作家で国会議員や東京都知事など務めた石原慎太郎氏が2021年2月1日に89歳で亡くなった。以前の時代なら筆者は石原氏に対して批判的で否定的だった。しかし、その理由が何だったかを振り返ると、ほとんどは当時のマスコミの報道内容を真に受けていたからである。マスコミはおしなべて左翼的であり、「共産主義が嫌い」と明言していた(*1)石原氏に対して批判的であった。メディアは左派系であり、石原氏の行動や言動をすべて頭から否定的に解釈して報道するのが常だったのである。
だがしかし…。
種々の情報を知ることで真実がどうであったかが少しずつ判明してくると、マスコミが押し付けてくる報道内容に違和感を持つようになった。マスコミが決めつける石原慎太郎像は何かおかしい…。
今回は作家の竹田恒泰氏やジャーナリストの有本香氏が語る内容を中心にして石原慎太郎氏の真実について記してゆこうと思う。
竹田恒泰氏は石原氏について、まず東京都の財政を立て直した功績を称える。現在、東京都が武漢コロナウィルスへの対応でもなんとか持ちこたえられているのも、石原氏に依る財政立て直しが出来たからなのだ。武漢コロナ対応で給付金を出すにしても、石原都政以前の財政状況だったらとてもじゃないが給付金など出せない状態だったのである。
1960年代から1970年代にかけての社会党系だった美濃部亮吉都知事の時代には東京都の財政は完全に赤字になり、どうにもならない状態になっていた。その後、誰が東京都知事になってもこの赤字財政は解消できなかったのだ。
石原氏が都知事に就任すると、早速財政再建に乗り出した。都の職員は総勢だと16万人ほど居るのだが、石原氏は組合などを説得して、財政再建が出来るまで都の職員の人件費を一時的に下げている。もちろん財政再建が達成されたら元に戻す約束で行われたのである。こうした事はなかなか出来るものではないが、石原氏はそれをやり遂げたのだ。
尖閣諸島を東京都が購入する、というアイディアも石原氏発である。実はこれは非常に画期的な案であり、実現していたら現在の尖閣問題は起きていなかった可能性が高いのである。尖閣諸島が東京都の所有になっていれば建物でも標柱でも何でも建てることが出来たはずである。だが、そこに当時の日本政府(民主党政権)がしゃしゃり出てきて日本政府が購入することになったのだ。
この政府のやり方は馬鹿だった。
どういうことか?
後で切れる大切なカードを先に切ってしまったから、である。政府は最もとっておくべき最後のカードを率先して切ってしまったのだ。民主党政権のこの判断は国際政治的には本当に阿呆な選択だった。
なぜか。
「国が買う」というカードを出してしまったら、手持ちのカードの価値が失われてしまうからである。この場合、まずは「東京都が買う」ことにしていれば「国有化」というカードは温存できていたのだ。「場合に依っては国有化する」というカードが使えた筈である。しかし、「都が買います」と言った時に「ちょっと待て」と言って民主党政府が手柄を取りに行ってしまったのである。そうすることでそのカードは使えなくなってしまったのだ。せっかく2枚の強力なカードがあったのに、なぜいきなり「国有化」のカードを切ってしまったのか。民主党政権にはカードを出す順番が全く判っていなかったのだ。いきなり国有化したおかげで切るべきカードを失ってしまったのであった。戦略的に考えて民主党政権は阿呆であった。まずは東京都に購入させて経過を見れば良かったのである。
石原氏は東京の羽田空港国際化にも貢献している。ずっと昔には羽田空港だけが東京唯一の空港であり、国際線・国内線共に扱っていたのだが、成田空港が出来た時に「成田は国際線、羽田は国内線」という区別ができた。
石原氏は羽田空港の活用を重視して、海側に敷地を大きく拡張して滑走路も増設した。第2ターミナルと国際線ターミナルも作って羽田の利便性を大きく向上させたのである。石原氏の構想が東京を活気づけたのであった。
その意味では、石原氏はグランドデザインが出来る人だったのであり、そのスケールの大きさから考えて現在の小池都知事や岸田総理も追いつけないほど大きなスケールとヴィジョンを持つ人物だったことが判るのだ。
東京オリンピックの招致活動や東京マラソンなどの大きなイベントを実現したのも大きな功績と言えよう。東京マラソンは警備をする警察は嫌がったのだが、石原氏は丁寧に説得して実現にこぎつけたのである。Qちゃん(高橋尚子氏)への指導で有名な小出義雄監督も「ランナーは多くの人に見られて走るところに醍醐味を感じる」ということで、石原氏に依るこのイベント実現を心から喜んでいたのだった。また、参加した一般のランナーたちも這いつくばるようにゴールした後で皆泣いて喜んでいた、ということである。ゴールを達成した一般の市民たちに石原氏が「おめでとう」と声をかけると、市民ランナーたちは口々に「ありがとうございます」と言ってこのマラソンが開催された事に心からのお礼を口にするのであった。「いや、俺に感謝するのではなく、自分自身に感謝しなさい」と言って石原氏はランナー達を讃えた。「あれは本当に美しい光景だった」と石原氏は述懐していた。(2017年、有本氏のインタビューにて)
また、石原氏の功績として、違う分野では「朝鮮総連の関連施設に固定資産税を課税」した事が画期的であった。固定資産税は地方自治体が取るものだが、全国の自治体でもほとんど取っていなかったのが実態である。大使館的な扱いだから、というのがその理由だが、石原氏は「払うべきものは払ってもらう」と言って課税したのであった。
だが、興味深いことにこの事案は石原氏の発案ではない。
石原氏が言うには、「あれは自分の発案ではなく、東京都の職員がそういう問題意識を持っていて、知事のところまで案件を上げてきた」ということである。都の職員発の案件だったのだ。
恐らく職員側としては、この知事(石原氏)ならやってくれると思って提案したのであろう。大正解だ。それで石原氏は「やれ」と言って号令をかけたのである。このように述べて都の職員を立てていた石原氏だった。このように人をちゃんと考えている人物だったのだ。
その意味ではマスコミが伝える石原慎太郎像とは随分異なるようだ。メディアは「石原氏はワンマンで独善的」といった印象操作を盛んにしていたが、真実は全く違ったのである。
石原氏が終始言っていた言葉がある。「東京都の職員って優秀なんだよ」・・・あらゆることを石原氏自身が考えて”ああせい””こうせい”と言っているのではなくて、職員たちは自分たちなりのアイディアを持っているのだ、ということ。「それを自分は活用したに過ぎない」、と石原氏は繰り返し言っていたのである。
築地市場の豊洲移転にあたっても、石原氏は築地市場のすべての業者に手紙を書いて送っているのだ。小さな業者を含めると仲卸だけでも800以上あったが、全ての業者に真摯な内容の手紙を石原慎太郎名で送って理解を求めたのである。当時築地で営業していて、豊洲移転には批判的だった業者もその手紙を読んで豊洲移転を了承した、ということである。
石原慎太郎氏は歯に衣着せぬ発言で直截的に表現というか指摘する事が多く、その為に悪意あるマスコミから「恐ろしくとんでもない人物」という印象操作をされることが多かった。筆者もそうしたマスコミの印象操作を真に受けたことで以前は決して良いイメージは持っていなかったのである。
当ブログでも何度か記事を載せて紹介したフリーアナウンサーの宇垣美里さんもマスコミが流す印象操作に依って石原氏に怖い印象を持っているのだと語っていた。「この人の何がどのような人を傷つけて、どんな人たちに怖い思いをさせたのか…ということは今も残っていることですし~」(2022年2月2日「ABEMA Prime」(AbemaTV))などと述べてジェンダーやLGBT方面についての考え方で石原氏は問題ある人物である、という見解を持っているようだ。しかし、それらは全て悪意あるマスコミに依る印象操作を含む報道を真に受けた結果として構成されたイメージである。これが示すことは宇垣さんを含めて社会がマスコミの印象操作に見事に振り回されている実態である。マスコミの思うつぼ、ということだ。
まして宇垣さんが所属していたテレビ局は極左姿勢を持つTBSである。親中左翼である毎日新聞系のこのテレビ局で5年間を過ごしたとすれば、こうした見解を持つことはさもありなん、な事ではある。
宇垣さん自身は恐らく右翼や左翼といった単純なセクトに与せず、純粋に真実を追い求める姿勢を持つ人物である。その点で非常にピュアな人物だと言える。従って、正しい知識や情報が得られれば捉え方・考え方も自ずと変化してゆくものと推察している。筆者が注目しているのはそうした最も基本的な人間性である。
宇垣さんが憂いた問題についてはジャーナリストの有本香氏が回答になると思われる見解を述べている。
有本香氏はこう述べる。
『石原氏は「女・子供は」という扱いをするから「女を仕事の場に寄せない」「女と仕事しない」という話をある筋から聞いていたが、実際に石原氏に会ってみるとそういう印象は全く無かった』ということである。
確かに女性差別意識を持っているかのような報道はあったが、有本氏は実際に石原氏と接してみて、そうした差別感を持ったことが一度もないのだ。これは厳然たる事実である。石原氏は好き嫌いがはっきりしている人だったが、人間的にしっかりしている人ならば性別に関係なく丁寧に接する人だったのである。差別は無い、と断言できる。上から目線の「キミ」という呼び掛けさえ受けたことはないのだ。石原氏は有本氏に対しては必ず「貴女は~」という言い方で始める人であった。「とても尊重してくださっている印象があった」ということだ。尊大な態度や上から目線の嫌らしさなどを感じた事は一度もなかった、と言うのである。「石原氏を悪く言う人々は一体どこを見ていたのか」、と有本氏は言う。
そう考えると、宇垣さんの受け止め方が正にマスコミに依る偏向報道を真に受けた結果の”誤解”であることがよくわかる、というものだ。
宇垣さんがかつて所属していたTBSも含めてテレビ各局は石原氏を追悼するというか、人物を振り返る的な番組を流したが、普通なら触れるであろう2つの大きな功績をTV局は全く触れなかったのである。東京五輪や東京マラソンといった大きなイベントを開催できるようになった東京都だが、上述のように、これは石原氏が東京都の財政を立て直したから実現できたことである。これは真に凄いことであり偉大な功績なのだが、TV局は敢えて言わないのだ。実に嫌らしい。もう一つはこれも上述した朝鮮総連関連施設への固定資産税課税である。結局、テレビ局がやりたかったのは功績の紹介よりも最後まで石原氏を怖くて恐ろしい人物として描いて貶めたかった…そういうことであろう。テレビ局含むマスコミが報道機関ではなく左翼の情報工作機関であることを自ら示すような番組ばかり…な今日このごろなのである。
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(*1)
石原氏が生涯希求したものは「自由」である。だからこそ、その反対の不自由な政治体制を持つ国には抵抗感を持っていたのである。
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だがしかし…。
種々の情報を知ることで真実がどうであったかが少しずつ判明してくると、マスコミが押し付けてくる報道内容に違和感を持つようになった。マスコミが決めつける石原慎太郎像は何かおかしい…。
今回は作家の竹田恒泰氏やジャーナリストの有本香氏が語る内容を中心にして石原慎太郎氏の真実について記してゆこうと思う。
竹田恒泰氏は石原氏について、まず東京都の財政を立て直した功績を称える。現在、東京都が武漢コロナウィルスへの対応でもなんとか持ちこたえられているのも、石原氏に依る財政立て直しが出来たからなのだ。武漢コロナ対応で給付金を出すにしても、石原都政以前の財政状況だったらとてもじゃないが給付金など出せない状態だったのである。
1960年代から1970年代にかけての社会党系だった美濃部亮吉都知事の時代には東京都の財政は完全に赤字になり、どうにもならない状態になっていた。その後、誰が東京都知事になってもこの赤字財政は解消できなかったのだ。
石原氏が都知事に就任すると、早速財政再建に乗り出した。都の職員は総勢だと16万人ほど居るのだが、石原氏は組合などを説得して、財政再建が出来るまで都の職員の人件費を一時的に下げている。もちろん財政再建が達成されたら元に戻す約束で行われたのである。こうした事はなかなか出来るものではないが、石原氏はそれをやり遂げたのだ。
尖閣諸島を東京都が購入する、というアイディアも石原氏発である。実はこれは非常に画期的な案であり、実現していたら現在の尖閣問題は起きていなかった可能性が高いのである。尖閣諸島が東京都の所有になっていれば建物でも標柱でも何でも建てることが出来たはずである。だが、そこに当時の日本政府(民主党政権)がしゃしゃり出てきて日本政府が購入することになったのだ。
この政府のやり方は馬鹿だった。
どういうことか?
後で切れる大切なカードを先に切ってしまったから、である。政府は最もとっておくべき最後のカードを率先して切ってしまったのだ。民主党政権のこの判断は国際政治的には本当に阿呆な選択だった。
なぜか。
「国が買う」というカードを出してしまったら、手持ちのカードの価値が失われてしまうからである。この場合、まずは「東京都が買う」ことにしていれば「国有化」というカードは温存できていたのだ。「場合に依っては国有化する」というカードが使えた筈である。しかし、「都が買います」と言った時に「ちょっと待て」と言って民主党政府が手柄を取りに行ってしまったのである。そうすることでそのカードは使えなくなってしまったのだ。せっかく2枚の強力なカードがあったのに、なぜいきなり「国有化」のカードを切ってしまったのか。民主党政権にはカードを出す順番が全く判っていなかったのだ。いきなり国有化したおかげで切るべきカードを失ってしまったのであった。戦略的に考えて民主党政権は阿呆であった。まずは東京都に購入させて経過を見れば良かったのである。
石原氏は東京の羽田空港国際化にも貢献している。ずっと昔には羽田空港だけが東京唯一の空港であり、国際線・国内線共に扱っていたのだが、成田空港が出来た時に「成田は国際線、羽田は国内線」という区別ができた。
石原氏は羽田空港の活用を重視して、海側に敷地を大きく拡張して滑走路も増設した。第2ターミナルと国際線ターミナルも作って羽田の利便性を大きく向上させたのである。石原氏の構想が東京を活気づけたのであった。
その意味では、石原氏はグランドデザインが出来る人だったのであり、そのスケールの大きさから考えて現在の小池都知事や岸田総理も追いつけないほど大きなスケールとヴィジョンを持つ人物だったことが判るのだ。
東京オリンピックの招致活動や東京マラソンなどの大きなイベントを実現したのも大きな功績と言えよう。東京マラソンは警備をする警察は嫌がったのだが、石原氏は丁寧に説得して実現にこぎつけたのである。Qちゃん(高橋尚子氏)への指導で有名な小出義雄監督も「ランナーは多くの人に見られて走るところに醍醐味を感じる」ということで、石原氏に依るこのイベント実現を心から喜んでいたのだった。また、参加した一般のランナーたちも這いつくばるようにゴールした後で皆泣いて喜んでいた、ということである。ゴールを達成した一般の市民たちに石原氏が「おめでとう」と声をかけると、市民ランナーたちは口々に「ありがとうございます」と言ってこのマラソンが開催された事に心からのお礼を口にするのであった。「いや、俺に感謝するのではなく、自分自身に感謝しなさい」と言って石原氏はランナー達を讃えた。「あれは本当に美しい光景だった」と石原氏は述懐していた。(2017年、有本氏のインタビューにて)
また、石原氏の功績として、違う分野では「朝鮮総連の関連施設に固定資産税を課税」した事が画期的であった。固定資産税は地方自治体が取るものだが、全国の自治体でもほとんど取っていなかったのが実態である。大使館的な扱いだから、というのがその理由だが、石原氏は「払うべきものは払ってもらう」と言って課税したのであった。
だが、興味深いことにこの事案は石原氏の発案ではない。
石原氏が言うには、「あれは自分の発案ではなく、東京都の職員がそういう問題意識を持っていて、知事のところまで案件を上げてきた」ということである。都の職員発の案件だったのだ。
恐らく職員側としては、この知事(石原氏)ならやってくれると思って提案したのであろう。大正解だ。それで石原氏は「やれ」と言って号令をかけたのである。このように述べて都の職員を立てていた石原氏だった。このように人をちゃんと考えている人物だったのだ。
その意味ではマスコミが伝える石原慎太郎像とは随分異なるようだ。メディアは「石原氏はワンマンで独善的」といった印象操作を盛んにしていたが、真実は全く違ったのである。
石原氏が終始言っていた言葉がある。「東京都の職員って優秀なんだよ」・・・あらゆることを石原氏自身が考えて”ああせい””こうせい”と言っているのではなくて、職員たちは自分たちなりのアイディアを持っているのだ、ということ。「それを自分は活用したに過ぎない」、と石原氏は繰り返し言っていたのである。
築地市場の豊洲移転にあたっても、石原氏は築地市場のすべての業者に手紙を書いて送っているのだ。小さな業者を含めると仲卸だけでも800以上あったが、全ての業者に真摯な内容の手紙を石原慎太郎名で送って理解を求めたのである。当時築地で営業していて、豊洲移転には批判的だった業者もその手紙を読んで豊洲移転を了承した、ということである。
石原慎太郎氏は歯に衣着せぬ発言で直截的に表現というか指摘する事が多く、その為に悪意あるマスコミから「恐ろしくとんでもない人物」という印象操作をされることが多かった。筆者もそうしたマスコミの印象操作を真に受けたことで以前は決して良いイメージは持っていなかったのである。
当ブログでも何度か記事を載せて紹介したフリーアナウンサーの宇垣美里さんもマスコミが流す印象操作に依って石原氏に怖い印象を持っているのだと語っていた。「この人の何がどのような人を傷つけて、どんな人たちに怖い思いをさせたのか…ということは今も残っていることですし~」(2022年2月2日「ABEMA Prime」(AbemaTV))などと述べてジェンダーやLGBT方面についての考え方で石原氏は問題ある人物である、という見解を持っているようだ。しかし、それらは全て悪意あるマスコミに依る印象操作を含む報道を真に受けた結果として構成されたイメージである。これが示すことは宇垣さんを含めて社会がマスコミの印象操作に見事に振り回されている実態である。マスコミの思うつぼ、ということだ。
まして宇垣さんが所属していたテレビ局は極左姿勢を持つTBSである。親中左翼である毎日新聞系のこのテレビ局で5年間を過ごしたとすれば、こうした見解を持つことはさもありなん、な事ではある。
宇垣さん自身は恐らく右翼や左翼といった単純なセクトに与せず、純粋に真実を追い求める姿勢を持つ人物である。その点で非常にピュアな人物だと言える。従って、正しい知識や情報が得られれば捉え方・考え方も自ずと変化してゆくものと推察している。筆者が注目しているのはそうした最も基本的な人間性である。
宇垣さんが憂いた問題についてはジャーナリストの有本香氏が回答になると思われる見解を述べている。
有本香氏はこう述べる。
『石原氏は「女・子供は」という扱いをするから「女を仕事の場に寄せない」「女と仕事しない」という話をある筋から聞いていたが、実際に石原氏に会ってみるとそういう印象は全く無かった』ということである。
確かに女性差別意識を持っているかのような報道はあったが、有本氏は実際に石原氏と接してみて、そうした差別感を持ったことが一度もないのだ。これは厳然たる事実である。石原氏は好き嫌いがはっきりしている人だったが、人間的にしっかりしている人ならば性別に関係なく丁寧に接する人だったのである。差別は無い、と断言できる。上から目線の「キミ」という呼び掛けさえ受けたことはないのだ。石原氏は有本氏に対しては必ず「貴女は~」という言い方で始める人であった。「とても尊重してくださっている印象があった」ということだ。尊大な態度や上から目線の嫌らしさなどを感じた事は一度もなかった、と言うのである。「石原氏を悪く言う人々は一体どこを見ていたのか」、と有本氏は言う。
そう考えると、宇垣さんの受け止め方が正にマスコミに依る偏向報道を真に受けた結果の”誤解”であることがよくわかる、というものだ。
宇垣さんがかつて所属していたTBSも含めてテレビ各局は石原氏を追悼するというか、人物を振り返る的な番組を流したが、普通なら触れるであろう2つの大きな功績をTV局は全く触れなかったのである。東京五輪や東京マラソンといった大きなイベントを開催できるようになった東京都だが、上述のように、これは石原氏が東京都の財政を立て直したから実現できたことである。これは真に凄いことであり偉大な功績なのだが、TV局は敢えて言わないのだ。実に嫌らしい。もう一つはこれも上述した朝鮮総連関連施設への固定資産税課税である。結局、テレビ局がやりたかったのは功績の紹介よりも最後まで石原氏を怖くて恐ろしい人物として描いて貶めたかった…そういうことであろう。テレビ局含むマスコミが報道機関ではなく左翼の情報工作機関であることを自ら示すような番組ばかり…な今日このごろなのである。
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(*1)
石原氏が生涯希求したものは「自由」である。だからこそ、その反対の不自由な政治体制を持つ国には抵抗感を持っていたのである。
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