週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

思わぬ食い道楽の旅。

2017年03月26日 | ★江戸っ子エッセイ★




【肩並べ観覧車みて春感ず】哲露


 大阪淀屋橋で仕事を終え、チェックイン。

 梅田の阪急前でローカルの友人と待ち合わせた。

 予約を済ませていた熟成肉とイタリアンの店【ボノ】へ。

 飲み放題なので、まずはカールスバーグを。

 イタ飯の前菜って好きだ。







 生ハムのサラダに、インカのめざめ。

 どちらもスパークリングによく合う。

 お互い、アラフィフ。

 仕事終え、やや疲れ気味なので、話題もスローペース。

 だが、アルコールの消費ととも、徐々に元気を取り戻す。錯覚か!?






 カラスミのボンゴレが来たあたりで、あっしのお腹は満たされつつある。

 そこへ登場した、熟成肉。

 周りの人もよく食べること。

 みんな胃袋が大きいのね。

 男同士の話。

 悩みを相談されたが、同じような経験で返す。

 学生の友達ってこういうもの。







 ここに来て、話も盛り上がって来た。

 普段は会えない分、このまま別れがたくプラプラと。

 あっしはバーでいい気分だが、彼はまだ食えるとのこと。

 むしろお腹が空いたと。

 さすが年に何度もフルマラソンを走る男。

 そこで、アーケード街で見かけた看板に釣られ、ラーメン【2国】へ入る。

 彼だけ豚骨醤油ラーメンなどすすり、しっかりと炒飯まで食べ、わしは餃子を少しつまんでビールを飲んだ。

 それにしても、たいしたもんだ。

 酒飲みであり、健啖家である師匠を思い出す。

 この街で、戦時下、飢えを忍んだ体験が彼をそうさせたと思っている。

 友よ、仕事の帰り、おおきに。





 思わぬ、食い道楽の旅となった。

 この職業について、美味しいもん食べてんでしょとはよく言われる。

 こんな写真をアップしているとまさにその通りかも、と思う。

 なので、普段は質素におにぎりなどでランチをしてる。

 明日の朝は、京都へ。

 出張の旅はまだ続く。

  


ひつまぶし

2017年03月20日 | 呑み屋探訪(房総)




【春風に誘われうなぎ出汁のなか】哲露


 名古屋に出張した。

 テレビ塔の見える広場が気持ちいい。 

 花粉さえなければ、最高なのに。





 名古屋駅に、こんな看板。

 わが編集部がやっているシェフを使った仕掛けがここでも。

 どこもかしこもなりふり構わず。

 ひと昔前の媒体や広告はプライドと気概があった。

 はてさて。





 名古屋といえば、味噌煮込み、きしめん、味噌カツ、喫茶店のサービス。

 そして、あんかけスパだ。

 ここでも、おもろいメニューがずらり。






 シェフがオススメしていたひつまぶしの名店”しら河”へ。

 焼いて蒸す関東とは真逆の、外がカリッと、香ばしい鰻。

 あたしゃ、これが好きなんよ。





 一杯目はおひつをかき回してそのまんま。

 二杯目は、ご覧の通り、わさびと九条ネギ、ノリをかけて。

 ビールが欲しいが、まだ仕事が残っているので我慢。





 三杯目は、同じく薬味に、出汁をかけて茶漬け風にいただく。

 隣の地元とおぼしきおっさんが、鰻巻きを突く女性に話しかけていた。

 ひつまぶしの店は数あれど、この店を選んで正解よ、お姉ちゃんたち。

 微妙な口説き文句を肴に、ゆっくりと茶を飲んだ。

 栄町に降りたのは何年ぶりだろう。

 旅先のうまいもん。

 これぞ旅の醍醐味ですな。

 のぞみに飛び乗って、いざ大阪淀屋橋へ。 


  


レイパーカーJrを聴いて、メロウな夜

2017年03月12日 | ★江戸っ子エッセイ★




【悲しみも笑顔も聞きし花は咲く】哲露


 春めいてきたある夜。

 後輩の計らいでビルボード東京のLIVEにありつけた。

 「Woman Needs Love」がかかると、あの頃の匂いが蘇る。

 ディスコと呼ばれた箱が楽しかったあの時代。

 街の空気は、煌びやかで、穏やかで、優しい驕りの時代。 

 「ゴーストバスターズ」がかかると、厳格な家庭に育ち常に表情の硬かった友人が笑ったことを強く思い出す。 





 演奏が始まってから終始にこやかで、ユーモア溢れるレイ。

 バンドのメンバーもみんなイカす大人たちだ。

 客層はまた渋い紳士淑女たち。

 仕事帰りに、こうした楽しみを享受できる平和を想う。




 


 6年前。

 こんなことがあった。

 紙面からありえない戦慄が伝わってくる。

 あれから寄付と偽善、絆と分断、嘘と真実がせめぎ合う。

 そして、人々はいつの間にか日常に流され、見て見ぬ振りの無関心がはびこる。

 福島や被災地だけでなく、自分の日常と直結する政治にも無関心になりつつある。

 「慣らされる」、この真の怖ろしさを、欧米、中東、アジア、日本の現状を横目にひしひしと感じる。





 6年前には完成していなかったツリーに、人々は群がる。

 あの日も、花は咲いていた。





 目に見えないのは放射能だけでなく、慣らされて無関心になっていく無機質な心だ。

 何を知ろうとし、何を考えるか。

 行動より先にすることは山ほどある。

 現代は本当にメロウな夜を迎えているのか。

 現実を直視せよ。

 そう自分に問いかけ、今宵もまた酒精をすする。

 合掌。 


【連載】異国を旅して -韓国篇3(仁寺洞)-

2017年03月05日 | 【連載】異国を旅して






【賑わいの街を冷やかし汁に酔う】哲露


 前回、世界遺産の続き。

 昌徳宮から街まで歩く。

 鍾路仁寺洞。

 昼夜問わず、観光客に人気のスポットとのこと。

 若い人や外国人も多い。






 たくさんのお土産が売られている。

 装いは日本のそれと同じだが、韓国らしい装飾に目を奪われて面白い。

 定番のもの、縁起もの、アレヤコレヤ。





 話題の尽きない、あの人も。

 何を言いたいのか。

 観光の街にこんな風刺が置かれているのが現世韓国事情。






 明洞とはまた違う雰囲気。

 だが、ハングル文字を見ていると不思議な既視感に囚われる。

 ああ、異国を歩いているんだなという素朴で平和な幸せ。






 ツレのM嬢がサクサクと、とある路地を入る。

 知らないとわからん道。





 今、ソウルでも新しい食スポットとのこと。

 看板もソコソコに、こりゃ知らんと入れんわ。

 観光で来ていたら、まず通り過ぎる店。





 その二階へ上がる。

 ソウルのおばちゃんたち次々と入ってくる。

 目当ては・・・。





 昼から微炭酸のマッコリを。

 ヤカンから注ぐのが正統派らしい。

 わしらも地元民のつもりで頼む。

 もっともM嬢は、すでに在住で言葉もローカルだから手馴れたもの。





 とにかく、酒と料理を注文すると、キムチやら野菜の付け合わせが無料。

 飲んべには、まっこと嬉しいサービスだ。

 発泡マッコリのうまいこと。

 昼酒バンザイである。

 そして、ここの目玉がなんと味噌汁かけご飯。

 味噌がけが店で供されるなんて、信じられないでしょ?





 ところがこれが美味いのよ。

 十穀米っぽい米に、無造作に豆腐の辛い味噌汁をかけていく。

 熟成された味噌と甘味を含んだ唐辛子、青い野菜もたっぷりと入れる。

 想像より汁っぽくなく、 なんだかマッコリに合うんだ。

 どっか懐かしく、未体験のグルメ。

 ピリッとした汁飯、マッコリ、辛い野菜飯、マッコリ。

 このエンドレスのループは最強だ。

 これ、ハマった。






 仁寺洞は観光の街。

 だけど、こんな飯屋があるのがソウルの魅力。

 未体験ゾーンの連続。

 案内人に感謝。

 酒付きのお昼も済ませ、次なるスポットへ。

 韓国の旅、まだまだ続きまっせ。