週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

ブータンの夜

2018年01月14日 | 呑み屋探訪(代々木界隈)





【北風も辛子喰らえばほっこりと】酒上乃不埒


 年の瀬を盛り上げた仲間との新年会。

 兼ねてから約束の地、代々木上原のブータン料理「Gatemotabum」へ。

 唐辛子とコリアンダーがふんだんに使用された数々だし、

 ただでさえ辛いのに、チリビール、唐辛子入りブラッディマリーを頼む面々。

 飲料で口を冷やすことも叶わない。

 兄貴、スプーンが止まってますよ。

 そりゃキツいって。





 全てが辛いから、ご覧のご飯につけて食べる。

 白米と古代米である赤米がすすむ。

 でもこの汁美味い。

 そして、唐辛子ももはや食える。

 ビールで冷やして食うとまた食える。






 わし、お代わりは白ワインとウイスキーもどきで。

 冷えた辛口がまた辛いものに合う。

 鳥肉とトマトのシャシャもいいし、カリフラワーのダツィが絶妙。

 ドリンクを冒険しなければ十分旨いw

 グルメのエンターテイメントだわ。

 うちから遠いのが残念だが、近所にも気になる店がたくさんある。

 この街、また来てみよう。

 今日も幸せ。

 ブータン、どうもごちそうさまでした。 


創作フレンチのマジックとは!?

2017年02月26日 | 呑み屋探訪(代々木界隈)


『折り紙、フォアグラ』


【フレンチの魔法をかけて寒桜】哲露

 
 予約の取れないレストランに予約ができたので行ってきた。

 代々木上原から住宅街を歩くと、小綺麗な一軒家がある。

 その名は、セララバアド。

 スペインのエル・ブリに始まり、マルティン ベラサテギ、サンパウ、タパス モラキュラーバー、nomaなど。

 名だたる海外のイノベーションフレンチで修行した橋本シェフ。

 ガストロノミーとは、古典であり、食のバイブルと謳われるブリア・サブランの「美味礼賛」が起源。

 ここセララバアドでは、現代版のモダンガストロノミーを提唱し続けている。

 冒頭に掲げた写真は、根セロリの折り紙、味噌を加えたインカのめざめと脂でソテーしたフォアグラ。

 折り鶴はとても食べ物とは思えないビジュアルだ。

 美味しい。だけど、どこに入ったかわからない感覚。



手の込んだ可愛らしいメニュー


『毛玉ビーツ』
 
 
 食前に、温と冷、見事に分かれた不思議な日本酒。柚子がアクセント。

 そして、細く繊細に仕上げたビーツは妖艶で、インパクト大だ。

 口に入れたらあっという間に溶けた。



『林檎とチーズ』
  

 林檎は飾りで、中のチーズで巻いたアイスだけを食べる。

 白ワインに合うが、この段階でデザートを味わった気分。

 

『ペアリングの日本産ワイン』


『冬の大地』 


 黒オリーブのパウダーをまぶしたピュレは大地のイメージ。

 小さな冬野菜が植わっている

 これは、楽しい見た目以上に美味だ。


 
『豚と栗のカルドッソ』


 豚のホホ肉を煮込んだスペイン風リゾット。

 シェフ自ら、たっぷりのチーズをかけてくれる。



『百合根とトリュフ』

 
 百合根のエスプーマにトリュフの香りのミルクの泡。

 黒トリュフを贅沢に散らしてある。

 鶏の出汁が後から広がる。




 焼いた石に乗せた海藻、海辺に立った印象を与えてくれる。

 蓋を開けると、帆立、洋梨が燻製に。

 トマトなど野菜とナッツのソースが複雑に絡まっている。



『紀州の鴨と黒にんにく、葱など』


 鴨とネギの相性は当然ながらいい。

 白葱に入っているソースは、葱の緑の部分をソースにしたもの。

 林檎のピュレをつけていただく。

 葱を焦がしたパウダーが撒いているのが斬新だった。


『モンブラン』


 白いメレンゲの板を退けると、栗のモンブランクリームがある。

 いちごには、結晶を形どったシュガーか。

 この前に、写真を撮る隙もなく『白い吐息』が出た。

 早く口に入れて、シェフ。

 舌が凍傷になるほどに瞬間冷凍したマカロン。

 ミントの香りがしたが、舌が痛かった。

 淑女の鼻から機関車の息が、恋も冷める。




『ミニャルディーズ』


 曇りガラスの向こうは、どこの街。

 宝石箱の中に、デザートがたくさん敷いてある。

 普段から甘いもんを食べないわしには多すぎた。

 白ワインの次に、八海山が出たり、ペアリングは面白いが、なんせ飲んべには量が足りない。

 シェフのマジックに酔った一夜。

 この業界にいるからにはこうしたイノベーションフレンチも知らなくてはいけない。

 しかし、胃のどこに入ったかわからない下町育ちにわし。

 家について、茶漬けをすすったのはご愛嬌。

 ごちそうさん。