【秋の夜の孤独の心通わせて】哲露
若い頃に観た、パラダイス・アーミーは衝撃的だった
わたしのなかで初めて出会った、アメリカの本物のコメディアン。
ゴーストバスターズも笑えた。マシュマロマンが怖いなんて、ダンエイクロイドとのコンビは最高。
ジョンベルーシ亡き後、よきパートナーに巡り合えてよかったと思った。
それが、ビルマーレーだ。
大好きだったアメリカンドラマ、チャーリーズエンジェルの映画版のボスレー役は、いい味だしていた。
そして、ロスト・イン・トラストレーション!
渋みを増した演技は、俳優としても円熟を迎えたことを感じさせた。
笑いの神が、己と世の退廃を臆面もなく演じる勇気がすごい。
そして、この「ヴィンセントが教えてくれたこと」。
ヴィンセントは、口汚く、酒浸りのベトナムの帰還兵の成れの果て。
町の住民たちは煙たがり、匙を投げるほどの無法ぶりである。
その嫌われ者の隣へ引っ越ししてきた少年。
果てしてどうなることやら。
娼婦でヴィンセントに関わるナオミワッツがまたいい。
久しぶりにコメディアンとしてのセンスを感じさせてもらった。
もちろん、演技者としては突き抜けた達人の域でもある。
鑑賞後、諦念とほっこりを混ぜた感覚を味わえた。
この秋のオススメがまた一本加わった。
火災から再建後、初めて来訪。
佇まいがそれこそ味の、かんだやぶである。
風の抜ける小上がりは健在だが、昼時にいったので野暮は承知。
秋の風物詩、牡蠣そばを食す。
鰹と牡蠣、海の滋養をいただく。
おつゆまでしっかりと。
さて、本日から東大前、本郷の古宿で、文学の合宿だ。
100名ほどの作家が世界中から集まる。
今年は誰が笑い、誰が泣く。
楽しく、厳しい小説のお勉強漬けである。
そろそろ出かけるとしよう。
皆さん、いい週末を