週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

孤独のススメ。

2016年03月06日 | ★映画★





【ひとりぼちしがらみ外し梅香る】哲露


 試写で不思議な作品に出会った

 オランダの美しい田園風景が印象的だ。 

 最愛の妻を失い、天使の声を持つ一人息子とは音信不通。 

 空いたバスで仕事に通う、主人公フレッド。

 彼の孤独が画面いっぱいに染み入る。

 ある日そこへ現れた謎の男。

 その名前も判らない男と時間を共有することで、彼の生活リズムが少しずつずれていく。

 色彩を失くした彼の孤独な日常が徐々に温かみを帯びていった。 

 フレッドの笑顔に、田舎町の偏見が立ちはだかる。

 だが決して暗いだけの作品ではない。

 所詮誰もがみんな孤独なのだ。

 果たして、孤独であることを受け入れることが人生を謳歌する要諦なのか。

 孤独を認めることは誰しも怖い。

 私も孤独をススメるわけではない。

 しかし、認めることで豊かになるものがあるのもたしかだ。

 お互い孤独であることに気付くことで近づく縁もあるのだ。

 敬虔な彼が呪縛から解き放たれる瞬間がハラハラとし魅了する。

 4月9日から上映がスタート。

 ロッテルダム国際映画祭、モスクワ国際映画祭の観客賞などを受賞。

 不思議な魅力に溢れた作品である



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