週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

夜店の魅力!

2013年09月21日 | ☆文学のこと☆

   

 衿越しに夜風があたり気分がいい


 「中秋の灯りが照らす江戸の町」 海光


 満月で迎える中秋の名月は、東京オリンピックの翌年まで見られないという。

 じつに貴重なお月見となったもんだ。

 雲ひとつない絶好の夜空に、粋なブルーライトのツリーとの競演。屋形船が行き交うのを、大川に構えたカメラマンのシャッター音が捉えている。

 こんな夜にオススメなのが、魅惑の夜店の物語。

 大先輩の作家、越水利江子氏の「奇怪変身おめん屋」を紹介する。

  
     「奇怪変身おめん屋」
   著:越水利江子 画:磯崎三朗 
   2005年4月初刊 あかね書房 

 まったく便利な世の中になったもので、大先輩とツイッターで情報を交換できるようになった。

 屋台の話をツイートしていて、越水氏からこの本の存在を知らされた。

 只今、読まなきゃいけない本、見なきゃいけない映画、片付けないといけないあれこれが山積みなれど、我慢しきれないほど興味を引かれて読む羽目になった。

 表紙にある、お面の絵にわくわくするではないか。

 百怪寺の参道、たっぺいに貼りついたお姫様のお面、風太に取りついたのっぺらぼうのお面、担当編集者をして天才と言わしめた作家のアイデアと展開にページをめくり続ける。

 種明かしになるので避けるが、夜空を飛ぶ金魚の幻想、町を覆う海が紙の絵から飛び出して、映像が鮮明にうつった。

 つくづく書き手の愉しみが読み手に移れば、何でもありなんだ、と閉塞といわれる文学の可能性に心が軽くなる。

 
       「あした、出会った少年」
     著:越水利江子 画:石井勉
     2004年5月初刊 ポプラ社

 「桜が咲き始めると、京都の夜は、ほのかに明るくなる。」

 小説の書き出しの話は、同人の森くま堂氏がFB上で投げかけたのだが、こちらも越水氏のツイートに触発されて読みたくなった。

 作家本人は創作と書いているが、限りなく私小説に近いものなのではと感じられる息遣いがあった。

 それにしても、桜が都に咲くと、ほのかに明るくなる、なんて空想力を書き立てる書き出しだろう。古都だから雅と思う東の人間には書けないリアルがここにある。

 生まれた土地と人間を書くようになって初めて判る、その覚悟が伝わってきて恐れ入るしかない。

 両手を垂らして、仰ぎ見ていても仕方のないことだ。

 目の前のことに全力であたるのが肝要では、と誠実な人に諭された。

 一歩進む目標がはっきりとした。刷毛を振ったような雲の下、大川沿いを走る。

 育った町が風に乗って通り過ぎる。

 せめて右手だけでも真っ青な秋空に向けて、もがいてみたいもんだ
  

 

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太陽とカーニバル!

2013年09月12日 | ★江戸っ子エッセイ★

  
 
       地元アサヒビールのサンバチーム

 まだ夏ネタで引っ張ります

 燦々と照る今日の太陽のせいかな。

 浅草の新しい風物詩といえば、7月のおわりの隅田の花火に、8月の締めにサンバカーニバル! 

 伝統の植木市やほうずき市、酉の市などと違い、どちらもおいらが物心ついてから再開、もしくはスタートしたイベント。

 このカーニバルも32回目となる。それなりに風格が出てくるもんだね。

 今年の来場者は49万5000人と いう。

 なんでも、北半球で最大のサンバらしいですぜ、アミーゴ。

  
   


   「褐色が包む下町夏サンバ」 海光

 
 この日は気温がぐんぐん上がって、そこここにいるだけで汗が噴いてくる。

 褐色の肌が似合う陽気、まさに南米の踊りにぴったり。

 沿道に詰め掛けた観客も、カメラと団扇と冷えた発泡酒を片手に見入っている。

 アンタも好きね。

  

 第1回目のことをよく憶えている。

 テレビニュースでも取り上げていた。子供心に地元が評価されてるようで嬉しかったんだ。

 ブラジルのリオの招待チームの腰に度肝を抜かれた。

 これぞ、胸騒ぎの腰つきだよ!

 対する日本人のチームのカラダがやたらに貧弱に見えた。

 だって信用金庫の行員さんだもんね。細く白い肌に、むりやり着せた露出の多い衣装は妙に生々しいエロさで、10代にも痛々しかった。

 褐色と健康的な肌だからこその衣装なんだな、と納得だ!

  

 現在では、ご覧のように日本全国のサンバチームが結集する。

 日本人女性の体型も変わり、綺麗に焼ける術も学んだんだね。本場の黒さには叶わないけど。

 南の香りの太陽、サンバに、どぜう鍋に、冷えたエビス。

 浅草の夏ももうお仕舞い。

 来週は十五夜。

 夏がまた一つ心に残った

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サザン35th in 茅ヶ崎♪

2013年09月05日 | ★江戸っ子エッセイ★

   
                     茅ヶ崎公園野球場

 夏だ(9月だけど)! サザンが帰ってきた

 横浜から5年、2000年から13年ぶりの茅ヶ崎Liveだ。 

 活動休止の間、桑田さんは病を乗り越えた。震災もあった。ファンに預けられた屋号の返還式も一つのパフォーマンス。

 バンド結成35周年。茅ヶ崎の地。この場に立ち会えたことが、何よりうれしい。

    

 9月1日(日)。 朝から気分はSASモード全開!

 AM11時茅ヶ崎駅到着。町も、道行く人も、店も、サザン一色に染まっている。

    

 サザンオールスターズの御神輿まで作っちゃうとは、地元民の胸はさすがに熱い。

 茅ヶ崎には開高健師の住まいがあるから、年に数度は訪れる。

 そのときに必ず立ち寄るのが、「Taizo」というローカル御用達のパン屋さん。

   

 11時に焼きあがるという惣菜パンを目当てに寄った。

 予約しないと買えない食パン。

 山切りのイギリスパンと、モチモチッとした食感の白パンの2斤を、前日の電話で予約して手に入れた。

 本当に旨いんだよ、この生地は。

  
               SASショップ 

 
                          サザンビーチ 

 コンサートがメインだけど。やっぱ湘南にきたら、海に入んなきゃ、でしょ!?

 この日まで開いているビーチ、SASショップは朝からファンが押し寄せる。おいらは海の日の解禁にきているからパス。サザンビーチ限定Tシャツがゲットできるのだ。

 いい波が来ている。ああ、板が欲しい。

 だけど遊びは工夫。灼熱の砂浜で火照った体を、ボディーサーフィンで遊ぶ。

 スープの波でも十分な力があった。波に押される感覚、息子は掴んだかな。

  
            スタンドからこの熱気

 僕の分のチケットを持った友人と一塁口で待ち合わせる。

 冷えたモルツでスイッチを、球場へ入る。胸熱のTシャツ、過去のサザンの半被、ランニングを着込んだファンの熱気が満タンだ。グランド席につくと、LEDリストバンドが置いてあった。

    
      鮮明なビジョンに映る桑田圭祐

 サザンのメンバー登場。かつて見たどのLiveより趣向が凝らされていた。

 とても、50代には思えない。桑田さんのパワーが凄い!

 YaYaから始まる馴染みのナンバーは、僕だけでなく、ファンの生きてきた軌跡そのものなのだ。

  

 ときに跳ね、ときにしんみり、ときに踊って、ときに聴き入る。 

 花火、炎、ドライアイス、放水、最新鋭の照明、エロいハリボテと衣装。すべてに魅了される。

 茅ヶ崎限定だという、遠隔操作付きのLEDブレスレットが、何色にも変幻と点灯した。

   「SAS」

 月明かりのもと、腕を高く掲げると、ひと文字が浮かぶ。

 会場がひとつになった。

 デジタルとアナログが合体した、素敵な演出だった。

  


  「サザン浜胸を騒がす月夜のエリ」 海光

 

 一世を風靡した米国の偉大なバンド「KISS」が、桑田さんの歌唱を、無国籍な魅力という。

 興奮と感動の只中にいて一人思った。

 ビジョンに流れる桑田さんの歌詞。

 物書きを本気目指すようになって3年。

 物書きの目でサザンの歌詞を読んでいた。桑田圭祐の編み出す、魔法のような言葉と言葉の結合にとてつもない文才を見た。

 天才だ。その天才が多くの書物を通して閃いた言葉の洪水。

 果たして、どうしたらこの文字と文字の組み合わせを思いつくのだろう? 

 変幻自在の表現に、あきれ返るほどで、感動どころか途方に暮れてしまった。

 サザンの曲は、僕らの生きてきた、また生きる時代に、絶妙で巧妙で、必然な意味を持っているのである。 

 このタイミング、リクエストに「いとしのエリー」が流れる。

 鳥肌が立った!

 嫉妬するほどの才能。

 小説家以外で、そんな憧れる才能を初めて感じた。 

 たしかに元気をもらったが、憔悴し突き放された弱い精神もある。

 凹んでばかりいるわけにはいかない。

 往き帰りに読んだずっと昔から親しんだ小説家の短編に愕然としながら、それを判ることで光を、ほんの僅かだが光も見えた。

  
         野球場からみた花火


 チケットを取ってくれた友人と、海辺のコンビニで缶チューハイを飲んだ。

 久しぶりに、大学生に戻ったみたいだ。

 今日の日を、ありがとう。

 千里の道も一歩から。

 また一歩、前に進もう

 サザンと僕の夏はまだおわらない


  

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