司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

会社法第361条第1項第3号の規定による移転(3)

2013-12-26 18:48:42 | 会社法(改正商法等)
「退職した取締役に対して退職慰労金を支給するに際して,会社所有の不動産の所有権を移転することによって実現したいというニーズがあり得る。この場合における不動産登記の登記原因は、何であろうか?」

 この問題については,過去にも取り上げたところであるが,比較的関心が高いようで,当該記事には断続的にアクセスが続いている。

cf.平成23年6月11日付け「会社法第361条第1項第3号の規定による移転(2)」

 ところで,この問題に関し,登記研究790号(平成25年12月号)の質疑応答7957では,この場合の登記原因は「年月日退職慰労金の給付」が相当,としている。

【7957】退職慰労金として給付された不動産についての所有権の移転の登記の申請をする場合における登記原因について
〔要旨〕退任する取締役に対し,退職慰労金として,会社所有の不動産を与える旨の株主総会の決議がされた場合において,当該不動産の所有権の移転の登記の申請をするときの登記原因及び日付は,「年月日退職慰労金の給付」とするのが相当である。

 コメント欄にも書いたとおり,わかりやすさという意味ですぐれているのは,こちらかもしれないが,私の考えは,上掲の記事に述べたとおり,「年月日会社法第361条第1項第3号の報酬等としての給付」である。

 「退職慰労金」は,法令用語でもありませんしね。

 そもそも,匿名で,かつ,理由付けも示されていない「質疑応答」には,登記実務が依拠する価値は全くないと思われる。

 「登記研究」は,質疑応答などで御茶を濁さず,当該論点に関する論稿を載せるようにすべきであろう。
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個人保証に関する日司連会長声明

2013-12-26 15:18:11 | 消費者問題
個人保証に関する会長声明 by 日司連
http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement/statement_detail.php?article_id=68

 「個人の保証人保護の方策は,民法の中で規律すべきである」等の意見である。
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法務省における行政手続等のオンライン化状況の公表について

2013-12-26 15:07:21 | 司法書士(改正不動産登記法等)
法務省における行政手続等のオンライン化状況の公表について
http://www.moj.go.jp/hisho/jouhoukanri/kanbou_johoka_online01.html

 登記申請件数は,ほぼ横ばい。オンライン利用率は,着実に増加傾向にある,でしょうか。
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利息制限法施行令等の一部を改正する政令(案)

2013-12-26 15:00:24 | 消費者問題
「利息制限法施行令等の一部を改正する政令(案)」の公表について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=225013045&Mode=0

 消費税率のアップに合わせて,利息制限法施行令等の一部が改正される。

「平成26年4月に消費税率が引き上げられることに伴い、利息制限法施行令等に定める利息とみなされない現金自動支払機その他の機械の利用料等を改正するものです」

 手数料が105円→108円という改正で,取り上げるまでもないのだが・・。
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みずほフィナンシャルグループが委員会設置会社に移行

2013-12-26 08:17:00 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC2501G_V21C13A2MM8000/?dg=1

 2014年6月総会で定款変更を行い,委員会設置会社に移行するそうだ。

 「委員会設置会社」は,改正会社法が施行された後は,指名委員会等設置会社(会社法改正法案第2条第12号)と改称される。
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「京都市空き家の活用,適正管理等に関する条例」が制定

2013-12-26 05:53:08 | 空き家問題&所有者不明土地問題
「京都市空き家の活用,適正管理等に関する条例」
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000155468.html

 施行日は,平成26年4月1日である。


 気になるところをピックアップすると・・・。


 司法書士会は,条例第2条第9号の「市民活動団体等」に含まれる。「等」の団体である。司法書士は,「市民等」(同条第8号)である。

 (定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
 (1)~(7) 【略】
 (8)市民等 市民及び本市の区域内に存する建築物の所有者等をいう。ただし,空き家の所有者等を除く。
 (9)市民活動団体等 地域コミュニティの活性化又はまちづくりの活動の促進に関わる市民活動団体(ボランティア活動その他の公益的な活動を行うことを目的として市民が組織する団体をいう。)その他の団体をいう。

 (自治組織及び市民活動団体等の役割)
第8条 自治組織及び市民活動団体等は,空き家が地域コミュニティの有用な資源であることに鑑み,その状況及びその所有者等に関する情報の把握その他空き家の活用等の推進に積極的な役割を果たすものとする。

 (相互の協力)
第9条 本市,空き家の所有者等,事業者,市民等,自治組織及び市民活動団体等は,この条例の目的を達成するため,相互に,その果たす役割を理解し,協力するものとする。


 建築基準法第2条第1号に規定する建築物の所有者又は管理者に対して,不動産登記が未登記である状態を解消する努力義務(条例第11条第1項)が課された。建物の表題登記の申請義務(不動産登記法第47条第1項)を除けば,本邦史上初では?

第2節 空き家の発生の予防
第11条 建築物の所有者等は,当該建築物の老朽化,未登記その他将来において空き家の発生の原因となるおそれのある事実があるときは,当該建築物の改修,登記その他空き家の発生を予防するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
2 【略】


 固定資産税の課税情報等の利用が認められる旨の規定が置かれた。

 (空き家の所有者等を確知することができない場合の対応)
第16条 市長は,空き家の所有者等又はその連絡先を確知するために必要な調査を行うことができる。
2 【略】
3 市長は,空き家の所有者等又はその連絡先を確知することができない場合において必要があると認めるときは,固定資産税の課税その他の空き家の適正な管理に関する事務以外の事務のために利用する目的で保有する情報で空き家の所有者等又はその連絡先を確知するために有用なものについては,京都市個人情報保護条例第8条第1項の規定にかかわらず,この節の規定の施行に必要な限度において,自ら利用し,又は提供することができる。
4 【略】

 
 空き家の所有者等が市長の命令(第15条第1項)に従わないときは,過料が科される。

 (過料)
第25条 第15条第1項の規定による命令に違反した者は,50,000円以下の過料に処する。


 新潟県長岡市では,空き家条例の適用時例も。

cf. 讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20131225-OYT8T01365.htm

日経記事(有料会員限定)「空き家,都市むしばむ」
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKDZO64488860U3A221C1CC1000
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