週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

三社祭2017

2017年05月28日 | ★江戸っ子エッセイ★




【お囃子の粋な音色も盗聴か】哲露


 今年も三社祭の季節がやってきた。

 平日に祭囃子が聴こえるともういけねえ。

 浅草っ子の血が騒ぐのだ。

 仕事なんかしてられっか、てやんでえ。





 町会神輿に神様を祀る。

 浅草神社まで、神様を運ぶのだ。

 こりゃ気合い入るわな。

 残業続きで頑張っている後輩に声をかけたら、ぜひ三社の神輿を担ぎたいという。

 そんなこと言われたら、おっちゃん、なんとも嬉しい。





 いつものごとく、浅草寺裏手に神輿が百基ほど結集する。

 これ壮観よ。

 市川團十郎の像のある広場。

 新門辰五郎の建てた稲荷も見える。

 さて、いざ神社へ。





 三社様に参拝し、境内を出る。

 浅草寺前は人ごみの嵐。

 この大勢の観客の中、担ぐ肩にも力が入る。





 この日は30度近い真夏日。

 ビールも旨いが、水も旨い。

 熱中症に気をつけて担ぐような気候は珍しい。

 後輩がずっと入ったまま出てこない。

 初めての神輿に、ちと不安になる。

 でも、若さとは素晴らしい。

 疲れを微塵も感じさせず?、ビールやハイボールを飲んで帰った。





 六町会連合の夜神輿。

 ライトアップされた六基の神輿が一斉に上がる。

 これ、鳥肌が立つのよ。





 翌日、日曜はいよいよ本社の宮神輿の登場。

 今年は思いの外、思いっきり担げたわ。

 試験前で遠慮してた息子も、サッカーの試合後駆けつけて担ぐ。

 祭りはいいな。

 今年も終わった。

 以後、お富士さんの植木市、朝顔市、七夕祭り、花火大会、サンバカーニバルと祭りはつづく。

 監視社会なんてまっぴらだ。

 夏はもうそこに来ている。
 


荒川サイクルロード

2017年05月14日 | ★江戸っ子エッセイ★





【戦場を北へ南へ鯉悠々と】哲露


 GWのある日、荒川をママチャリで走った。

 芝生が青々と茂り、河川敷に少ない柳もたわわに風に揺れていた。

 行政かボランティアが植えたのだろうか。

 純白、極赤や紅、黄、紺、紫など、花々は目にも艶やかに咲き誇っていた。

 天空は筑波山まで遠く、広い。

 海へと流れる川面の上を、降ろし風が滑っていく。

 少年たちが白球を追いかけ、カラフルなボールを蹴っている。

 老若男女が色とりどりのウェアで淡々とRUNしている。

 外国製の高級自転車がその横を唸りを上げてすり抜ける。

 わたしは、その同じロードを黙々とママチャリで走っていくことにした。





 子供の日も近い。
 
 川の上を、希望に膨らんだ鯉が登っていく。

 東向島から海へ。

 海から山へ向かう。

 赤羽が近づくと、ゴルフ場のグリーンでパット中。





 かつて、フルマラソンで走ったコースを自転車で走るのは気持ちいい。

 水門がみえる。

 岩淵水門だ。

 大雨、台風など増水時には、この水門を閉じ、隅田川への流入を防ぐ。

 徳川さんの成した水害対策事業が、ここでも活かされている。

 封建の偉業が現代の繁栄を支えているんだ。

 なのに、政は後退するような報道が続いている。

 偽政者は、文学部の存在を軽視し、歴史に学ばないことで自分の思い通りにしたいということか。 


 


 ここで茶を飲む。

 水面の輝きが心なし色を失くしたようだ。

 時の政治は、市井の民度に比例するという。

 このままでいいわけはない。

 未来ある若者たちのためにも、僕らは学び、声をあげ、行動すべきだ。

 たとえ、小さな一歩でも。

 河川敷を50km走りながらそんなことを思う。

 思いの丈を、書き続けよう。


 
  


美女と野獣

2017年05月03日 | ★映画★




【醜悪な心も変わる五月晴れ】哲露


 美女と野獣。Beauty and the Beast。

 連休の初めに鑑賞。

 言わずと知れたディズニーの不朽。
 
 Wikipedhiaによると、1740年ガブリエル=スザンヌ・ド・ヴィルヌーヴ作が初とある。

 現在私たちが知っているものは、短くした1756年ジャンヌ=マリー・ルプランス・ド・ボーモン版らしい。

 人に迎合しないベル。それは芸術家であり、不幸な過去を持つ偏屈な父親の影響とも言える。

 その彼が仕事帰りに摘み取った一輪のバラから物語が走り出す。

 誰もが知っている話し。

 安心してみるも、演技者とミュージカルがその主軸だ。

 ところがどうだ。

 演技とあいまった丁寧で巧みな表現力を前に、落涙してしまった。

 人物にしっかりと感情移入したということ。





 アリアナ・グランデの歌にも魅了される。

 ベル役のエマ・ワトソンもハマり役だった。

 そして、野獣より醜い心の悪役を演じたガストン役、ルークエバンスの演技が光っていた。

 筋をわかってても、泣けてしまう。

 こんなエンターテインメントを作れたらどんなに素晴らしいだろう。

 シンプルで、人の醜さと再生が全てが込められいる。

 観終わった後、考えさせられた。

 そんなことを思う、GWの午前である。

 みなさん、リラックスした休日をお過ごしくださいまし。