Altered Notes

Something New.

世界が向かう先

2018-04-18 18:06:10 | 国際
現在、世界中で独裁者または独裁的な指導者が権力を握る傾向が増加しており、グローバルなスケールでキナ臭い雰囲気になりつつある。

ロシアや中国は過去の長期独裁政権時代を懐古するようになり、新たな独裁者をありがたがる空気に満ちているのだし、アメリカも自国の利益の事しか考えず国際的な秩序安定などまるで念頭にないような大統領が幅を利かせている。その他の地域、中小の国家でも同様の傾向は広まりつつある。

こうしたキナ臭さは全て権力を握った一握りの権力者によってもたらされたものであるが、しかしそうした権力者を選んでしまったり台頭を許すような空気が国民一般の間に生じている事もまた事実である。あの独裁者ヒトラーもそもそもは民主的な選挙で選ばれた指導者であり、その結果としてあのような悲惨な状況と結末がもたらされたのであった。

欧州のいくつかの国々では中止していた徴兵制を復活させる動きも加速している。この先の恐怖の未来を予見しているからだ。
第2次世界大戦から未だ100年も経過していないのに、世界は戦争の愚かさ、戦争の悲惨さをもう忘れてしまったようである。いざ戦争に突入すれば、高畑勲監督が制作した映画「火垂るの墓」に描かれた悲惨な現実が正に日常になるのだが、多くの人はそれが”想像できない”のであろう。ここでも一般市民の想像力の欠如が致命的な働きをしており、それが世界を暗い方向に導く動きに加担しているのだ。

己の欲望を国家権力を使って果たそうとする愚かな権力者たちにも憤りを感じるが、やはりそれを許してしまう各国国民一般の意識の低さと自分のことしか考えてない狭量な精神のあり方に恐怖を感じる。また、こうした空気の流れは各国国民の集合的無意識層に共通に生じた動きによるものであり、深層心理学者のユングは第一次大戦が始まる前に既にそれを指摘している。今、またその時と同じ道を世界は行こうとしているようにも見えるところがなんとも不気味であり気分を陰鬱にさせるものがある。