Altered Notes

Something New.

問題をすり替える日本共産党

2022-03-06 05:10:00 | 社会・政治
ソ連が崩壊した後でソ連所有だった核兵器を実質的に多数保有していたウクライナはロシアや欧米から「核兵器を放棄すれば安全は保証する」という約束を信じて核兵器を放棄した。その結果が以前起きたロシアによるクリミア半島の侵略であり今回のウクライナ侵略である。これはそのまんま日本に対する教訓である。核兵器を含むきちんとした反撃能力を持たない国はやがて大国に侵略され蹂躙されジェノサイドされまくるのである。ロシアや中国を見ればよく判ることだ。中国は共産党が支配する独裁国家であり、ロシアも旧共産主義国であり強烈な独裁支配者が君臨する国家である。版図の拡張を意図した独裁者の欲望を満たす為の侵略行為、武力による強制的な現状変更をやってくるのはいつもこうした共産主義や社会主義的な色彩を持つ大国である。

そんな中、日本共産党の志位委員長が2,022年月24日にツイッターに投稿した内容が話題になっている。その内容は下記の通りである。

「憲法9条をウクライナ問題と関係させて論ずるならば、仮にプーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです」

とのことである。

ここで志位委員長は問題のすり替えをしている。

どういうことか。

日本共産党は従来、9条があれば日本は安全であり、憲法違反の自衛隊はなくすべきだ、という趣旨の主張をしてきたのである。(*1)「9条があれば他国は攻めてこない」としてきたのが、ここへきて言い分がコロッとすり替わっているのだ。ウクライナの現実を見せつけられたことで従来の言い分が通用しなくなっている空気を感じたからだろう。(*2)

それで志位氏は「9条があることで日本に変な指導者が出てきても他国への侵略ができないようにした」というベクトルの向きが真逆な主張にすり替えたのである。「他国からの侵略を防ぐ」のではなく、「他国を侵略できない日本」という話だと従来の日本共産党の主張とは全然違う話になってしまう。

言うまでもなく日本は戦後一貫して他国への侵略姿勢など見せたこともないし、そもそもそんな意思を持ったこともない。しかし日本共産党はそうは考えていないようである。彼らにとっては日本はいつまでも好戦的で侵略姿勢を持つ国家らしい。だが、「好戦的で侵略姿勢を持つ国家」と言えば誰だって日本ではなく日本の近隣にあるあの国を想起するであろう。

そんな「9条があれば日本は侵略されない」「自衛隊は違憲」という主張を繰り返してきた日本共産党だが、以前に関西のテレビ番組「そこまで言って委員会」に出席した日本共産党の小池副委員長は作家の竹田恒泰氏から「中国が攻めてきた時に日本はどうやって守るのですか?」という質問を受けた時に「中国が日本を攻めるなどあり得ません」と回答し、話を逸して逃げようとした。竹田氏は続けて「それでも仮に中国が攻めてきた場合に日本はどのように国を守るのですか?」と聞いたところ、小池副委員長は「自衛隊に守ってもらいます」と回答。爆笑である。「あれ?、9条が守ってくれるんじゃないの?」と誰でも思うだろう。また、「自衛隊は違憲だから解散してなくすべきだ」と主張していた日本共産党が「攻められたら自衛隊に守ってもらう」と宣うのである。いつの間にか(暗黙のうちに)「自衛隊は合憲」ということになっているのだ。いともたやすく返ってくるブーメランを投げる政党、それが日本共産党だ。

そして今回の志位委員長のツイートである。日本共産党のこうした姿勢の背後に何があるのだろうか?

日本共産党の言い分を冷静に敷衍してみると、最終的に「日本のため」にはならず、日本を敵視する「中国やロシアのため」になっていることが判る。日本共産党の言うとおりにしてみると、中国やロシアは日本を侵略しやすくなるのだし、逆に日本からは一切の手出しはできない…日本はやられるだけの存在…そういうルールにしようとしていることが判る。日本共産党が中国やロシアを利する為に活動していると捉えれば全てのピースがピタッとハマるのである。日本共産党は「改憲阻止」を訴求しているが、改憲しないことで誰が喜ぶのか?中国や朝鮮・ロシアなどの反日国家たちであることは言うまでもなく明白である。(*3)

そもそも、だ。日本共産党は「コミンテルン日本支部 日本共産党」としてスタートしている政党だ。コミンテルンはソ連(ロシア)の共産主義を世界に広める活動組織である。そもそものスタートから彼らの中には「日本のため」など念頭に無いのである。全てはロシアと、今は中国も含めて共産主義系独裁国家を利する為の組織、ということだ。

そして左翼の人にありがちなのが、その時々の情勢に応じて言うことがコロコロ変わる、という特性である。今までは「他国から侵略されない為の9条」であり「自衛隊は違憲」と主張していた日本共産党が、ウクライナ情勢を受けて日本国内の空気が変わってきたことで態度をコロッと変えて「日本が他国を侵略しない為の9条」にすり替えた。さらに、万が一攻撃されたら「自衛隊に守ってもらう」と言っていつの間にか「自衛隊は合憲」にすり替わっているのである。


こうした数多の事実を我々は重く見つめていかねばならないであろう。



-----------------------------------


(*1)
2019年の6月、ホルムズ海峡で日本のタンカーが攻撃されて火災が発生して乗組員がアメリカやイランの軍に救助されている。これだって「日本には9条があるのになぜ攻撃されたのか?」ということになる。攻撃者が攻撃前に日本の憲法を読んで9条があるから云々…と考えてくれる訳がないのは言うまでもない。そもそも攻撃者は9条の存在そのものを知らないだろう。

(*2)
日本共産党は今まで「他国の脅威から自国を防衛する為に憲法第9条がある」としてきた。要するに「9条があれば国は守れる」という趣旨の主張をしてきたのだ。しかしウクライナの惨状を見れば憲法に9条があるかないかなど関係ない事は火を見るより明らかである。例えばロシアのプーチン大統領が日本を侵略しようとした時に、事前に日本の憲法を読んで「9条があるから攻撃はやめておこう」などと考えるだろうか? 本気でそんなことを考えているなら、頭の中は相当なお花畑なのだろう。(蔑笑)

(*3)
他国からの侵略に備えて十分な軍備を用意する…そんなこと当たり前であり世界の常識である。逆に「9条があれば他国から侵略されない」と宣う共産党や立憲民主党などの左派勢力の言い分の方が客観的に見て非常識なのだ。グローバルな視点から見てガラパゴス的な考え方なのである。