【ひとりぼちしがらみ外し梅香る】哲露
試写で不思議な作品に出会った
オランダの美しい田園風景が印象的だ。
最愛の妻を失い、天使の声を持つ一人息子とは音信不通。
空いたバスで仕事に通う、主人公フレッド。
彼の孤独が画面いっぱいに染み入る。
ある日そこへ現れた謎の男。
その名前も判らない男と時間を共有することで、彼の生活リズムが少しずつずれていく。
色彩を失くした彼の孤独な日常が徐々に温かみを帯びていった。
フレッドの笑顔に、田舎町の偏見が立ちはだかる。
だが決して暗いだけの作品ではない。
所詮誰もがみんな孤独なのだ。
果たして、孤独であることを受け入れることが人生を謳歌する要諦なのか。
孤独を認めることは誰しも怖い。
私も孤独をススメるわけではない。
しかし、認めることで豊かになるものがあるのもたしかだ。
お互い孤独であることに気付くことで近づく縁もあるのだ。
敬虔な彼が呪縛から解き放たれる瞬間がハラハラとし魅了する。
4月9日から上映がスタート。
ロッテルダム国際映画祭、モスクワ国際映画祭の観客賞などを受賞。
不思議な魅力に溢れた作品である
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