週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

シェフ推し

2017年09月23日 | 呑み屋探訪(銀座、新橋、築地界隈)




【美味いとは笑顔の中に見えるもの】哲露


 秋に入った、のか。

 日中は日差しに力があるが、夕まずめの風は涼しさを通り越し、秋から冬への移ろいを感じる。

 グルメに関わるお仕事ゆえ、食にかける時間と金が増えた。

 以前は、そこは酒中心だったゆえ少し変化と言うこと。

 なので、週末走ろうが、油断しているとすぐに体重が増え、脂肪もつきやすくなる。

 ダレるカラダからは、たるんだ精神しか育まれない。

 甘え体質なのだから、ここでズルズル言ってしまうと、物書きへの道もほど遠くなる。

 こん麻婆は、程よい(わしにとって)辛さながら、花山椒が聞いた本格派。

 20代から通う、庶民派の店だが、場所柄深夜は業界人も多い。

 なんてたって、ママがあのお笑い芸人そっくりなんだもの。










 手抜きで料理を列挙したが、

 定番のピータン、焼き餃子もシンプルでうまい。

 鉄板餃子を薦められるが、わしは脂っこいので、普通の餃子がいい。

 茄子の素揚げ、空芯菜とクラゲの炒め物は、ママの差し入れだと言う。マジか。

 わしのオススメは、蜂の巣の炒め物。

 これはビールにも、老酒にも合う。

 今回はある大計画のメンバーが大勢いたので、土鍋料理まで発注した。

 おこげの香りと食感、土の鍋ならではの優しい味わいが魅力だ。

 ほんと、ここは何を食っても美味い。





 そして、何と言っても、夏も終わり。

 シメは、この冷やし中華。

 見た目もインパクトあるっしょ。

 上品な冷やし中華を見下ろすかのような、ぶっかけのざっくり切ったキューリが主役。

 澄んだ鶏ガラの冷たいスープが、豆板醤などの複雑な辛さと相まって、

 ここでしか味わえない絶品ものに仕上がっている。

 旬のものを喰らうのは、季節を感じること。

 生きるとは、まさにこのことだ。





 最後に、オアシスの大久保さんに似たママ。

 大久保さんとのツーショットも飾ってある。

 商売っ気たっぷりすぎて、かえって小ざっぱりと潔い心意気。

 ママ、ごちそうさま。

 きっとまた来てしまうな。



 

 
 メンバーみんなでつくったこの本に掲載されてる。

 新橋のレンガ通り。

 シェフ推しの四季ボウ坊だす。 


室町砂場にて。

2017年09月10日 | 呑み屋探訪(神田、室町界隈)




【丁度良い風に吹かれつ銀杏や】哲露


 夏休みも過ぎて、秋の風が吹いてきた。

 そうなると、ぬる燗が恋しくなる。

 日向子師匠がお江戸で最も愛した室町の老舗に、気心知れた仲間と集う。







 今年まだ食べていなかった冬瓜が歴戦の大人に優しい。

 そして名物のアサリの生姜煮は、ビールにも日本酒にも合う逸品。

 まさにこれさえあれば、何もいらない。

 ご飯にも合うが、やはり大人の男たるもの酒だろう。

 酒の席は仕事に繋がらないとはよく言う。

 だが、酒宴は仲間の絆を深めてくれる大切な時間だと思う。





 師走の三井ホールで仕込む企みは、日本の伝統芸術の極み。

 これも名物かき揚げがのった、天ざるをかっこむ。

 芝海老と小柱がカリッと揚がり、カイワレと一緒に浸る汁のなんと美味いこと。

 食と医と、音楽。

 小気味良いテンポで酔った会話は愉快に尽きる。

 あとは素面で詰めるだけ。

 やっぱり蕎麦屋で憩うのが最高な気分だ。

 秋の夜長、疲れのせいか歳のせいか眠くて仕方がない。

 体力の衰えか、執筆からの逃げか。

 やばい、ってことで、今宵も晩酌の用意を。

 学園祭の息子の幸せな笑顔をつまみに飲むとしよう。

 虫の声を聴きながら、この辺でおさらば。

 リーン、リーーン。
 


ラストサマー2017

2017年09月03日 | ★江戸っ子エッセイ★





 夏の終わり8月某日。

 最後の蝉の咆哮と、秋の虫の声が朝夕交互に訪れる。 

 切ない気持ちが毎年去来。

 そんな最終週末に、浅草にサンバが来る。

 はじめはどうなるかと思われた。

 今や全国から踊りの猛者がリズミカルに沿道を魅了する。 

 仕事帰り、この熱気に少し元気をもらう。








 お盆休暇の某日。

 息子のサッカーチームの応援。

 高校サッカーの選手権を勝ち上がった。

 やった。

 その帰り、駒沢公園近くのアジア料理でランチ。

 ボリュームもあり、味も本格派でオススメ。








 夏の仕事の合間。

 初台のアニスへ向かう。

 リストランテホンダとのコラボランチが目当て。

 イタリアンの雄と、肉焼きの名人芸が同時に味わえる贅沢さ。






 サーロインの火加減は流石のひと言。

 肉のパテがついたサラダも、熱々のパンにサワークリームもいい。

 極め付けは、イカの身をすりつぶし合えたイカスミのパスタ。

 いつまでも食べていたいほど、濃厚な海の恵み。

 トマトの甘みと酸味がまたたまらない。







 そして、ラストサマー。

 お盆も天気は最悪。

 おかげで小説は少し進んだが。

 8月、海の家も終わり。

 売り上げも最悪だったようだ。

 日曜日に、今年の夏を体いっぱいに吸い込む。

 



 馴染みのパン屋で買った惣菜と、ビールとサワーで。

 潮騒の音。

 波打ち際のカップル。

 犬の散歩するご近所さん。

 ボードを抱えるローカルサーファー。

 すべてが思い出となる。

 帰らぬ思いに、 good bye。

 無性に淋しい。

 エンドレスサマーが恋しい今日この頃。 

 2107夏、ありがと。


【入道の白さ眩しい夏終わり】哲露