ヒメアジサイ
すみだの花火
甘茶
ジョウガサキ
ヤマアジサイ
大川、山谷掘と紫陽花がいっぱいである
紫とブルーベリーのグラデーションが町を夏色に染める。
紫陽花の花言葉は、その色の七変化から移り気、浮気、ほらふき、高慢などなど。。
一方で、辛抱強い愛情、元気な女性とある。
物書きの気質に似てないか。心当たりない書き手の方ご容赦を。
さて昨日から、観音裏ではお富士さんの植木市も始まった。
さつきや、観葉植物、盆栽、江戸風鈴、瓜やら唐辛子やらの苗が売られている。
道行く人の足を止める露天からは甘い匂いと、肉や粉を焼く煙があがる。
お江戸は夏の熱気で溢れている。
【紫の花火に騒ぐ夏の虫】哲露
梅雨は目前だが、30度を超す夏の放射に町も人も元気を取り戻している気がする。
今年の冬は長かったからね。
早速夕方、寝しなに蚊の洗礼を受けている。これも夏ならではの風情。
デング熱に備え、大量に入った虫除けスプレーが売れているという。
政はいつだって庶民の願いとかけ離れていく。
歴史を学ばない威勢のいい偽政者がどの時代も現れるのだ。
万物を照らす陽射し、お天道様の強い胆力に、身も心もゆだねたい。
有楽町に、華やかりし時代から営む老舗、小洞天がある。
昼メシが外食に戻って、懐かしい気分で駅前の階段を下った。
ラッキーなことにこの曜日限定の台南担々麺があったので、セットで注文。
白い布のテーブルクロス、大きな急須は変わらない。
次から次へお客さんがひっきりなしだが、広い地下には席がたくさんある。
肉が詰まった巨大な焼売は、単品で追加もできる。
ニラがたっぷりと入り、汁を覆う豆もやしの食感が絶妙だ。
一味の辛さと相まって、ザーサイご飯がすすむ。
20代で出版業界に飛び込んだときに、先輩が連れてってくれた店。
創業は1944年。
いつ来ても変わらない味があるってのはホッとする。
◇小洞天(http://www.shodoten.com)
不忍池の蓮が水面を覆う。
藍染川が注いだ水辺は、いまでも市井の憩いの場。
水鳥たちはどこで泳ぐ。
ベンチで珈琲を飲む。
風が抜けて、生きていると実感する。
突っ走るのもいいが、寄り道もいい。
四ッ谷しんみち通り。
版元の先輩たちとよく集う店がある。
その名も鬼平。
久しぶりに行ったら、なんとジプシーキングスがかかっていた。
金曜日、その先輩のひとりが会社から去った。
いまの版元に入って、もっとも親しくしてもらった。
いちばん深く話し、いちばん長く飲んだ。
先輩が来るまで、彼の大好きな谷中生姜と枝豆でビールを飲る。
LINEをもらい、急遽しんみち通りで落ち合ったのだ。
出会いがあるということは、いずれ別れもあるという言葉を思い出す。
大兄の顔が清清としている。
いつでも会えるよ、と彼は言うが、これまでのようにはいくまい。
捨てる者あれば拾う神あり。
何かを捨てれば、新しい運も入ってくる。
残される者に別れは切ないだけだが、去る者には心機一転、新たな船出という神々しさがある。
先輩にとっては、このタイミングがよかったのだ。
冒頭に述べた紫陽花の花言葉に続きがある。
仲良し、友情、家族団らん、平和、団結。
これから大兄の進む道が穏やかで、輝かしいことを祈る。
オトナになっても、やっぱり別れは苦手だ。
紫陽花の季節に、ひとつの時代が終わった。
淋しいなぁ