前菜「そら豆」
天賞の純銅製の茶筒(新潟燕三条産)
花見吟行のあと、乗り慣れない池上線で「大崎広小路」に向かう
幼い頃から慣れ親しんだ「上野広小路」の名称。時代物を書くようになり、封建の頃の地名を紐解くと、各地に似たような地名が点在していたことがよく分かる。「両国広小路」もそうだ。明暦の大火がきっかけとなり、火の手が飛び移らないようにと、ときの幕府が作らせた施策だという。そこから全国で火災が起こる度に広まったのだ。
洗足池の住所、千束も、おいらは地元吉原を指す地名だと思っていた。古式地名をめぐる旅、これもひとつの学びであり、遊びであろう。
いつの頃になるかわからんが、いずれ時間ができたら挑戦してみたい。
その広小路のひとつ、大崎のとあるお店を予約した。
地賞の富士山の酒器(有田焼)
ちなみに出張先で撮った富士山
本まぐろなど刺し身盛り合わせ
この地が地元の天女さんが差配してくれた「とん清」にお邪魔する。
この店が今宵の句会場所。
3階の広間を全そ連で貸切り。なんて贅沢なんだ。
串揚げ盛り合わせ
とん清自慢の串揚げは、衣に工夫がしてあり、適度にパリッとした食感のなかに、海老や白キス、野菜の鮮度が口に溢れる一品揃い。またたく間に、連の仲間の胃の中へと消えていく。
刺し身も本物にこだわった厚みのあるもの。水っぽくない、海に育ったものの甘みと活きが感じられる。
春を装う、先取りのそら豆に季節のめぐりを思う。
人賞の浅草「かね惣」の耳かき
各界の名人がこぞって訪れる老舗
ジャガイモと明太子の和え物
自家製のガリ
花見でひと通り飲んで食うから料理はほどほど、酒たんまりの注文したら、酒に合う品々を用意してくれた。
ジャガイモを細く刻み、湯通ししてから炒め、明太子で合える。一見シンプルだが、複雑に絡み合う味、ひと手間もふた手間もかかっているツマミに焼酎の瓶と銚子が空いていく。
自家製のガリは、甘すぎず、生姜本来の爽快が残り、特盛をお代わりした。
男前のご主人、ええ仕事してまっせ。
会長賞の桜と兎の盃(有田焼)
今年も無事に花見句会を開くことができた。
幹事の天女さん一家に感謝。
悩みに悩んだ今回の賞品。皆さんに喜んでもらえたようでホッとする。
会費を集っての、旅先での吟行句会。ぜひ実現させたいもんだ。
久しぶりに新しい顔ぶれも参加して空気も変わった。
桜女と桃女
桜の花びらが散ったあとの緑葉は、明日へ向かう活力の象徴のように、町の点在する。
長い冬が明けた。
おいらの心も港を出る。
各々方、それぞれの目的地を目指して、船出する季節である。
さあ、これからが本番だ
山谷堀の桜並木
「春駈けて 幾たび萌ゆる 輪廻かな」
海光
◆大崎広小路「とん清」◆
品川区西五反田8-1-14
03-3492-6492
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