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司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

法人の登記を書き換えて「勝手に物件売却」,防ぎようがない?

2025-06-15 11:29:11 | 会社法(改正商法等)
楽待新聞
https://www.rakumachi.jp/news/column/372166

 商業登記制度においても,不動産登記制度においても,「不正登記防止申出」の手続が用意されているので,防ぎようがないことはない。

 ただし,3か月ごとに更新を続ける必要があるが。


○ 商業登記等事務取扱手続準則
 (不正登記防止申出)
第49条 不正登記防止申出は、登記の申請人となるべき者又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。)が登記所に出頭してしなければならない。ただし、その者が登記所に出頭することができないやむを得ない事情があると認められる場合には、当該登記の申請人となるべき者の委任による代理人が登記所に出頭してすることができる。
2 不正登記防止申出は、別記第27号様式又はこれに準ずる様式による申出書を登記官に提出してするものとする。
3 前項の申出書には、登記の申請人となるべき者又はその代表者若しくは代理人が記名押印するとともに、代理人によって申出をするときは、当該代理人の代理権限を証する書面を添付するものとする。この場合において、申出書又は委任状に押印された印鑑(登記所に提出された印鑑と同一のものを除く。)につき市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)の作成した証明書を添付しなければならない。
4 登記官は、不正登記防止申出があった場合には、当該申出人が申出に係る登記の申請人となるべき者本人であること、当該申出人が申出をするに至った経緯及び申出が必要となった理由に対応する措置を執っていることを確認しなければならない。
5 登記官は、不正登記防止申出を受け、規則第34条第3項第7号の規定により不正登記防止申出書類つづり込み帳に第2項の申出書及びその添付書面等をつづり込んだ場合には、不正登記防止申出書類つづり込み帳の目録(別記第28号様式)に、申出に係る登記の申請人となるべき者の氏名又は商号若しくは名称及び住所、申出人の氏名又は商号若しくは名称並びに申出の年月日を記載するものとする。
6 登記官は、不正登記防止申出があった場合において、これを相当と認めるときは、前項の目録に本人確認の調査を要する旨を記載するものとする。
7 不正登記防止申出の日から3月以内に申出に係る登記の申請があったときは、速やかに、申出をした者にその旨を適宜の方法で通知するものとする。本人確認の調査を完了したときも、同様とする。
8 登記官は、不正登記防止申出に係る登記を完了したときは、第2項の申出書を不正登記防止申出書類つづり込み帳から除却し、申請書と共に保管するものとする。この場合には、不正登記防止申出書類つづり込み帳の目録に、登記を完了した旨及び除却の年月日を記載するものとする。

○ 不動産登記事務取扱手続準則
 (不正登記防止申出)
第35条 不正登記防止申出は、登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。)が登記所に出頭してしなければならない。ただし、その者が登記所に出頭することができない止むを得ない事情があると認められる場合には、委任による代理人が登記所に出頭してすることができる。
2 不正登記防止申出は、別記第53号様式又はこれに準ずる様式による申出書を登記官に提出してするものとする。
3 前項の申出書には、登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人が記名押印するとともに、次に掲げる書面を添付するものとする。
 (1)登記名義人若しくはその相続人その他の一般承継人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く)の印鑑証明書。ただし、前項の申出書に当該法人の会社法人等番号(商業登記法(昭和38年法律第125号)第7条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人番号をいう。第2号、第3号及び第46条第2項において同じ。)をも記載したときは、登記申請における添付書面の扱いに準じて、その添付を省略することができる。
 (2)登記名義人又はその一般承継人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面。ただし、前項の申出書に当該法人の会社法人等番号をも記載したときは、その添付を省略することができる。
 (3)代理人によって申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面。ただし、登記名義人若しくはその一般承継人又はその代理人が法人である場合において、前項の申出書に当該法人の会社法人等番号をも記載したときは、登記申請における添付書面の扱いに準じて、その添付を省略することができる。
4 登記官は、不正登記防止申出があった場合には、当該申出人が申出に係る登記の登記名義人又はその相続人その他の一般承継人本人であること、当該申出人が申出をするに至った経緯及び申出が必要となった理由に対応する措置を採っていることを確認しなければならない。この場合において、本人であることの確認は、必要に応じ規則第72条第2項各号に掲げる方法により行うものとし、登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と異なるときは、氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏を証する書面の提出も求めるものとする。
5 登記官は、不正登記防止申出を受けたときは、不正登記防止申出書類つづり込み帳に第2項の申出書及びその添付書面等の関係書類をつづり込むものとする。
6 前項の場合は、不正登記防止申出書類つづり込み帳の目録に、申出に係る不動産の不動産所在事項、申出人の氏名及び申出の年月日を記載するものとする。
7 登記官は、不正登記防止申出があった場合において、これを相当と認めるときは、前項の目録に本人確認の調査を要する旨を記載するものとする。
8 不正登記防止申出の日から3月以内に申出に係る登記の申請があったときは、速やかに、申出をした者にその旨を適宜の方法で通知するものとする。本人確認の調査を完了したときも、同様とする。
9 登記官は、不正登記防止申出に係る登記を完了したときは、第2項の申出書を不正登記防止申出書類つづり込み帳から除却し、申請書(電子申請にあっては、電子申請管理用紙)と共に保管するものとする。この場合には、不正登記防止申出書類つづり込み帳の目録に、登記を完了した旨及び除却の年月日を記載するものとする。
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公証人手数料令等の改正

2025-06-15 08:30:22 | 民法改正
「民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案」に関する意見募集
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080323&Mode=0

 公証人手数料令等の改正がされる。

○ 公証人手数料令の一部改正
「民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和5年法律第53号)による公証人法(明治41年法律第53号)の改正により公正証書の作成手続が全面的にデジタル化されることに伴い、公証人手数料令(平成5年政令第224号)について、電磁的記録による公正証書の内容の証明等に係る手数料を新たに定めるほか、いわゆる条ずれや用語の変更等も含めた所要の整備を行うとともに、上記デジタル化に伴うシステム構築等に合わせ、近時の物価上昇への対応、ひとり親家庭や身寄りのない高齢者等にとって作成のニーズが高いと考えられる一定の公正証書の作成の負担軽減を図る必要があること等の事情を踏まえ、法律行為の目的の価額が200万円を超える公正証書や類型的に公証人の負担が特に重い法律行為に係る公正証書の作成手数料の引上げ、法律行為の目的の価額が50万円以下の公正証書や養育費・死後事務委任に係る公正証書の作成手数料の引下げ等を行う。

 全般的に増額基調であるが,目に付いたところは,次のとおり。

○ 第18条の2(新設)
 死後事務委任の公正証書の作成についての手数料の額は,第9条の規定による額の10分の5の額とする。

○ 第22条の2(新設)
 信託の公正証書の作成についての手数料の額は,第9条の規定による額に1万3000円を加算する。ただし,信託財産の価額が1億円を超えるときは,この限りでない。

 令和7年10月1日から改正される見込みである。
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公正証書のデジタル化に係る改正省令案

2025-06-15 08:12:25 | 民法改正
「民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の一部の施行に伴う法務省関係省令の整備に関する省令案」に関する意見募集
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=300080324

 公正証書のデジタル化に係る改正省令案等である。

 遺言公正証書も含めて,令和7年10月1日からデジタル化される。

 対面方式の場合は,嘱託人側は,基本的に従来どおり。「読み聞かせ」の部分が,word文書を画面で見ながらになり,「署名押印」の部分が,タッチペンで電子サインをする方式となる。
 公証人は,「読み聞かせ」の後,word文書をPDF化し,遺言者,証人2人,公証人の順にタッチペンで電子サインをして,最後に公証人の電子署名をしてから,システムに「登録」(アップロード)するという流れ。

 リモート方式の場合は,面談に代えてWEB会議システム(teams)を利用すること以外は対面方式と同様であるわけだが,操作はなかなか面倒。司法書士は,電子定款の認証手続において,WEB会議システムを利用しているので,順応しやすいと思うが,操作は格段に面倒である(リピートの頻度次第か。)。公証人の誘導どおりに操作すればいいのだろうが,誘導がなければ難度が高い。
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日本公証法学会

2025-06-15 07:46:35 | いろいろ
 昨日(6月14日)は,日本公証法学会研究報告を傍聴。

第一報告
テーマ:「公正証書及び登記諸制度に対するブロックチェーンの利活用に関する検討と「量子超越」という課題」
報告者:森 勇斗 氏(山形大学人文社会科学部総合法律コース講師)

※ 難しいお話。

第二報告
テーマ:「沿革と周辺制度からみる定款認証の意義・機能の再検討」
報告者:大西徳二郎 氏(流通経済大学法学部准教授)

※ 定款制度の歴史的沿革から。最近調べていた領域でもあり,興味深い。

第三報告
テーマ:「公証人法施行規則の改正について」
報告者:吉賀朝哉 氏(法務省民事局付)

※ 公正証書のデジタル化に係る改正省令案(令和7年6月13日からパブコメが開始された。)に関する解説。

最後に
電子公正証書の作成に関するデモビデオの上映(10分程度)

※ 対面方式の場合は,嘱託人はタッチペンでサインをするだけなので容易。リモート方式の場合は,なかなか面倒(公証人の誘導どおりに操作すればいいのだろうが,誘導がなければ難度が高い。)。遺言公正証書も含めて,今年10月からデジタル化される。
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