夏真っ盛りでんな
このところ、職場飲みが続いている。
強制退去的に切られた派遣社員Hさんは、さらに別の派遣先で首切りにあったが、その発端となった正社員の仕事ぶりがわるく、再び声がかかった。しかも正社員で。これだから、世も捨てたもんじゃないのだ。
その就職祝いを兼ねて、池袋のもつ焼き屋で飲む。
久しぶりに見る彼女は、溌剌とした印象そのままの笑顔であった。こういう酒はうれしい。
神様も、ヒトも見ているのだ。
先週は新卒から勤務していた後輩Mが去り、その送別ということで大塚りらくで飲んだ。
「卒業おめでとう」「いい会社だったらよろしくね」
お決まりのはなむけの言葉がいつもながらの微妙ではあるが。
もう彼のプリッとしたお尻が見られないのかと思うと、微かながら淋しい。
まだまだ夏だというのに、こういうときに秋の風を感じる。
思えば、私も過去転職したのはこの季節だった。
そして、週末はあの頃と同じ阿波踊りが町を練る。
ラガーをしこたま飲んだ後、冷酒に、黒霧をロックで飲んだ。
普段、話さない本音のトークはそれなりに面白かった。
それにしても、よく飲んだ。
二次会、いつもの中華でもロックで飲む。
胡瓜の豆板醤和えに、糸豆腐を食っては飲む。
もうすでに、話しの内容なんか誰も憶えちゃいない。
終電前に帰ったが、案の定、翌日はやる気なし男。
朝食、昼食を家族分こさえ、家中に叩きをかけて掃除した。
たっぷり汗を流した後、淹れたてのコーヒーをアイスで飲む。
それでもカラダ中が火照っているので、隅田プールにプカプカと浮かぶ。
日本選手の活躍が眩しい世界水泳。
かつての選手は300mで、エネルギーが切れた。
波乗りのパドリング、己の筋力に自信をなくす夕べなり。
魚や一丁という居酒屋がある。
社会人一年目に、北海道へ教師として永住する覚悟で渡った友人が連れてってくれた懐かしの店だ。
本場の石狩鍋を初めて食った。それももう二十年まえ。
北海道のチェーン店なのに、新宿、銀座、気付いたらオフィスの町にも出来ていた。
北の家族の居抜き、これもまた時代なり。
イカソーメンに、コーンバターとベタな北海道を食う。
糞暑い真夏に、職場の編集部はビルをまるごとの大移動。
楽しいはずの宴が、愚痴100%の飲みになっちまった。
せっかくの思い出の居酒屋も、これじゃあ悪酔いしますわ。
発散も必要だが、最小限にして愉快な話題がよいよね。
土曜は町に打楽器の音が溢れていた。
例年より早い、浅草サンバカーニバルだ。
町内会では、吉野公園で子供フェスティバル。
泥鰌掴み、的当て、花火。
子供たちの歓声。
生ビールを手にする大人たちの顔をふわりと優しくする。
夏休みもラストウィークである。
よい子、やんちゃな子。
素敵な夏の思い出を
【ツクツクと蒸れる緑や水かぶり】哲露