週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

日々是日常

2015年06月21日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)


 
 大先輩へ連れられて、やってきたのは新宿二丁目

 老舗の蕎麦屋には珍しくよくお話しになるご主人と女将さんが出迎えてくれる。

 親方曰く「うちは乾麺じゃないよ、毎日わたしが打つ本物の小千谷のへぎ蕎麦だ!」

 春の嵐の日に、三丁目のへぎを食べた。

 二週間前にも御徒町のへぎを食べた。

 よほど私は好き者なのか。

 本物とはなんぞや!?




 この日は暑かった。

 迷わず、瓶でたのむ。

 汗の滴る赤星のラガーがあるとこなぞ、呑み助の常連が通っている証拠だわな。

 一人勝ちの百貨店の元トップ外商マンだけあって、先輩はいい店知っている。

 案内された琥珀色のテーブルがすでにそれを物語る。

 女将さん、もう一本ね!




 馬刺しがあると、迷わず発注!

 ニンニクですか?生姜ですか?などとチェーン店のような野暮は言わない。

 そう、どちらも出せば、どちらも楽しめる。

 呑み助のツボをよく心得ていらっしゃる。

 すでに夏バテのカラダには、馬の力は絶大なのだ!

 先輩の頼んだふろふき大根は、甘辛いのに柚子が効く。

 ここは、もう、ぬる燗しかあるまい。 




 八海山のぬる目は、内臓だけでなく、荒んだハートにも優しい。

 真白いシンプルな酒器が潔い!

 嬉しさ悲しさ、喜び辛さ、新しいの旧いの、書ける書けない、あらゆる思い出話しを北陸の酒で流し込む。

 世代は違えど、バブル景気の件は、笑いと涙なしには語れない。

 紹介した人の不手際に心が痛むが、それも世の常と先輩の懐は深い。 

 体温に近い雑味のない水がカラダの内から温めてくれる。
 



 白魚に塩、野菜に糠ときたら、寒い国の酒が合うのよ。

 日々、威勢のいいハッタリで動いている。

 だが結果が見えないというのは、是、苦しいこと。

 日常を癒すのは、私の場合も先輩の場合も、気を許す友と少しの酒と舌を洗う職人のツマミなのだ。





【磯の香や親父の汗は夏の海】哲露


 親方がその日に打った極上のへぎが、つやつやと踊って板にのる。

 出汁と返しの絶妙の二重奏、三重奏。

 こんなにも海と大豆の凝縮されたツユははじめてだ。

 蕎麦はもちろんだが、濃密なツユに感動した。

 海藻の香り高い蕎麦と密度の濃い汁に誘われ、箸がとまらない。

 これまでに食した蕎麦屋のなかでも特筆の味わいの汁だ。

 「こんなに味が濃く、美味い蕎麦つゆは初めてです」と言ったら、

 親方も女将さんも満面の笑みを浮かべておられた。

 三丁目に行った友も、連れてきたらさぞ喜ぶことだろう。

 新潟小千谷【昆】一押しのオススメだ!

 新宿の雑踏、ゲイバーの誘い、この町の更けるのははやい。

 T先輩、味わいのある夜を、ありがとうござんした
  


へぎ蕎麦と本の話し。

2015年04月12日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)



 日曜日、ようやっと青い空が広がった

 花冷えも行き過ぎるとカラダの調子が狂うわね。

 久しぶりに山登りのサークル【ローゼンピークス】の集い。

 蕎麦好き、酒好き、本好きの同好の氏二人と酒を酌む。

 おっと山が好きってのも忘れちゃなんねえ。

 集まったこの日は、真冬に戻ったかのような寒冷え。

 けだし、店内はあったかいので、まずは赤星ね。




 イカの丸焼き、メバルの煮付けにいたると燗酒が欲しくなる。

 北陸のコアな地域の酒が揃っている。

 安い順に頼んでいく。

 イカは甘く、煮付けは出汁が沁みている。

 ミョウガや薬味がふんだんに盛られているのが嬉しい。

 ホタテは肝臓に利くし、しっとりとしたシメ鯖が舌を刺激して、北の辛口が進む。





 大陸では御法度という、政治の話し、原発の話し。

 田口ランディさんのダイアローグに参加した話しをしたらこっち方面に。

 彼女の真摯で、率直で、素人にも伝わりやすい言葉は、さすが第一線を走ってきた作家だと思わせられた。

 そんな話しから本の話題に転換。

 好きモノ同士の会話は尽きない。



 それぞれが自慢気に薦める本を、聞いているのが耳に心地よい。

 なべさんからは、笹本稜平【春を背負って】船戸与一の【蝦夷地別件】を薦められた。

 さすが山家さん。

 千姫からは、宮部みゆき【ソロモンの偽証】を推される。

 私は西加奈子【円卓】、島田雅彦【ニッチを探して】。

 物書きではない、読書愛好家の話しも面白いし、参考になるね。

 早速図書館で借りてきた。

 自分では選ばないだろう本を手にするものいいもんだ。

 ソロモンは分厚いから、気合いの入った時に読むつもり。




【本好きが肴をつつき水温む】哲露


 新潟の銘店に来たら、やっぱ〆はへぎそばだ。

 海藻の香りが瑞々しい蕎麦切りに詰まっている。

 コシがあるのがいい。

 いつからか、〆のラーメンがキツくなった。

 みんなも同じ世代だから、そばがいいと言っている。

 でも、なべさんはまだまだラーメンもいけるらしい。

 カラダは老成していく一方だが、指が動き空想力が働くうちに少しはマシなモノを書いてみたい
 

  

◇新宿三丁目【ぼんや】
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13006786/
  


方舟の船出!!

2011年10月18日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)

                          

 今月11日に、大学の同期、原氏が経営する囲炉裏居酒屋「方舟」が新宿に初出店した

 実に、5店舗目。個人商店からチェーン店へ飛躍する旅立ちの日なのだ

 会社立ち上げから僅か6年足らず、この間の急成長ぶりには目を瞠るものがある。

 常に、経営者として上を目指し、学ぶ姿勢を怠らない。

 友人として鼻が高いとか云うレベルを脱し、同期として己れの未熟さ、不勤勉さを突きつけられてしまう。

 そのくらい、傑出したセンスと、努力を続けられる才が飛びぬけているのだ。

 錫に注がれる冷酒は、菊水の辛口。まずは、お祝いと、登山サークルローゼンピークスの面々と乾杯する

               
        小滝橋通り沿いのこの看板が目印           敏腕オーナー ceory代表 原氏
 
                    
                昨夏から話題のエクストラコールド          酒付きの突き出し

             
             八海山の振る舞い酒                  美味しい野菜の蒸し料理

       
                     牛筋の煮物                        陶板焼き

                     

 この日はオープン特別企画で、八海山の蔵元から酒が無料で振舞われた。

 タダ、とあって、我々ローゼンピークス登山隊は、お代わりを催促しまくったのである

 ご覧のように、一升瓶がどんどん空いていく。

 壁には北陸の食材と酒にこだわってきただけに、蔵元から激励の色紙がいっぱいだった。

 たくさんの人を巻き込んで、寄せて引いて、精査され、ここに至っているのだろう。

 大盛況の人の出入りを邪魔しちゃわるいと、早々に引き上げた。

 一階の看板前で、看板娘ならぬ写真大好きな経営者ふたりでパチリ

 10月17日には、待望の横浜店もオープン 

 方舟の快進撃、いったいどこまで広がるのだろう
             
                        

 飲み足りない飲み助たちは、駅前のしょんべん横丁へ

 道産子でいつもの昆布焼酎をたっぷりと飲んで、北海の果実を饗した。

 登山家の中には、シメのラーメンを食べて、タクシーの方もいたとか・・・

 いやはや山男はパワフルですなあ

               
            「小滝橋 乗り込む舟は 月夜酒」
                                海光

 ◇日本酒スローフード「方舟」新宿店◆

 東京都新宿区西新宿7-10-18 パシフィカ小滝橋ビル6F
 03-5937-0038
 http://www.ceory.co.jp/index.php

 

                 



2011年TOTAL RUN 1662.3km  10月18日現在              


再出発

2011年07月22日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)

          ブラックニッカハイボール
          ハツ刺し
          子袋刺しのカラシ和え

超大型の台風一過、ここ数日過ごしやすい日が続く
散歩やRUNもじつに爽快、いい気分だ。
ここ新宿思い出横丁を覗いたのは、8日花金(死語かい)の猛暑日
久しぶりに広告のプロである友人とモツでも、と「宝来家」へ足を向けた。

巷ではワラから発生した国産牛が叩かれているが、そんなことに構ってなどいられない。
子供にはともかく、大人の男には生肉が必要なんだ

ということで、冷えたサッポロラガーとハツ、子袋の刺身を発注!
ネギと醤油をたっぷりと振りかけ、食す。

一瞬で、古代からの野生が蘇り、肉となり血となり、細胞のひとつひとつが活力を帯びた気がするよ

          男は黙ってサッポロラガー
          トコロ天

天草の涼が、灼熱で火照ったカラダを優しくクールダウンさせてくれる。
この時期の天然ものの冷たいお通しは、舌と胃をさっぱりと洗ってくれたようだ。

宝来家自家製のキムチ漬け、定番のとろけるモツ煮、ポテトサラダは安定した味でいい箸休めである。

初めて来訪した広告マンK氏のため、肉脂が凝縮したカシラと鮮度よし柔らかいタンを塩で焼いてもらう。
生の刺身にはない、濃厚な肉汁が噛みしめるたびに黄金色に溢れ出してきた

          カシラとタンの塩焼き     
  

岩手盛岡市大慈寺町のあさ開の銘酒、「水神」を頼む
良質の米のまろやかな旨味を残した、純米大辛口はただ辛いだけでなく、冷酒なのに香りも豊かだ。
この店のどんな料理とも相性が合う。
東北の岩清水を連想させる辛い端麗は、ノド、食道をなめらかに通過していく。

2本空けてしまった。
さすがに岩手の銘酒であり、名水である。

広告マンはこのタイミングで、秋から再出発するという

長年培ってきた人脈の深さと広さ、未来への予見、沈着ぶりは筆者より若いのに熟成して感嘆していた。
この日は、盛夏の熱に絆されたたのか、出る言葉に情熱がほとばしり、その冷静な目が輝いて眩しかった。

彼の未来はそのたえまない研鑽がある限り、揺るがないと信じる。

最後は冷滴で汗をたっぷり纏う、ブラックニッカのハイボールでノドを潤しながら、語りつくせぬ思いを語り合った。

この夏は、素敵な夜がつづく


           「果てぬ夢 水神様に語らいで」
                         海光

           


熊づくし!

2011年07月14日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)

            エクストラコールド

7月猛暑日
同期Sの誕生日祝いにかこつけて、中附の同期5人で暑気払いと集った。

このブログでもお馴染みの、四ッ谷荒木町「方舟」(http://www.ceory.co.jp/)。
渇ききったノドとカラダに、氷点下のビールの滴が沁みわたる。
火照った五臓六腑に、一瞬氷ったような強烈な一撃が食道を下り始める
いや~、氷点下の実力、改めて乾杯

この日は同期のオーナーHが我々の夏ばてを気遣ってくれての特別コース

なんと・・・

「くっ、くま~。そう、熊肉だ」

三重県伊勢のホテル取材で、鹿肉のローストをいただいたことがある。
地元浅草の洋食屋で、蛙のフリッターを食したこともある。
中国大陸で、鳩の素揚げに、ラクダのコブも・・・

ラクダのコブの臭さを除けば、どれも地の酒に合う美味、珍味であった。

「熊! くま! クマ!」

まさに初体験である。
しかもフルコースときた。

ご覧のメニュー

1 熊肉入りの茶碗蒸しと枝豆の前菜
2 囲炉裏の炭火で焼いたナス田楽と熊田楽
3 シンプルな塩コショウのみの熊ステーキ
4 とんかつ、ならぬ、「くまかつ!」
5 箸休めに、「熊の酢の物」
6 熊汁
7 熊肉の炊き込みご飯

                                          熊カツレツ

これでもか、と云う、くま、くま、くま三昧・・・

精がほとばしる、野生をこれだけ頂けるのもひとえに、オーナーの実力

実験台、結構。

なんとも贅沢な夏の夕べである。
筆者的には、熊汁が気に入った

野趣の滋味が豊か、野卑でありながら品格がある。
北陸の山を生きた野生の灰汁も、馴染みのある味に深化している。

冬の熊鍋が今から楽しみだ

      「冷酒なめ マタギ気取りで熊料理」
                         海光


マタギになった気分で、熊と北陸4県の大吟醸を飲み放題とばかり堪能した。

飲んだくれの夏の夕べは永いzzz     


昇進!

2011年04月15日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)

       魚沼産山女の姿焼き

この黒い斑紋。
そう川の女王!女神!ナイスバディの山女ちゃん。

都心でこんな見事な川魚を食せるのは、方舟の仕入れ網ならでは・・

久しぶりの荒木町再訪
「山里田舎料理専門店」とコンセプトを明快に、酒蔵を思わせる一軒家が生まれ変わった。
囲炉裏で焼いてくれるスタイルは変わらないので、姿焼きもご覧の通り、ご安心を・・

        
               囲炉裏焼き         吹き抜けの造りは田舎民家そのもの

今宵のテーマは3つあった

国内最大手のメーカーで部長に昇進した友を祝うこと。
自粛ムードで客離れ激しい昨今、友の経営する方舟を応援すること。
そして、東北の復興を願うこと。

この気炎の元、われわれが活動することこそ、復興を支えられるという信念で日本酒を飲む。
春を飛び越えて初夏の陽気に、スタートはなんといっても、キンキンに冷えた生ビール

    エキストラコールド生




まずは、見事な前菜の数々。

菜の花の辛子和え、春キャベツのお浸し、ワカサギの南蛮漬け、豆乳とグリンピースの春色寄席、レンコンの金平、もち豚の桜チップ燻製、鳥肉の味噌漬け焼き、さつまいもの桜餡かけ。

富山名物の白海老が出たら、当然、日本酒でしょ!?

     

〆張鶴の花を冷酒で・・



燗酒が欲しくて、曙純米酒、千代の光、白駒純米酒、成政純米酒、麒麟山、根知男山、と銘柄の違う地酒を、燗特有の香りと、舌と胃でその米の甘さをたっぷり味わう

店長、次から次へと酒を燗して、運んでくれてありがとう。

高校、大学とつないだ友情に、心が解れていく。


   ピンボケの甘エビと岩魚の刺身               旬の春たけのこ


        漬け入りの花見ちらし

       
         
最後は、あらばしり手取り川純米酒を冷でいただく。今宵で唯一、石川の酒。

漬けが入った、ちらし。普段なら飲み出したらご飯ものは食べないのに、つい手が伸びてしまう。 旨い、ってことだよ

〆のあらばしりに、味噌汁とお新香が合いますな。

多摩の大学から、同期と社会に出たのは1990年のこと。
今日集まった同期二人は、それ以来それぞれ大手のメーカー一筋に勤めてきた。
ここでも継続は力なりを、まざまざと感じさせられる。
それでも、部長に昇進とは、大手の同期生の中でも一握りの大出世。
語らないが、いろいろあったのだと思う。
飾らない姿勢と、キメの細かい気配りが認められたんだろう。
学生時代は、待ち合わせの度に遅刻してきた不埒なやつが・・たいしたもんだよ、お父さん。
転勤の多かった年少の苦労が、抜群の順応性を培ってきたようにも思える。
わらしべ長者か、二宮尊徳か、親鸞聖人か、苦労は金を出してでも買えとはよく言ったもの。

でも池波さんは言った、その苦労を活かすのも、自ら人格を磨いてのものなんだ、と。

頑張った友に、 「よくやった!」 この一言を贈りたい。

店を四軒に拡大しても飽き足らず、さらに研鑽を積み続ける同期。
売るべき商品の生産が止まりながら、地道に営業を続ける同期。

見習うべき、お手本が同期にいるって、幸せなことだ。

5月の温泉ゴルフの旅を約束した。

じつに楽しみだ。

それまでに、どれだけ修行を続けられるか、結果が問われるのは筆者自身である


ふたたび横丁へ

2011年03月06日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)

        
 
  「旧き友 思い出語り夢食す」
                  
     海光

       

またしても、しょんべん横丁、宝来家へ
今宵は旧き友と敬愛する大兄を引き合わせる。
一方は呑んべえ、一方は横丁に似合わぬ下戸。
蜜も甘いも
分かる大人の二人に共通するのは、音楽

いつか二人のセッションを聴くこともあるのかなぁと予感した夜。
サッポロラガーを皮切りに、ぬる燗、黒霧島・・・
辛子とごま油を合えた子袋に、ハツの刺身に箸が進む。

またひとり呑んべえの先輩が加わって、二丁目のナジャへ繰り出す。

横丁の店も花金(古い?)は二時間制

もっとも、横丁に長居するつもりは毛頭ございません。

句誌の打ち合わせもできて、春の楽しみがまた増えました
新宿ナイトに乾杯


しょんべん横丁と二丁目の夜

2011年02月11日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)

     第二宝来家

呑んべぇの聖地、新宿思い出横丁、通称しゃんべん横丁へ。

一軒目、ちょいと失敗!
モツ刺しがないもつ焼き屋、やっぱ物足りないっすな。

ってことで・・・

呑み直しに、事前にリサーチしていた老舗の第二宝来家にいそいそと
当たりでした
 
  
             子袋刺                      新鮮レバー

  
              馬刺し                    いいちこお湯割り    

お酒の値段も正統な横丁価格
安心してアテを発注します

芝浦にある食肉市場からその日潰したお肉が届く、このお店ならではのラインナップに頬緩む。
モツ刺しが豊富に揃って、新鮮な匂いといい艶をしてます

子牛の子袋刺しは辛子を和えたタレとの相性ばっちり、コリコリとした感じがたまらんです
室温で溶けだすくらい甘い脂ののった馬刺しは口の中でどんどん消えていきます
レバー刺しも照りと歯応えは申し分なく、放牧地を思い浮かぶほど滋味豊か。
煮込みは、新鮮なもつそのままの味わい深い臭みが甘い白味噌に絡む。
ぬる燗、お湯割りとゆっくりと飲りながら、つまむ庶民のささやかで極上の幸せを満喫

焼き物ももちろん炭火で燻された肉が熟成された秘伝のタレをまとって、肉質の硬いの柔らかいの縦横無尽に口中に広がっていく。
下戸の連れは手が止まらない様子
ダイエット、節制とは無縁な煙る館は、人生の悲哀を通ってきたおっさんの心を優しく包んでくれるのです

また、明日も来たい、横丁の名店でござった。
「子袋刺し、今まで食べた中で一番だったよ!」と筆者が親方に声をかけると、予約もできるよ、とコワモテの顔をほころばせてました

親方、必ず来ますよ。
近いうちに・・

  
  浅草キッドさん、佐野史郎さんの色紙。ご存知、やはりあのヒトも・・(な・ぎ・ら・さ~ん)

浅草「正ちゃん」についで、またなぎらさんに・・偉大な呑み助だ。

◇「第二宝来家」◆

東京都新宿区西新宿1-2-5
03-3344-3117
http://horaiya.com/
http://www.shinjuku-omoide.com/shop/horaiya2/index.html

三次会は今夜のメイン
友人の兄貴が足しげく通った、二丁目の名物店「NADJA」へ

映像屋、音楽屋、文学屋等々有名無名の創作欲が蠢く歴史ある町の名うてのBAR

ちなみに友の受け売りですが・・・Nadjaという名前の由来は、シュールレアリズムの名作アンドレ・ブルトンの「Nadja」からとったものらしい。
初期の二丁目時代が20年(1966-1986)、移転してさらに20年(1986-2006)。
2006年からナジャ伝説第三幕が再びこの地で復活。
46年という半世紀に近い継続力にはただ、ただ脱帽です



友と、劇団、ミュージシャンと歴戦のマスターの安保さんと黒ちゃんママと、偶然居合わせたご縁のある方と、語らう話は尽きない。
たくさん話しましたね。

でも、ここではただ寡黙に飲むだけでも、違う顔のナジャ本来を味わえるのかもしれない。

また、来よう 友よ・・。

NADJAの夜に、雲上の侍に、乾杯

    

    「雄弁に 黙々と空く酒瓶や」
                       海光


四ツ谷で鬼平をいただく!

2010年11月14日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)

 季節のきのこと地鶏の鍋 こちらも旬の牡蠣フライ

久しぶりに「全そ連」幹部会を開きました

四ツ谷の「鬼平」は、会長と政調会長のふたりは初体験

清く正しい、安くて旨い居酒屋さんです
この四ツ谷での筆者の定酒場・・

まずは、昭和の面影、キリンクラシックラガーをグビっと喉に流し込みます

     クラシックラガーの苦味が好きです
 
  ブリ、マグロ、蛸、イカの海鮮ぬた          タコとポテトが入った鬼平サラダ

 
   エイひれ炙りもたっぷり入って400円        ぬる燗って落ち着くね

海鮮ぬたは美味しい刺身がたっぷり入って、500円。

エイひれと云えば、お酒が恋しくなりますな

この時期の旬を二品、牡蠣フライときのこの地鶏鍋をいただく。

柔らく滋味あふれる地鶏から出たダシが、きのこや野菜、豆腐に沁みて絶妙なハーモニー

晩秋の旬、大ぶりの牡蠣がカラッと揚がって、テンションが上がります

幹部会では、話も弾み、「年忘れ全そ連&句会」の詳細が決定

一番若手のM政調会長がやっぱりシメは、新蕎麦を食べたいと駄々をこねたので、
会長も幹事長の筆者も、もちろん異存などなく、並びの越後路にサクッと・・

 海草を練り込んだへぎそば

コシがしっかり入って、冷えた蕎麦ののどごしに一同無言で頷きます

考えてみたら、この会の名は、「全国蕎麦屋飲み好き連」ですものね。さらに一同納得・・

再会のうれしさとお互いの未来の夢に、自然と笑顔がこぼれる幹部会です

会長、政調会長、おつかれさんでした

 「牡蠣フライ 旬のキノコに頬ゆるむ」
                                          哲路


                            
◇四ツ谷「鬼平」

東京都新宿区四谷1-20 小泉ビル2階
03-3354-2480 
http://r.tabelog.com/tokyo/A1309/A130902/13061644/


囲炉裏スローフード「方舟」(四ツ谷店)オープン

2010年05月18日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)

       まずは生ビールで方舟4号店オープンに乾杯


高校、大学時代の同期生が人生安泰のはずだった大手鉄道会社を一念発起して辞めて、汐留に囲炉裏料理と日本酒スローフードをテーマにした居酒屋を開いて早
5年。
この5月ついに4号店、念願の古民家風の一軒屋を四ツ谷にオープンしました

3店までは個人商店の社長でも、4店舗目からはチェーン店のオーナーと呼ばれるとか。
ついに、僕らサラリーマンの憧れ、青年実業家になってしまったのです。
  *方舟社長のブログは、私のブログ左下のブックマークに貼ってありますのでご覧ください。

いや~、この逆風吹く世の中に実に素晴らしい偉業ですな
同期の誇りであります。
大いに勇気をもらいますよ

ということで、お祝いがてら同期3人が終結し、方舟四ツ谷店で一杯飲りました


 
        お通し季節の三品盛り                 食前酒は能登竹葉の冷酒

 名産富山白海老の掻き揚げは塩でいただく


       北海刺身盛り合わせ             話題沸騰-2℃のエクストラコールド



富山に取材旅行した際、北陸の銘酒に白海老の甘さを思う存分に堪能しました。
都会でこんなに旨い白海老の掻き揚げに出会えるのは、方舟さんの努力の恩恵ですね。

もう一つここで話題なのが、
社長曰く、この四ツ谷店のみ設置したという氷点下ビールマイナス2℃のエクストラコールド
キンキンもキンキンの冷たさ。ビールは冷たいほどヨシとする御仁は是非お試しあれ。
まだ、全国でも30店舗弱(3月現在)しか導入していないアサヒスーパードライの新製品とか。
この導入の即決、さすがですな~。

ビールの旨さは、4~6℃が最高と唱ってきたメーカーですが(個人的にもそう思うのですが)、
たしかに囲炉裏を自慢とする方舟さんでは、夏場に向けてサプライズなサービスになるのではと、その完璧な冷たさを味わいました

そして、方舟さんの真骨頂、囲炉裏料理をいただきながら、これまた自慢の銘酒を飲み干します。

この四ツ谷店最大の特徴。
ヴィジュアルはそのまま古民家の雰囲気がたっぷり囲炉裏端料理ですが、
新橋店、銀座店と違い、お料理を焼いて運んでくれるから、横着な飲んべぇにはうれしい限りです
こんなの待っていたのよぉって、お客さんが殺到してるとか

さぁ、囲炉裏料理を写真だけでもご覧あれ。



   産地直送の岩魚を囲炉裏で炙り焼き             見事な焼き加減の貝三種
 
  新潟千代の光のぬる燗       囲炉裏でゆっくり焼かれた貝は豊潤な海がたっぷり

 北陸に旅したようなホッとする絵ですな

それにしても、
都会の喧騒を忘れるような古民家居酒屋。風情たっぷり囲炉裏で焼いた岩魚を味わえる。なんて、贅沢の極みなんでしょう。
バブル以降その利便性から一般の社会にも普及して発達してきた機械化。ポケベルから始まり、ケータイへ、ワープロからパソコンへ。手紙、電報からメールへ。そして、わが出版界は紙から電子ブックへと黒船来襲が始まっております。カセットからCD、DVD、HD、ブルーレイ、記録メディアも進化(?)が止まりません。新しいものへの転換が早過ぎて、当の人間が置いていかれる始末。
人がしていた仕事を、便利、スリム化、スピード化とばかり、機械が取って変わり、挙句の果てに失業者がたくさん生まれました。人口減少もあり、税収は減り国債は増える一方。一部の支配階層ばかりは高みの見物。果たして一般庶民は幸せになったのでしょうか。

わが同輩が仕掛けて、成功の道を辿る、囲炉裏居酒屋スローフード方舟。
まさに、この時代のノアの方舟よろしく、人に優しい対面商売。
人と人のつながりや温もりを重んじ、自ら(*四ツ谷店は職人さんが焼いてくれる)食べ物を火で炙って食べるという原始から続いてきた人の営みへの啓蒙や回帰が、疲弊したサラリーマン諸氏に歓迎されたのも納得の夜でございました。
まだまだ、発展する余地ありと見た

翌日、良質な日本酒は爽やかな目覚めを呼ぶ。

心許しあった友との再会、同期の成功、旨い酒。
What a fantastic night  素敵な夜に乾杯です


         
           「大都会 古民家訪ね岩魚食う」
                                           哲路


僕らも負けずに、頑張ろう

友のさらなる成功を祈ります



◆囲炉裏料理と日本酒スローフード「方舟」(四ツ谷店)◆

〒160-0007
新宿区荒木町7-1
03-6273-2090

http://www.ceory.co.jp/index.php