週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

驕りと偏見

2015年04月26日 | 呑み屋探訪(九段下、飯田橋、神保町界隈)


        揚子江菜館の冷やし担々麺


 外回りに戻ってからおよそ三ヶ月

 目まぐるしい日々のなかで、凄まじい勢いでたくさんの恩人、知人に逢っている。 

 神保町は本の町でもあるが、出版社の町でもある。

 伝統と格式では群を抜く、広辞苑の版元、岩波書店。

 本屋を開く際にはここの文庫を仕入れないと読者に認めてもらえないという時代があった。

 しかも全品買い取りと強気の商売ができたのだ。

 そう言わずもがな、イワナミの赤本、青本だ。

 その岩波に務める先輩と久しぶりに逢った。

 懐かしの揚子江菜館(http://www.yosuko.com)へ。

 ここは昭和8年に、冷やし中華を考案したことで知られる名店。

 かつて、仕事に苦悶し、転職に悩んだ時にこの店で、的確で優しい言葉をかけてもらい、落ち込んだ心に活力をもらった。

 大兄と逢うのはじつに久しぶりだが、時折交わすメールには知識と経験に裏付けされた、品性と教養が溢れている。

 人生の岐路に、彼がいてくれた。

 私の描く稚拙な物語に、客観と親身でもって勇気をくれる。

 これほど心強いことはない。


 この日、私は冷やし担々麺を頼んだ。

 右の小さい皿の、よく練られた上質のゴマだれをかける。

 上品なコシに、美しく盛られた麺が、酢を利かせた醤油にのる。

 白ごまの濃厚の極みをかけていくのは快感ですらある。

 

         上海式肉焼きそば


 大兄上海式焼きそばを発注。

 かの池波正太郎が愛した肉焼きそばだ。

 池波はこのそばを食いながら、なにを考えていたのだろう。

 
生麺を茹で、鉄鍋で焼き焦がした麺に、たっぷりの豚肉とシャキシャキのもやしをのせる。

 キクラゲの大きさと量も遠慮ない。

 
職人の丁寧な仕事は、伝統工芸に限らず、惚れ惚れとするね。
 




 
 これに、ボリュームのあるシュウマイがつく。

 ちょいと豪奢だが、古書の町で至福の中華が味わえる。

 実際、いつ来ても旨い。

 もう少し暑くなったら、定番の五色涼拌麺を食べにこようと思う。

 大切なヒトとのプチ贅沢なランチにオススメの店だ。

 コーヒーは編集者が集うさぼーるがミーハーに混んでいるので、その先の地下のブラジルへ。

 ここの神田ブレンドはどこまでも濃く、苦いオトナの味。

 お互いの家族のこと、仕事のこと、会わないでいた空白の時間を埋めるのに話しが尽きない。

 この古書の町が消えるのではないか?

 先輩がそう危惧するのも無理はない。

 誰もが知る大版元の二社が一帯の土地を買い漁っているという。

 700坪の岩波書店も狙われている。

 銭、金が幅を利かせる世ほど貧しい文化はない。

 財閥解体、戦争放棄はいずこへ。

 やはり歴史を学ぶことこそ、人類の進化の現れだ。

 今日の選挙の投票に、民度が試される。さて、如何に。
 
 結果は見えているなんて、野暮はなし。

 新聞の折り込みを読んで、自らの意志を投じよう。



       蝦夷地別件
         著:船戸与一


【船戸与一のこと】


 
山のサークルの仲間から薦められた船戸与一を読んでいる。

 18世紀末、蝦夷と和人(日本人)の戦いを軸に、エカテリーナ二世の支配するロシアとポーランドの紛争も絡む分厚いエンターテイメント。

 土地と権益を巡る松前藩の暴力と搾取、差別と陵辱にはページを閉じたくなるほどだが、誇り高いアイヌの民族が団結して起つくだりになるともはや紙を捲る手が止まらない。

 横暴な和人に立ち向かい、かつて同胞を率い蜂起を促した英雄ツキノエ。

 その血統を受け継ぐ孫のハルナフリは、酒とタバコの魔力に冒され、傷つき、尊厳すら忘れてしまった同胞たちを救い、英雄譚を歌うことができるのか。

 私も物書きの端くれ。

 船戸氏が行った綿密な取材と、彼の机回りに散らばった膨大な資料が目の前に浮かぶ。

 【蝦夷地別件】はただいま332ページ目。

 明日、出張で京都へ向かう。車窓から富士を眺めつつ、極上の時代物を愉しみたい。

 船戸与一氏の早出を惜しむ。

 彼の類いまれな才能と身を削った研鑽に、合掌。





【プライドを一皮むいて空の鯉】哲露


【春の研究会】

 そして、昨日はお昼から中野で同人【季節風】の勉強会。

 今年の春の研究会は、紙数制限5枚の小説が題材。

 作者を伏せた覆面合評は、辛辣で刺激的で、遠慮会釈ない言葉の応酬。

 作者が名乗り出たときの、どよめきと発言者の対応の変化も興味深かった。

 だから思う。

 作品が届き、すべてを一読したあとに感じた徒労と落胆は傲慢でしかなかった。

 様々な成功と失敗、厚情と裏切りを繰り返し、いつしか謙虚でいることの大切さを学び、強く望むようになった。

 それでも、私という人格は日々を突き進むなかで、活力を得る一方、幼稚な自尊も持ってしまうらしい。

 ジェイン、オースティンの名作【PRIDE AND PREJUDICE(高慢と偏見)】を想う。

 こちらも18世紀末のイギリスが舞台。

 20代に買った河出文庫は、30代で風呂に浸かり繰り返し読んだせいで、クタクタになってしまった。

 1940年にはローレンスオリビエ版、2005年にも華麗な衣装と映像美で映画化された記憶が新しい。

 主演したエリザベスベネット役のキーラナイトレイは、この作品でアカデミー主演女優賞にノミネート。

 限りなくスノッブで、かと思うと触れるのが怖いほどか弱くて、その対比の危うくも絶妙な表情が、遠い異国のヒトなれどかっこよくて、惚れてしまう。

 【パーレーツオブカリビアン】のエリザベススワンよりも、はまり役だった印象がある。

 二度、三度と観ても飽きない。

 キーラといえば、2003年の【ベッカムに恋して】は意外にもよかった。

  フィッツウィリアム・ダーシー を演じたマシューマクファディンも、貴族の気品と強気な女性に臆する男の戸惑いを巧く演じていて好感が持てた。

 ノブレスオブリージュ(noblesse oblige)の精神を、体現してみせることができる俳優だ。

 この不巧の名作は、数々の舞台で上演され、韓国のドラマにもなっている。

 謙虚でい続けることが、自らと周りの幸せと気付きながら冒してしまう愚か。

 高慢を、自負とも、自尊とも訳す。

 中野の居酒屋で議論した。

 合評でよく問われる質問。

 この作品で書きたかったことは何? 

 書きたいことを一言で言えないから、小説を書くんじゃないか、と僕は答える。

 それではダメだ、と作家は言う。

 書きたいことを一言で言えないのは、メッセージ力が弱いというのだ。

 じゃあさ、○○○で言いたかったことって一言で言える? と意地悪な質問をぶつけてみた。

 それは………。 しばしの間があり、

 オトナに対する怒りだ! と作家は言い放った。

 潔いその発声に心が動かされた。

 己の不埒を突かれた。

 なるほど、一理ある。一理あるどころが、たしかにそれこそ僕に欠けているモノなんじゃないか。

 自分の驕りをつくづく思い知らされ、謙虚さを維持する難しさを改めて感じた。

 その姿を見て、また叱咤される。

 一言で言えないから書いている、それが海光さんの信条ならそれを貫くべきだ、と作家は言う。

 要は信念を曲げるなということらしい。

 まぁ、シノコノイワズ、書きたいことを書けばいいのだ。

 その書きたいことのシンプルが案外難しいのだが、こう言っているうちは小説家として浮かばないのだろう。

 なんて言ってたら、また叱られそうだわ。

 あんな失礼な物言いに対し、Mさん、真摯に向き合ってくれてありがとう。

 再び謙虚になり、同人の叱咤激励とひたむきと真剣に目を見開き、強いメッセージを胸に白紙のマス目に向かおう。


 
  幻のペヤングポテトやきそば


 
企業としての存続をかけたあの会社も、謙虚に再出発するという。

 SNSの拡散には驚嘆する。賛否両論はあろうが、それが現代の常ならば、仕方あるまい。

 問題が発覚する前に仕入れた栃木版のペヤングでもつついて、瞑想沈思しよう。

 揚子江菜館も庶民のB級も、どちらもヒトの営みには欠かせないのだから。

 言いたいことを言い合える仲間がいるって、ありがたい
 

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酒と馬の日々♪

2015年04月18日 | 呑み屋探訪(九段下、飯田橋、神保町界隈)



 初夏の陽光に、爽やかな風が渡り、眩しいほどの蒼い空が広がる

 卯月に入り、陰鬱な冬を彷彿とさせる冷たい雨が続いた。

 やっと爽快な週末の朝を迎えられ、気分がすこぶるよろしいのだ。

 6時に起きて、Go RUNNING!
 



 調子に乗って、佃島なう。

 ヤマザクラが町のあちこちで艶やかだ。

 佃煮の天安と。




【匂い立つ厩を駆けて磯遊び】哲露


 住吉神社そばの公園で、今年初の鯉のぼりを発見した。

 青空の海に泳ぐコイがのんびりと気持ち良さそうだ。

 その横で、裸足で池に入り、アメンボーを追いかける少年たちが3人。

 昭和の原風景が、佃島に似合うね。

 書を棄てよ、町へ出よう! 

 少年よ、ゲームを捨てよ、池を走ろう!



 6年ぶりに外回りに戻り、変わり果てた町に驚くことがつづく。

 ここ、飯田橋もそう。

 外濠通りの土手を歩くと巨大なビルが出現した。

 その名もサクラテラス!

 染井吉野は散ったが、テラスの前には見事なフゲンソウが花吹雪を降らしている。



 金曜日、穏やかで人のいい印刷会社の営業マンNと後輩Kと飲る。

 高見からの夜の幻想は男だけではもったいないほど素敵だ。

 夜景にはラガーの滴が似合うのだ。

 


 博多のやまやの店だから、いわしの明太子詰め、一口餃子やら、明太子ポテトサラダと郷土料理が自慢。

 このイワシ、脂が乗り、皮が香ばしい。それを明太子がピリリとしめる。

 芋焼酎にいく前に、やっぱり日本酒が欲しくなる。





 噛むほどに甘い馬刺の脂は、芋のロックで舌を洗う。

 生姜か、生ニンニクか、薬味に迷うわ。

 しっとりとした肉感は目で誘い、胃を酔わす。

 何枚でもイケる味。

 生肉で命を大切にいただく。



 〆はもつ鍋!

 ニラとキャベツ、ささがきがたっぷりと入るヘルシーな醤油ベース。

 新橋のもつ鍋の常連だが、このモツはそれに劣らない逸品だった。

 チャンポン麺を投入すると、いよいよ箸が止まらない。

 麺、スープ、芋ロック!この連鎖が永遠に続くのだ。

 破壊力抜群のシャベルカーの如き後輩の旺盛に触発され、巨大な明太子おにぎりも平らげてしまう。

 彼の食いっぷりを見て、日頃の活力とバイタリティを想った。

 食欲は、生そのものだ。

 下っ腹、横っ腹の脂肪なんて糞食らえ!

 食えなくなったら、生き物は死ぬときだ。

 女と食を書けたら、小説家として一級だ、

 とは私淑する開高健が井伏鱒二から言われた格言だったか。



 今日はその脂肪を燃やすため、19kmのロングラン。

 RunKeeperアプリによると、消費エネルギーは、1,458カロリー。 

 地元に戻ると、白い幟がはためいている。

 ああ、今日は流鏑馬だった。

 鎌倉の小笠原流を見物に、午後の隅田公園はヒトで埋め尽くされるわ。




 武将が乗るお馬さんが、朝飯を食らっている。

 その上を赤城山へ向けて、両毛号がとおる。 

 海藻から採れる発酵飼料で育てる豚肉やら、インバウンド事業、webメディア、Eコマース、果てはハラール事業と、洪水のようにお勉強が山積み。 

 内勤という幽閉の身から解放され、町へ出、ヒトに会い、話しが尽きない。

 動くほどにご縁の連鎖がつながる。

 元来の自分の持っていた活発細胞がぺきぺきと音を立て動き出す。

 そんなこともあり、しばらく、執筆から遠ざかっている。

 来週は、同人たちと春の研究会。

 先輩へ小説を送った。

 過去より未来。

 新作を書かねば。

 長男は嬉々として新入した大学へ通う。

 テレビはブラウン管から液晶へ切り替えた。

 ひとつ一つやるべきことを片付けている。

 皐月は三社祭、

 サザンのLIVEも待っている。

 大好きな季節はもうすぐ。

 やるしかない


  

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へぎ蕎麦と本の話し。

2015年04月12日 | 呑み屋探訪(新宿、四ッ谷界隈)



 日曜日、ようやっと青い空が広がった

 花冷えも行き過ぎるとカラダの調子が狂うわね。

 久しぶりに山登りのサークル【ローゼンピークス】の集い。

 蕎麦好き、酒好き、本好きの同好の氏二人と酒を酌む。

 おっと山が好きってのも忘れちゃなんねえ。

 集まったこの日は、真冬に戻ったかのような寒冷え。

 けだし、店内はあったかいので、まずは赤星ね。




 イカの丸焼き、メバルの煮付けにいたると燗酒が欲しくなる。

 北陸のコアな地域の酒が揃っている。

 安い順に頼んでいく。

 イカは甘く、煮付けは出汁が沁みている。

 ミョウガや薬味がふんだんに盛られているのが嬉しい。

 ホタテは肝臓に利くし、しっとりとしたシメ鯖が舌を刺激して、北の辛口が進む。





 大陸では御法度という、政治の話し、原発の話し。

 田口ランディさんのダイアローグに参加した話しをしたらこっち方面に。

 彼女の真摯で、率直で、素人にも伝わりやすい言葉は、さすが第一線を走ってきた作家だと思わせられた。

 そんな話しから本の話題に転換。

 好きモノ同士の会話は尽きない。



 それぞれが自慢気に薦める本を、聞いているのが耳に心地よい。

 なべさんからは、笹本稜平【春を背負って】船戸与一の【蝦夷地別件】を薦められた。

 さすが山家さん。

 千姫からは、宮部みゆき【ソロモンの偽証】を推される。

 私は西加奈子【円卓】、島田雅彦【ニッチを探して】。

 物書きではない、読書愛好家の話しも面白いし、参考になるね。

 早速図書館で借りてきた。

 自分では選ばないだろう本を手にするものいいもんだ。

 ソロモンは分厚いから、気合いの入った時に読むつもり。




【本好きが肴をつつき水温む】哲露


 新潟の銘店に来たら、やっぱ〆はへぎそばだ。

 海藻の香りが瑞々しい蕎麦切りに詰まっている。

 コシがあるのがいい。

 いつからか、〆のラーメンがキツくなった。

 みんなも同じ世代だから、そばがいいと言っている。

 でも、なべさんはまだまだラーメンもいけるらしい。

 カラダは老成していく一方だが、指が動き空想力が働くうちに少しはマシなモノを書いてみたい
 

  

◇新宿三丁目【ぼんや】
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13006786/
  

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チンチン電車の小さな旅

2015年04月05日 | ★全国蕎麦屋飲み好き連★




【君の肩こぼるる花の一二片】 優女 天賞


 4月初っ端の土曜日。

 わが全そ連恒例の花見の句会でござんす

 起きたてに隅田川をRUN♪ 桜の花をチェックする。

 きっとこの週末が見納め。

 築山にユリカモメが舞う。

 大川の桜の空はいつでも美しい。


 


【すみだがわ流れる色は散る桜】瑞芭蕉 


 ここリバーセンター脇でも桜祭りが開催されている。

 日曜は水前寺清子さんがゲスト。

 隅田の両岸では、町会が露店を出している。

 たこ焼き、焼きそば、焼き鳥、モツ煮、安いおつまみが充実。

 これじゃ花見客もひっきりなしだわ。





 この日は、都電荒川線のちい散歩。

 一日乗車券を購入すると、乗り放題で400円なり。

 こりゃお安いバカンス。 

 下町の旅は、お財布にも優しい。






【春うらら仲間とうたげ楽しいな】 和女 会長賞
 

 始発は三ノ輪橋。

 妙齢のカメラ小僧の集団がシャッターを切る。 

 プロ顔負けの機材が凄い。 

 駅には懐かしの看板が望郷を誘う。

 さぁ、みんなの待つ飛鳥山へ、元気ハツラツ!レッツらゴー!





【チンチンと汽笛が通る花の道】 哲露 人賞


 心地よい汽笛が鳴る。

 小さいな家々の間を、右へ左へ都電が縫っていく。

 チンチン♪ チンチン♪

 ちっちゃい頃、これ、鳴らしたかったのよ。

 25分ほどで王子駅。

 飛鳥山は目と鼻の先。

 駅前の東急ストアでツマミと酒を買い入れる。ケーブルカーなど乗らず、天頂を目指す。




 山を登り顔を上げれば、桜の絵が広がる。

 恵比寿のヒト、ラガーのヒト、ブラックニッカのヒトもそろって乾杯!

 北の風を避けて、山の裏へ。

 吉宗公も慈しんだ花を愛でて廻る。

 散る淡い花びらが行く手に流れてゆく。

 北島サブちゃんもビックリの、花吹雪は生と死のコントラストを演出している。

 たった一週間の花の命。

 この世の無常観がたっぷり。 


【行く春を告ぐるが如き花筏】 酔徹 幹事長賞




 
 あちこち小さな山の起伏が、古来からの名勝を贅にみちびく。

 太閤の愛でた西の山桜の賑わいを彷彿とさせる造り。

 武士たちのみた壮観を、目を閉じ、想像してみるのも一興だ。

 紙の博物館の隣に、渋沢栄一展もやっている。

 優女さん曰く、深谷のヒトだという。

 へえ、毎度才女の博学から知ること多し。

 お勉強になりやす。




 ヒトも車も行き交う街中に、やはり都電は似合う。

 幼い頃、仁丹塔の安全地帯に立ち、父に手を引かれて乗車した記憶が蘇る。 

 チンチン♪ チンチン♪

 車両の貸し切りが、たった13,820円なり。

 安くないすか。

 いつか仲間で、貸し切り宴会。

 やってみたいわ。


 

 飛鳥山から乗り込み、癒しの行楽地へ。

 荒川遊園地への道も、桜並木がつづく。

 モヤモヤサマーズばりのノリで、流れるプールを見ている、盥のようなボートがぷっかぷか。

 それはフーラフラと不安定そのもの。だが、女の子たちは無邪気で楽し気。

 春になっても、水はまだ冷たいだろう。

 懸命なうちらオトナは、誰もチャンレジしなかった。

 若くないのね。




 
 園内も桜がいっぱい。

 200円の入場料で、じつにのんびりできるのだ。

 ここで同期組が合流し、総勢11名で豪快に乾杯!

 持ち寄ったつまみがテーブルに並ぶ。

 たちまち園内の一角が、和みの空間に。





【絨毯の如し河面の桜帯】 鶴輪 地賞 


 敷き詰めた薄紅は迫力があるわ。

 生け簀への流れそのものが淡いピンクに染まっている。

 まさにサクラの絨毯。

 やはりこの花は散り際がうつくしい。

 いつの日か、私もこんな散り様が出来ようか。





 いい歳したオトナがハシャグのが素敵じゃないか。

 カップル、薔薇族、いろんな組み合わせで観覧車は廻る。

 振り向いた鶴ちゃんの不安げな顔。

 いってらっさいまし。


【しゃぼん玉陽光の花集めけり】黒い編隊





 空中の花見とはお洒落やね。

 隅田の支流を花筏が永遠の帯をひく。

 この高さだから楽しめる景色もある。

 ジェットコースター、作るも乗るもあっしにはまったく意味がわからん。

 ああ、でも、おいら、観覧車は好きやで。 


【春の日に荒川ゆうえんよかったね】 75歳紳士


 
 ブラタモリっぽい?

 男の子はいつだって、鉄道模型に夢中。

 女子はまったく興味なし。

 これが男女の意識の差。

 だからこの世は面白い。 





 ふたたび、三ノ輪橋まで戻り、青木屋で千住名物を薦める。

 揚げたてのコロッケパンは、コロッケが二つは入る青春の味。

 少年たちはぺろっと食べてしまうが、おじさんたちは持て余している。

 モヤモヤの小さな旅。

 このあと、ふるさと資料館で、荒川区の歴史をお勉強。

 ここ千住は松尾芭蕉の奥の細道の出立の地。

 宿場町もあったかつても賑わい、息遣いを感じることができる。

 たった100円の学びは、オススメ!


【桜餅お茶の香りのほほんと】 30代歌姫





 
 もう一度、都電荒川線に乗って、東尾久三丁目まで。

 ローカルの手打ち蕎麦屋【実】に寄る。

 馬刺、胡瓜とミョウガ和え、糠漬け、マスターの差し入れイカの薫製の天ぷら、浅蜊蒸し、鳥わさ。。

 ビールに、ぬる燗に、トマト酎ハイが飛ぶようにすすむ。

 酔う前にと、すかさず、用紙を配る。
 




【呑み干せば酒の肴か花一輪】 草露


 総勢11名による、春の句会。

 桜にちなんだ、有田焼を用意する。

 俳句などまるで浮かばない。

 燗酒をあおり、今日一日を憶う。

 みんなの句作を転写していく。

 クスッとしてしまう素直な句。

 さーて、発表!

 個性溢れる句が並ぶ。

 玄人、素人、選者も同じだからオモロイのだ。

 気になる結果は!? 

 おっと、ビックリ!

 意外なことに、人賞をいただいた。

 その日その場を詠む。それしか考えずに投じた。

 発句の要諦はまさにこれなんだな。

 同期も会長賞を取った。

 また一つ、素敵な思い出。

 仲間がいるってえのは、ありがてえ。





 マスターの手打ちのセイロ。

 ボリューム感もあり、歯ごたえもしかり、汁の辛さもほどよい舌触りだ。

 山葵も本物。

 いい店を発見したわ。

 店の外までお見送りしてもらう。

 マスター、女将さん、美味しい蕎麦を、ごちそうさん。




 
 75歳の俳人が連れてってくれる、怪しいスナック【みっちゃん】。

 船長さんと淡路恵子ばりのママがいい味出している。

 焼酎のみがお約束。それで、1500円の飲み放題歌い放題。

 さすが、町屋は侮れないわ。

 地元の先輩方に感謝。


【流れゆく新し出会い花いかだ】恭花


 今年も愉しい花宴でござった。

 全そ連の仲間たち、地元の同期組の仲間たち。

 優女さん、初の天賞おめでとう!

 鶴ちゃん、あの盃は羨ましいぜえ。

 帰りはチンチンの終電。

 たくさんのご参加と笑顔に、多謝!

 皆さん、お疲れさま
 
 

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