすることができる。だから,合同会社を介して設立会社の議決権を間接保有することはできる。」


 削除後にアップされたのは,

「合同会社が発起人となり議決権100%保有の株式会社を設立する場合、合同会社は犯収法施行規則11条3項2号の支配法人に該当しないと考えます。そうだとすると実質的支配者は同条2項2号、4号で判断することになります。」(上掲HP)

 ん~,そうかな? 改説前の「合同会社も含まれる」の方が筋が通っていると思われる(条文上は,否定されていない。)。

 この点についての私見は,下記のとおりである。

「合同会社は,資本多数決法人以外の法人であるので,合同会社が発起人となって株式会社を設立する場合,上記の「間接保有」の理は,当てはまらない。
※【追記1】通常は,「当てはまらない」でよいが,定款の別段の定め(会社法第590条第2項)によって,議決権に関する定めを設け,資本多数決法人と類似の運営をすることができる。この場合には,「合同会社の議決権50%超を保有する社員」があり得ることになり,「間接保有」の理により,当該社員が実質的支配者に該当することになる。なお,この場合であっても,合同会社は,犯収法上の資本多数決法人に該当するわけではなく(犯収法第11条第2項第1号括弧書),あくまで「支配法人」を通じた間接保有を検討するときの「支配法人」(同条第3項第2号)に該当する場合があり得る,ということである。」(後掲記事)

cf. 平成30年12月10日付け「合同会社が発起人となって株式会社を設立する場合の実質的支配者(補遺)」
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