さくら鍋
…つづき
京金で体が少し温まったところで、再び清澄白河へてくてくと行く。目指すは深川江戸資料館。師走の第2土曜のこの日は、新内流しが生で聴けるとのこと。気が急くな。
新内節
新内節は江戸浄瑠璃の流れをくむ。かつては歌舞伎に出ていたようだが、分かれ、寄席や流しにその姿をみせた。全盛は安永から天明(1772-末期)の頃という。心中ものが多く、哀切に満ちた調べは江戸の市井におおいに共感されたそうだ。
この日のお題目は、「明烏」(雪責め)である。
深川の町並みのなかに座り、目を閉じて聞くともなしに聞いていると、時代を超越した和の国の愉悦と情感に心が呼応して切なくなる。これが伝統芸ということなんだな。
陽の落ちるのが早い。再訪時は冬至にむかって、短日が加速する。老舗のさくら肉と瓶で供される熱燗で、心の火照りを冷まさないようにしよう。
馬刺し
玉子焼き
同じ道を志す仲間との文学談義は尽きることなく、「みの家」のさくら鍋の写メに惹き付けられ、もうお一人の加わって、深川の夜はふけることなくつづいた。住宅街にある森下のBar、そして本所の居酒屋の雄、稲垣の支店で互いの創作欲を刺激しあったのである。
「鍋つつく 箸の先には ペンがある」
海光
伝統と格式の欧州のモルトは、頭を冴えさせてくれる。体の酔いと精神の覚醒がバランスよく沁みていく。こんな年の暮れを向かえられる幸運に感謝しなきゃいけねえなあ
蕎麦の実入りの焼き味噌
師走の半ばに来た休日の土曜日。忘年会週のシメとして、深川を再訪した
この日は同人の仲間を引き連れての江戸の下町を感ずる会。かつての水郷の町を見て、歩いて、食べて味わってもらう。
朝一番の芭蕉記念会の投句を後に、清澄庭園をかすめ、小名木川から仙台堀川まで歩いた。堀川の畔に佇む俳聖にご挨拶して、森下に向かう。
*芭蕉記念館のことはまた後日触れる。
採茶庵跡の芭蕉翁
開店と同時に老舗の暖簾を潜った。3年ぶりの再訪は、100年つづく手打ち蕎麦「京金」
先に到着した仲間の1人が小上がりに座っている。木枯らしの陽だまりに見とれながら、落ち着いた老舗の畳敷きで至福のランチが始まった。
澤の井
澤の井の辛口を軽く燗にしてもらう。口当たりが柔らか、辛の丸みを舌で舐める極上の蕎麦前だ
冒頭の焼き味噌は甘めなのに焦げた表層が香ばしく苦味を含んでいる。蕎麦の実のプチプチとした舌触りが、とろりとした酒精を程よく流してくれた。
蕎麦豆腐
蕎麦でこさえた豆腐に擦りたての山葵を乗せると、風味が鼻を抜けた。板わさに、蕎麦屋の玉子焼き、旬のわかさぎをつつきながら、蕎麦まえがすすむ。
手打ちせいろ
昼の酒はほろ酔いがよい。夜の部もあることだ。手打ちのせいろを人数分頼んだ。
あっしは、素と七味と山葵と順に喉でかみ締める。
ああ、これだから蕎麦屋飲みはやめられない
「襟巻きを ほどく老舗の 手打ちかな」
海光
◇森下「京金」◆
東京都江東区森下2-18-2
03-3632-8995
http://r.gnavi.co.jp/g417100/
2011年TOTAL RUN 2149.5km 12月28日現在
下町の住宅街にひっそり佇むBar「MOORIE」
真夏の同窓会の続きです
森下の「みの家」を後にし、これも森下名物角の「50円モツ焼き屋」で、さらに旧交を温めます
居酒屋店主の友人は、連日の徹夜仕事から撃沈
そうして、神奈川県在住の友人二人が電車に飛び乗った後、
家が近い同期と二人で飲み足りない呑み助たちは、ふらつく足を隠れ家のBarへ向けました
銀座価格の1/5にはなろうかという激安の価格設定で、ミルトンダフ、ボーモア、ボーモアキャスク、ラフローグを4杯のんびりと頂きました。
心地良いコルトレーンのJazzが誘いこむ大人の空間です
帰っていった友人には悪いが、楽しい3次会になりました
この近辺でもこの価格はあり得ねぇ~~ってくらいのCP優れたお店です。
今回だけは、連絡先は無記載でご勘弁してください。
昨年伺って以来でしたが、改めて下町の良さをふんだんに盛り込んだBarでしたな
森下へ行ったら、また再訪したいお店です
アメリカで働いていたこともあるという、菊川出身の気さくなマスターは我々より若い有望株。
いつまでもこの地で、市井の呑み助のために頑張っていただきたいものですな
MILTONDUFF10年物すっきりした味わい BOWMORE56度は燻製の香りが抜群
最初はマスターオススメのすっきりと爽やかな味わいのミルトンガフをグビリ!
ノーマルのボーモアをリクエストした後、
56度のボーモアCASK STRENGTHのストレートに二人とも惚れ込みました
度数は強烈なストレートだが、水で薄めないという原酒は天国のような味覚でござった
「下町の 琥珀はこころ夏の夜」
哲路
ラストはLAPHROAIG
写真もぶれ出した、ラストにLAPHROAIGを頂いた。
いつか訪れたロンドンからエジンバラへのディーゼル列車インターシティー125の旅
二段ベッドで一緒になったスコットランド人との飲み交わした無名のスコッチは忘れらない味
琥珀色のスコッチに下劣な日常を投影しつつ、大人の上質な時間は夢のようにゆるやかに流れ、じつに贅沢なものでございました
いつまでも変わらぬ4人の友情に感謝します
【飛脚Tのランニング日記】
今月のランニングトータルは110.0km
今年のランニングトータルは1056.2km
「みの家」の名物桜鍋1800円
ついに行ってきました、森下の老舗馬肉料理「みの家」さん
筆者の生まれ育った浅草の土手通りに、やはり老舗の「中江」、そして庶民派の「あつみ屋」が桜鍋で有名です。味も保障付き。
しか~し、筆者の親父どのが予てから、タクシーに乗って行っても、深川の「みの家」は安くて旨いと豪語しておりました。
全そ連幹部会でも、同じ森下の老舗蕎麦屋「京金」、居酒屋の名店「山利喜」のリニューアルなどで昨年訪れることがしばしばありました。その際、「みの家」が気になり、並んだものの、あまりの待ち時間に肴の旨い居酒屋に飛び込んだりして、ちょいと足が遠かったのございます
この度、4人揃った同窓会ということで見事予約可能になり、ゆったりと訪問させていただきましたぞ
風格ある「みの家」の暖簾を潜ります
素敵でしょ 上段に鳳神社の巨大熊手が・・
雰囲気たっぷりの中庭も健在
浅草ひさご通りにある牛鍋の「米久」にも同じような佇まいの中庭があります。
馬でも、牛でも、食する空間の美学は共通ということですかな
見事な桜色の肉さし(馬肉刺身)1800円
お新香盛り合わせ 冷奴 日本酒 白鶴400円/8合
まずは、冷奴や板わさで見た目の涼を愛でながら、麦酒を2~3本
次の一手は、本命の肉刺しと馬肉のたたきをもらいつつ、白鶴を冷でいただく
口直しに冷酒にも飛んだが、やはりいくらか温度があったほうが、筆者はこの料理に合うと思う。
馬肉の刺身、まるでとろけるような滋味が豊かに溢れ出しますな
いよいよ、桜鍋の発注、登場
食べ応えもたっぷりの桜鍋。
火の入った根深葱は舌で絶妙な野菜本来の甘さを感じさせます
お醤油色に染まったお麩も味わい深いつまみです。
もちろん、お肉も臭みなど一切感じさせず、あっさりと筆者好みの旨い肉質でござった
高校、大学の同窓との夏の夜の上質な思い出作り
今宵も温か味のある木造建築の懐かしい香りに包まれて、旧交を温められたのはじつに幸せな時間でしたなぁ
「夕涼み 肉刺し麦酒に冷奴」
哲路
◆「みの家」(森下)◆
東京都江東区森下2丁目19番9号
03-3631-8298
http://www.e-minoya.jp/