平田牧場のポーク辛子ソース合え
5月28日(土)。
すでに東海まで梅雨入りしたようだ
そして台風2号の接近。
初夏の気分もそこそこに、早くも季節が巡ろうとしている。
この数年春と秋が短くなった。
四季の乱れと拙速さはまるで世相そのもの。
634mものツリーを覆う低く厚い雲からこの町に静かにまだ若い水が降り注ぐ。
水分をたっぷり吸い込んだ大気の底にいるような雷門前。
この地に中央大学附属高等学校1986年卒の同期が9名集った。
実に25年ぶり、四半世紀を置いた再会である。
同期の一人Hがオーナーシェフを勤める、「ビストロASH」に順々と顔が居並ぶ。
フランス産エスカルゴ
旬の新玉葱ムース
会うまでははたして顔の判別ができるものだろうか・・
一抹の不安にかられたが、案外面影って残っているもんだな
筆者とは毎年交流を続けている友Sと雷門で待ち合わせると、同期Mがすでにいた。
すぐにお互いを認識する。
ビストロで席に着き、次々と空くビールごしに、25年の空白は確実に埋っていく。
白髪や皺は男の年輪であろうが、斜めごしに見える同期の笑顔に、小平の教室にいた頃の風が吹いて、タイムスリップしたような幻想に身を委ねた。
みんなそれぞれバブル崩壊直後の入社組。
都市銀行、大手のメーカーや百貨店、話題の建設会社と名だたる企業に勤めるもの、大学の教鞭に立ちながら仏門に帰依するもの、オーナーシェフに、従業員100名を越える堂々たる経営者といった多士済々。
よくぞ、個性豊かな仲間が集まったものだ。
同期の輝かしい経歴と苦心の汗の痕に、嬉しく溌剌とした刺激をもらう
昨年まで中附に勤務していた同期Fが最新の卒業アルバムを持ってきた。
共学になったかつての学び舎の変貌に、一同感嘆と羨望の諦念のため息が漏れる。
サーモンのカルパッチョ
豆乳入りの温製スープ
同期シェフの腕は確かだ。
フランスから取り寄せたカタツムリから始まる前菜の数々・・・
ひと手間、ふた手間を惜しまない、フレンチの要諦が詰め込まれた一品が続く。
写真にないが、キッシュも具がつまり楽しめる一品、シェフ自ら捏ねて、発酵させ、焼いたパンは、モチモチして、適度な湿度が保たれ、小麦の香りがバター無でも、赤で満たされた風船玉のグラスへと誘ってくれた
デザートのカスタードプディングは滑らかな舌触りに、カラメルの苦味がのって調和していた。
モカ入りのアイスも手製だという。
いや~驚いた。
30歳で転身。この努力。
同じ浅草で酒屋を母体として育ちながら、まざまざと、筆者の愚息ぶりをたしなめられるくらいの実力あるコースだった。
自慢の平田牧場の豚のロースに、白身の魚と、メインも二品。
ソースで食べる仏流なので仕方ない部分もあるが、次回はぜひ辛子ソースでなく、極上の塩と摺りたての黒胡椒のみで味わいたい。
下町の洋食屋はたくさんあるが、実力派で親しみやすいフレンチの隠れ家が雷門から程近いところにあったのだ。それも同期の店とは頼もしい。
同期シェフH、美味しい料理をご馳走さま。
中附体操でポーズ
話の尽きない楽しいタイムスリップは餃子、焼売と老酒の二次会へ
こんな気を許せる時間を共有できて、利害関係のない友情のありがたさが身に沁みた。
震災後、思いついたという。
和尚F幹事、25年目の同窓会を仕切ってくれてありがとう。
それにしても、当時のことをよく覚えているもんだね。
対して過去を振り返らない、我々の記憶の乏しいことといったら・・
K、S、筆者とこの三人は少しずつ思い出していこうぜ
実現するかな? 武蔵小金井、国分寺の同窓会。
盛り上がった温泉、卓球、ゴルフの同窓旅。
いや、約束は守ってこそ価値を持つんだ
単なる懐古でなく、同期Oの言葉を借りれば、みんなもう、残りの半生。
気さくな友に囲まれ、粋に、笑ってやっていこう。
とっくに暮れた雷門そばから、地元に住まう友Sと観音裏のスナックへとぼとぼと。
ミスチルに、サザンに、ビギン&さんまに、コブクロと久々に唄った
飲んべの夜は終らない・・・
同期のみんな、サンキュー
再会を誓って・・・
再見
「暮れなずむ 武蔵露降る雷門」
海光
◇浅草雷門「ビストロASH(アッシュ)」◆
東京都台東区雷門2-9-6
03-3843-6030
ランチあり、日曜定休
http://r.tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13030178/
2011年5月29日現在 TOTAL704.2km