週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

【連載】異国を旅して -韓国篇4(北村韓屋村)-

2017年04月23日 | 【連載】異国を旅して




【落ち葉踏み王様がゆく石畳】哲露


 仁寺洞でマッコリと味噌汁かけご飯に満足したので、安国駅を隔てた北へちょいと腹ごなし。

 北村韓屋村という隠れ(てもないのか)た観光名所だという。

 景福宮と昌徳宮の間に位置し、王族や権力者たちの住む居住地だったそうな。

 朝鮮時代(1392-1910)の末期から最新まで、伝統家屋「韓屋」が多く並ぶ。

 同じアジアでも日本とは違う文化。

 ここは映画のセットのようだね。







 昔ながらの韓国の街並みを見られ、面白い。

 観光の客が訪れるためだろう、お洒落なカフェや雑貨屋もあるからなおのこと楽しい。

 高台からの眺めに気分上々。







 チマチョゴリを着た女性たちもちらほら。

 韓屋を背景に絵になる。

 現存する住宅地でもあるので、こんな看板が。

 そして、ここは急坂ばかりなり。

 坂をえっちらおっちら、ええ運動になるわ。 
 






 マッコリも抜け、喉が渇いてきた

 ガイドMさんに導かれ、茶屋の佳画堂に入る。

 中庭もあり、ほっこりした雰囲気は癒しの空間。

 Mさんオススメのお茶を頼む。

 とにかく真っ赤なビジュアルがすごい。

 ラズベリーのような甘酸っぱい味わい。

 覆盆子(ポップンジャ)茶だというらしい。

 なんでも美肌の強い味方だとか。

 殺伐とした日々の仕事を忘れる瞬間。

 これぞ旅の醍醐味。






 いい具合に夕陽が落ちる。

 あとは下りだけ。

 今宵はまた違う市場へ繰り出す予定。

 口の中もさっぱりしたので、これでまた酒が進むわい。

 ソウルの台所の賑わいはまた次回。

 まだつづく。
 


大林くんへの手紙

2017年04月16日 | ☆文学のこと☆




【頼りなく傾く椅子が便りかな】哲露


 傾いた椅子。

 その視線から見上げる空に、なにが映っているんだろう。

 手紙がメールに、メールがSNSと言われるものに変化した。

 手紙への回帰も言われる中、面白い実験だと思ったし、その方法論が世界を作り、空想の領域を広げている。

 文香からの手紙より、文香の行動に起因する周りの反応やハレーションが興味深かった。

 そして、文書を交わすだけでない、個体としての心情の交換もまた新鮮だった。

 せいのさん、いつこんな手法を思いついたのだろう。

 誰もが気づくことがないような、内面の心象を拾い上げる名手だと思う。

 言葉にすると、伝えたいものが手から漏れてしまう。

 個人的には、ラストの大林の文は、ない方がかえって完成度が高かった気がする。 

 わかりやすさ、伝えやすさからだと判っていても、言葉にしない伝達にこだわった小説世界だけに勿体なく思った。








 今年は寒さの揺り戻しが続いたせいか、桜が長く楽しめる。

 うちの坊主も、昨夜花見とか。

 来週は春の研究会。

 後輩連れて、参加する。

 またしても、アウトプットでなく、インプット。

 私もいつか、ちゃんとした小説を書きます。

 あしからず。 


雨上がりの花見句会

2017年04月09日 | ★全国蕎麦屋飲み好き連★




 4月初めの桜祭りは冷たい雨により、一週延期。

 こんなに遅れる花見も珍しい。

 平日の穏やかな日は上野で花見し、i-Phoneの液晶を割った。

 この日もあいにくの雨。

 朝一にチケットを手にいれる頃は、まだしとどに降りしきっていた。

 その割れた画面で皆に連絡をし、花見の句会を開いた。

 土曜の昼下がり。

 たくさんのアルコールと食い物を持って集まる。

 奇跡的に雨も上がり、無事水上バスに乗り込むことができた。







 天 「そよ風に 頬赤らめる 酔いさくら」笑嬢

 
 大量の酒に、持ち寄ったツマミもバッチリ。

 席が埋まるほどの観光客も羨ましいがる酒宴の始まり。

 若い衆が酒を注ぎ、ツマミを配置してくれる。

 素晴らしい活躍。

 なんとも心強いことだ。






 

 地 「曇れども 花見に集まる あたたかさ」花形

 
 毎度のビギナーズラックはあるものの、後輩二人のワンツーは見事。

 ビールも切れ、早くも吉野杉香る一升瓶もなくなる。

 お肉の遣い手、テリー肉丸差し入れの、チャーシュー1kgとメンマもあっという間に空。

 船の間に、白ワインまで到達する。

 笑い上戸の笑嬢さんの差し入れ、イチジクがこれまた辛口の白に合う。

 それにしても、まだ、午後14時なのよ。みんな、よく飲むこと。








 人 「川舟や ぼやり流るる さくら雲」純恋

 
 艶っぽい和服の姐さんも、さらりと人賞に。

 さすが児童文学からAV男優まで幅広い執筆をなさるだけある。

 あっしも見習わねば。
 
 一同、桜橋で上陸。酔って降り過ぎるとこやった。あぶねえ。

 雨の降るなか、朝から陣取りしていた若者たちの勇姿はすごい。

 彼らの根性に、日本人の桜へ対する執拗な想い、これぞ大和魂を感じる。 

 とはいえ我々には悪天候が功を奏し、いつもの築山にシートが引けた。

 ああ、絶景かな、絶景かな。

 





 「散り濡れも 桜花乱舞に 心舞う」肉舞


 本日の集い、なんと独り身が多い。

 そこで、縁結びの神さま、今戸神社へ参詣にお連れした。

 ここは沖田総司終焉の地とも噂され、今戸焼発祥の地とも言われる。

 パンパンっ、と懸命に祈る独身の姿に、日本の良い心を見る気がする。 

 絵馬を冷やかす心は下世話なもんだが、江戸の頃より人の噂話が戯作や芸術になった。

 神社の清廉で、凛とした空気は人の心を癒してくれるってこと。








 「舟遊び ゆらりゆらりと 散る花や」哲露


 一葉も通った墨堤をテクテクと吟行す。

 空は曇るが、皆の心は晴れやかだ。

 スカイツリーをバックにパシャり、菜の花と桜花をバックにパシャり。

 酔っているから、代わり映えのない絵ばかりになっちまった。

 それも愉快から来るご愛嬌。





「辻岡は 桜と眠る アーティスト」水芭蕉


 陽も落ち掛ける頃、恒例の稲垣へ。

 いよいよ句会である。

 〆切は19時までよ、と声をかけると、口数も減る。

 これもいつものごとし。

 質こそ低調だが、明るく心のある句が目立つ。

 転写を手伝ってくれる後輩も現れた。

 モチっと、本気で発句にも力を入れねばなるめえ。

 ご入賞した皆さん、おめでとう。

 ご参加の皆さん、ありがとうござんした。


「初めての 人と観る 花見かな」薬師如来

「船着きて 和服美人は 春めきて」変態公


「花の雲 我を想う日 誕生日」酔徹






 
昨年は王子山で流感にかかり、日本橋川の花見も凍え震えていた。

 今年はこんな笑顔に包まれ、あっしは幸せもんざんす。

 一日一生。

 今日も鼻を啜りながら、同人の作品を読む。

 雨の中、創作への想いを巡らしてみる。

 参加くだすった、 皆さんに感謝。

 紫陽花が露濡れる頃、またやりたいもんだ。 

 次回まで御機嫌よう。

 またよろしゅう。


再び京都へ

2017年04月01日 | ★江戸っ子エッセイ★




【鴨川にそぞろ歩きの花妓かな】哲露
 

 淀屋橋から京都へ入る。

 久しぶりの京都は晴れ時々雨みたいな変な天気。

 京都タワーは改装中。



 


 菊正宗のみの潔い自動販売機。

 小学生の訓示に、襟を正す今日この頃である。

 子供は素直で残酷で、鋭いのだ。





 今回訪問先の会社へ行ったら、ビックラコイタ。

 なんと、京町家がオフィスとな。

 中庭の手入れなど社員でやっているらしい。

 それにしても、素敵だ。

 こんなところで、原稿に向かったらさぞ筆が進むんだろうなぁ。







 明治元年創業の老舗、田毎へ。

 明太子とろろと、小海老の冷たい蕎麦を頼んだ。

 歩くと汗ばむが、肌寒い。

 ぬる燗を一本。

 五臓六腑に沁みいるとはこのこと。

 美味しゅうございました。



 


 同じ寺町通り近くのアーケードに惹かれて入る。

 お土産を買ったら、その場であんを詰めてくれる。

 昔ながらのほんまの生八ツ橋どす。

 家族にも後輩たちにも好評だった。



 


 京都いえば、鴨川。

 昨年の夏には、上流の貴船まで遠征した。

 納涼の川床は最高だった。

 空は晴れ渡り、着物姿の若者が多い。



 


 間も無く古都も桜の開花を迎える。 

 都をどりなんてのを観てみてえな。

 どぅどすえ。


 


 名古屋、大阪、京都と二日間でよく回った。

 思えば、転職してからまともに休んでいない。

 我ながら、働き者になったもんだ。

 本日4月1日、関東は雪が降るような寒々しい天候。

 花見句会も一週間の延期を決めた。

 いつものランニングコースも、ランナーはちらほらだ。

 みなさん、お疲れさん。

 これからは少しずつ、要領を得て、書き物に向かいたい。