【美味いとは笑顔の中に見えるもの】哲露
秋に入った、のか。
日中は日差しに力があるが、夕まずめの風は涼しさを通り越し、秋から冬への移ろいを感じる。
グルメに関わるお仕事ゆえ、食にかける時間と金が増えた。
以前は、そこは酒中心だったゆえ少し変化と言うこと。
なので、週末走ろうが、油断しているとすぐに体重が増え、脂肪もつきやすくなる。
ダレるカラダからは、たるんだ精神しか育まれない。
甘え体質なのだから、ここでズルズル言ってしまうと、物書きへの道もほど遠くなる。
こん麻婆は、程よい(わしにとって)辛さながら、花山椒が聞いた本格派。
20代から通う、庶民派の店だが、場所柄深夜は業界人も多い。
なんてたって、ママがあのお笑い芸人そっくりなんだもの。
手抜きで料理を列挙したが、
定番のピータン、焼き餃子もシンプルでうまい。
鉄板餃子を薦められるが、わしは脂っこいので、普通の餃子がいい。
茄子の素揚げ、空芯菜とクラゲの炒め物は、ママの差し入れだと言う。マジか。
わしのオススメは、蜂の巣の炒め物。
これはビールにも、老酒にも合う。
今回はある大計画のメンバーが大勢いたので、土鍋料理まで発注した。
おこげの香りと食感、土の鍋ならではの優しい味わいが魅力だ。
ほんと、ここは何を食っても美味い。
そして、何と言っても、夏も終わり。
シメは、この冷やし中華。
見た目もインパクトあるっしょ。
上品な冷やし中華を見下ろすかのような、ぶっかけのざっくり切ったキューリが主役。
澄んだ鶏ガラの冷たいスープが、豆板醤などの複雑な辛さと相まって、
ここでしか味わえない絶品ものに仕上がっている。
旬のものを喰らうのは、季節を感じること。
生きるとは、まさにこのことだ。
最後に、オアシスの大久保さんに似たママ。
大久保さんとのツーショットも飾ってある。
商売っ気たっぷりすぎて、かえって小ざっぱりと潔い心意気。
ママ、ごちそうさま。
きっとまた来てしまうな。
メンバーみんなでつくったこの本に掲載されてる。
新橋のレンガ通り。
シェフ推しの四季ボウ坊だす。