「白いガーベラ」
今人舎 2011年8月1日第1刷
漆原智良 編纂、監修
花言葉:希望
「ひぐらしや さらばさらばと秋の風」
海光
漆原氏が問う。
あの大震災のあと・・・
私たちに何ができるのでしょうか?
義援金を送りますか?
絵本を送りますか?
読み聞かせにいきましょうか?
そうだ!
みんなで子どもやおとなのよろこぶ童話を書きましょう。
希望の湧く童話を・・
そうして、生まれた奇跡の8つの童話。笑いは希望
漆原氏は呼び掛ける。
さあ、童話で元気に立ち上がろう
8人の作家と5人の画家が手を組んだ、ファンタジーと生活童話をご紹介
「ぽにょりぽにょり」 文/内田麟太郎 絵/ひだかのり子
タヌキのおじさんが次々といろんな動物やホニャララに遭遇するファンタジー。
まんげつさんやいがくりさん、白いハコさんやウサギさん、はてはけむくじゃらの大男おばけと交流する不思議でおかしなお話。
最後のセリフが秀逸。クスって笑えたら、キミはきっとよい子なのだ
「わたしたち うんこ友だち?」 文/高橋秀雄 絵/岡本美子
学校でうんこしたくなったこと、あるよね~。でも、学校でうんこすると笑われるかも・・・そんな経験きっとあるはず。ヒナちゃんもそう。女の子だってそんな日もあるんだ。マキちゃんと友だちでよかったね、ヒナちゃん。
年頃の繊細な男の子(かつての筆者も)にはある意味、女の子への幻想を打ち砕くお話
このテーマでくるなんて、さすがに高橋さんだ。
ないても いいんだよ 文/光丘真理 絵/岡本美子
6歳のルコちゃん。祖父母と母と白ネコのタロウの4人と1ぴき家族。ある日、祖父と喧嘩したママと一緒に2人暮らしすることに。昨今云われて久しい食育を自然に心配するルコちゃん。おばあちゃんの手料理から出来合いの食事に・・でも、そこは親子、同じことを考えていた。
さあ、ルコちゃんとママ、泣いた後に笑顔は見られるかな
魔女の大なべ 文/金治直美 絵/進藤かおる
ひとりぼっちで暮らす魔女キニーネ。くすりを作るのが仕事。ある時いくら飲んでも治らない病をもらい、いい薬を作るためにひこうきと電車でニッポンの山奥の村にきた。うつくしい山、あたたかくやさしい風。ムカゴ、きのこ、とろろ和え、きんぴらきりぼしだいこん、ほうれんそうごま和え、手作りみそで作った芋煮で力が湧き、若返る魔女キニ。
ここは東北、魔女キニにとっても桃源郷だったんだね
発車オーライ 文/最上一平 絵/進藤かおる
35年つとめた、バス会社を定年でやめる三五郎。最後の運転、廃線になる予定のバスに乗り込むと、いつもガラガラのバスにたくさんの人が乗ってきた。きつねのかんざし、きつねはな、きつねざか・・・35年間、お稲荷さんへお参りをつづけた奥さんが奇跡を起したのか。
はたして、山に帰った乗客はきつねさんたちだったのでしょうか
青空のランドセル 文/高橋うらら 絵/ひだかのり子
1年2組に入るつばさ。ぴかぴかのランドセルがうれしい。ところがランドセルがふたをぱたぱたとしゃべりだした。しょくにんのおじいちゃんがつくったランドセルはすごい。特別なんだ。つばさは「ドセル」と名付ける。新入した学校でひとりぼっちのつばさはドセルに助けられてばかり。ある日怒ったドセルに云われて、はじめて勇気を出してクラスの子に声をかけた。そしたらすぐに友達ができた。この一歩が大切なんだね。それを見たドセルは空を飛ぼうと挑戦する。さあどうなるか。なんてったって、つばさの名付けもおじいちゃんなんだから。お楽しみだ
うららさん、秋の大会ではお手柔らかに・・
浩太と子ねずみ 文/深山さくら 絵/おのかつこ
6つになった浩太。りんごの狩りが終わると、年の暮れまで父と母は出かせぎに出てしまう。浩太はじいちゃんと留守番だ。両親をみおくる浩太が泣いていると、子ねずみも鳴いていた。くしゅん。どうやら風邪をひいたようだが、りんごをかじって治ったみたい。雪の降る日に、じいちゃんが置いた新芽の枝でうさぎやねずみたちもうれしそう。りんごってすごいね。父ちゃん、母ちゃんももう少しで帰ってくる
ぼくの頭はトサカがり 文/漆原智良 絵/山中桃子
けさはべたなぎだ。台風でうごけなかった、ミドリ大島からのていき船がようやく届いたのだ。そんな折、主人公海くんの髪をとうちゃんがバリカンで刈ってくれた。ところがまるでにわとりのトサカのようになった。大ショックをうける海くん。唯一同じ二年生の空くんにも云われてしまった。台風のあとでモリをついたじいちゃんは大漁。そのたくましいじいちゃんにも山本先生にも「かっこいい頭だ」と云われまんざらでもない海くん。山本先生は云う、いまクニ(本州)じゃギンザでもはやりだよ。そうして島中みんなトサカ刈りになったとさ。
想像したら思わずニヤっとしてしまった
音筆というIT機器を使うと、作家の声で読み聞かせができる本だという。
児童文学界初の試みも用意しているすごい童話集。
セーラー万年筆やウィズコーポレーションが提供してくれたそうだ。
光の輪は広がるんだね。皆さんの行動力がすばらしい
文字、絵、コミック、映像、音楽・・・
創作人がもてる力を結集する動きがいまだやまない。
こうした一連の流れは、一過性でなく、継続することが肝要なのだ。
大好きな桑田さんも、病を乗り越えて、宮城で大々的なライブを決行するという。
創り手のはしくれとして、筆者の微力でも役立つことがあれば、すぐにでも行動したい。
いまは、あせらず、一歩ずつ進むしかないが・・