「水浴びて まだかまだかと 空あおぎ」
海光
7月28日(土)午後6時を過ぎた頃、花火大会を知らせる号砲が鳴った
享保17年(1732年)大飢饉、疫病とたくさんの方が犠牲になった歴史がある。
ときの将軍第8代吉宗が、慰霊と疫病退散を祈り、水神祭を行う。その際に、両国橋の料亭が公許を得て花火を上げたのがはじまりとされる。
その名残で、昭和36年まで「両国の川開き」と呼ばれ親しまれていたようだ。交通事情から翌年には中止になる。この時に5尺玉の歴史も幕を閉じた。
場所が両国から上流の桜橋、駒形橋の2ケ所に移して復活したのが昭和53年。
そう、現在の「隅田川花火大会」のはじまりだ。
物心ついた10歳のことである。
すみだ花火とスカイツリーの初競演
音楽業界で活躍するいとこが遊びにくるという。
エアコンも入れず、大量の汗を流して、大きな中華鍋を振るった。
部屋の温度が36度を記録する。家族もよくぞ我慢して片付けをしたものだ。
暑い夏、冷えたビールに合うものはなにか。
激辛麻婆豆腐。ひき肉を使わずロース肉を包丁で刻むひと手間が味を深くする。花山椒をすり鉢で擦ってできあがり。
生で食えるヤリイカをたっぷり、ニンニクと唐辛子でじっくりと炒める。決め手はナンプラー。タイ風炊き込みご飯は、これまた夏にぴったり。
オイスターを効かせた塩やきそばに、ハチミツで寝かせたローストポーク。
家族みんなで水浴びして、やっとエアコンをON!
あ~、やっぱりビールが旨い!
クライマックスの大迫力
下町に花火が咲く。
小さい頃から、夏の風物詩として、火照った心を優しくしてくれる。
朝のランニングでは、猛暑のなか、場所取りをする若者が寝そべっていた姿をみた。
浴衣姿の男女もあちらこちら、団扇片手に涼しげだ。だけど、あっしは知っている。浴衣は見た目、回りは涼しいけど、当の本人は暑いったら暑いのだ。
こんな時に先日登った高尾山を思い出した。
山から下りてくる静謐な冷水に、足を浸らす優越。
正しい日本の夏が、閉塞した日本を救うかもしれないよ。
簾に、朝顔、江戸風鈴に、蚊取り線香。
季節の旬という大切なものを失くしてしまった我々は、ようやくそれに気付き始めたのかもしれない。
29日午後、国会を大包囲しようという。毎週金曜日のデモが発露だ。16日の大江健三郎氏の「個人の意思によって集まっている」という言葉の重さを偽政者に届けねば前に進まない。
昨日28日、日本版「緑の党」が結成した。直接民主主義を目指す彼らは、新たな出口を求める市井の民の受け皿となりうるのか。
終戦記念日を前に、脱原発の声が大きくなる。
封建の吉宗将軍は慰霊のために水神祭を行い花火を許可した。民を思いやる政治だ。
現代の首相は犠牲者を、民を忘れ、大飯原発を再稼動し、危険な買い物をする。
大量消費型の文明に疑問を抱き、経済成長を第一とする価値観を不安に思う。
前に進めるか否かではなく、前に進む言動がいまこそ求められている。
快楽に酔う、苦しみに喘ぐ、立ち止まるか、戻るか、それとも覚悟をもって進むか。
長く伸びた光りの塔と、丸く咲いた光りの輪を眺めながら考えた。
いろんな意味で、暑く、熱い夏がきたと云える