週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

三線と琉球笛の夕べ。

2013年12月31日 | 呑み屋探訪(日暮里、根津界隈)


                   三線と琉球笛

 「琉球の調べにほこり泡と消え」 哲露

 

  大兄たちとふたたび日暮しの里へ

 石垣島出身のあさとさんの快復を待って、満を持しての再訪だ。

 冬の旬を喰らうため、日暮里駅を谷中銀座へ向かう。

 

 日暮里のメジャー、川むらに入る。

 一年分の労を、辛口の酒と牡蠣で癒そうということだ。


                きのこの煮こごり


       クレソンの胡麻和え

 
            ウニ入り玉子焼き


             アナゴの天婦羅

 呑んべの好みで頼む、煮こごり、クレソン、穴子、玉子焼きの数々。

 丁寧な仕事に、有名店の気概を感じる。

 大兄たちの豊穣なる薀蓄が耳に響き、旭川の純米が舌に優しくのる。

   


 旭川の木綿屋。

 豆腐のような名だが、べたつかず、媚びず、件のお燗が次々と空いてゆく。

 年の瀬には、燗酒が合う。


         名物牡蠣そば

 
 川むらの牡蠣。

 私のココロに浮かぶ冬の風物詩の一つだ。

 片栗を塗しソテーした牡蠣が、プリッと口に滑る。

 皮を含む磨かれた蕎麦は、喉越しと香りが秀逸。

 「ウッ! 冷てぇ!」

 呑み始めた矢先、お隣のビールがかかった。

 上着とズボンに冷えたアルコールが臭う。

 料理の手際が鮮やかな分、給仕の姐さんの至らなさに、がっかりだ。

 有名店ゆえの慢心か、接客の落ち度に唖然とした。

 会計、帰りにもひと言もなかった。

 至極残念なことだ。




 納めの日だ。

 悪霊を祓うべく初音小路で口直し。

 この一角だけ、映画のセットのようでしょ?



 馴染みのあさとさんへ。

 ご近所だから蕎麦屋で先客の出るのを待ってお邪魔する。

 狭い店に入った瞬間、南風を顔に浴びた。

 ただいまッ!




 
 石垣島から空輸した甕の古酒(クース)をたのむ。

 40度の酒精が、疲弊したココロに沁みてゆく。

 右手のビジョンに映る透明な海水が、わが手の小さなグラスに溶け込んてゆく。




 揚げ出し豆腐、甘めのロースとビーフ、南瓜がつまみだ。

 女将の顔に帯状発疹の痕が生々しい。

 揚げ出しを口にいれる。

 あさとさんの真心がこもっていた。

 おばあが元気になってよかったよ。




 私の本名と同じK氏は6年、三線を習っているという。

 歌声と音曲が南の島の憂愁をさそう。

 雰囲気のある美喉が聴こえる。

 新潟産の雪肌、S嬢だ。

 草露さんの再三のリクエストに、K氏、S嬢が応えてくれる。

 南国の音が溢れる空間に身をゆだねていると、ぐったりと萎えた魂が鼓舞された。

 琉球の生演奏のなか、敬愛する大兄たちとの他愛ない寛ぎの時間。

 なんと贅沢な年の瀬だろう。



 トラブル続きの師走だが、どうにか年内に書店の棚に並んだ。

 そして、翌日兄弟誌がまたもやのトラブル。

 すべてが店仕舞いした日曜日の深夜まで輪転機が回る。

 なんとも忙しかった、仕事に呪われた師走がようやく終えようとしている。

 

 みなさん、一年間のご愛読、どうもありがとうございました。

 昨夜、久しぶりに再会したいとこが独立して幸先のいいスタートを切ったようだ。

 長男の受験の受難はつづくが、

 新年こそはと、創作の実り多きことを祈る。

 みなさんも、実り多きよいお年をお迎えあれ。

 2014年もどうぞよろしくお願いいたします

 
  

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お医者さんの作家。

2013年12月30日 | ☆文学のこと☆


       紙芝居「たべられないよアレルギー」
   脚本:井嶋敦子 絵:鈴木幸枝 制作:童心社


 同人にお医者さまがいる

 医者の作家というと、森鴎外から始まって、渡辺淳一、最近では海堂尊と思い浮かぶのではないだろうか。

 秋田で小児科医をしている才女は、とても温厚で品があり、秋の合宿時には高級ワインと玉のように滑らかな純米酒を差し入れしてくれるお金持ちでもある。

 その井嶋さん、新聞連載など活躍が続いていたと思ったら、なんと紙芝居で単著デビュー!

 子供たちに優しく接する井嶋さんならではの文壇登場だ。

 

 紙芝居の裏には、読み聞かせができるように脚本が印刷されている。

 そこには、病気のことや薬のことまで解説してある。 

 お医者の作家の本領発揮だなと、感服するばかり。

 届いた日に、中学生の二男に読んであげた。

 すると、自分のが上手いとばかり、反対に読んでくれた。読み聞かせ合戦を数度繰り返して思ったのは、紙の絵本が持つ力である。

 セリフに抑揚をつけたり、救急車の音に臨場感を持たせたり、話術をあれこれ駆使するのが楽しい! 

 スマホも電子ブックも便利は否めないが、紙の手触りにひとの温もりを感じるのは、昭和のおっさんだからだろうか。

 懐かしの紙芝居、おそるべし。。



         「ぼくたちの勇気」 
  編著:漆原智良 絵:進藤かおる

 
 もう一冊、作品を紹介する。

 巻頭を飾るのが、井嶋さんの「はじめての握手」。

 こちらも紙芝居同様、お医者さんならではの視点で描かれている。

 大先輩の漆原先生との共著だ。

 心といのちを守る5つの童話。

 控え室などに置かれていたら、自然と子供たちが手に取るんじゃないかな。 

 大切なものを子供たちに伝えるには、うってつけのシリーズ。

 児童文学って奥が深いんだな。

 井嶋さん、単著デビュー、おめでとうございます! 

 さて、紙芝居。

 今度は誰に読み聞かせしようかな

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男ども肉喰らう!

2013年12月22日 | 呑み屋探訪(日暮里、根津界隈)


           牛様と豚様の肉の部位の図

 たまには肉でもと、兄貴たちと日暮しの里へゆく

 戦後都内初めてのホルモン屋と云われる店に再訪なのだ。

 三河島の本店でなく、息子さんのほう。

 そう、山田屋だ!!

 大先輩の編集長、敬愛する大兄ふたりと年忘れの呑み会。

 おっさんたちの精神と肉体こそ、肉が欲している。


                  チャンジャ


 ご覧のチャンジャで、まずは瓶ビールで乾杯!

 今年も頑張ったね。優男たちはお互いを労うことを忘れない。

 これさえあればもはや何もいらないくらい大好きなツマミなのだ。

 コリッとした感触が脳髄を刺激してくれる。


                 ガツ刺し

 続いて、なんちゃってエンガワと若旦那が命名したガツの刺身。

 歯ごたえ抜群の内臓とサクッとした胡瓜の食感がマッコリを誘う。

 
                 自家製マッコリ

 安い焼肉屋にありがちな甘いのは苦手だ。

 ここのは酸味が効いて、内臓や肉との相性がバッチリ。

 おいらは一杯、兄貴たちはお替りを。

 洗練されたマッコリはあくまでも滑らかだ。


                    チレ
 
 絶妙な弾力で魅了するのは、チレという部位。

 博覧強記の頭脳を持つ博乱兄の大好物とな。

 いつか本店の親方に、「15分以内に食べて」と出された。

 その刺し身の見栄えにはビビッた。

 あれももうひと昔前のこと。隔世の感とはこのことか。

 焼き用のチレを頼む。コリコリ、ハムハムッと箸が止まらない。


                 チレの刺し身
 
 結局刺し身も発注した。

 だって、兄貴の大好物。

 コチジャンが絡まったチレもまた美味なり。

 生肉が苦手の草露大兄は、贅沢に焼いて食している。

 これはこれでイケるんでないかい。


                    ハラミ


 「生を食い柚子湯に浸かる男坂」 海光

 角切りのカルビとハラミは天然塩でいただく。

 旨い肉は、塩に限るのだ。

 並と頼めば、ここのは他店の上クラス以上の味。

 やっぱ肉は山田屋だな。


                  ホルモン

 兄貴に聞く?

 やっぱり、ホルモンは小腸より、大腸とな。



 このゼラチンを纏った甘みと旨味の腸が、ホルモン屋の真骨頂だろう。

 ジンロのレモン割で焼立ての逸品を流し込む。

 枯れた男たちに、腸の脂が沁み込んでゆく。

 これで皺も伸びるというもの。

 コラーゲンたっぷり、牛テールのコムタンを頼むが、残念なことに売り切れ。

 人生の素敵な時間はあっという間に過ぎ行く。


            Bar 順子

 谷中の石垣島の店に電話すると、なんとママは帯状発疹だった。

 お大事に、と断って、あそこへ行くか。

 ひと駅戻って、鶯の谷間へ。

 ノンベ横丁ならぬ風情のある一角に、絶品おでんと黒霧島甕のある店がある。

 順子ママのとこだ。


                    おでん鍋

 このお店。

 なんとおでんが食べ放題。

 沁みた大根やちくわぶの鰹醤油が口内に広がっていく。

 褐色の玉子も三人とも食して、黒霧島のお湯をグビリ。

 至福のときが訪れた。

 北海の湖で獲れた牡蠣というのが気になり頼んだ。

 順子ママ「ごめんね、このお客さんで最後なの」

 粋な客人「どうぞ、お一つずつ」

 こうした路地裏の酔客は、仙人の如くココロが広いのだ。

 湖のミルクがするりと溢れて出る。

 また、黒霧島が進んでしまうでないかい。

  


 猫の多いのも下町の特徴。

 谷中坂には、休日カメラ片手の女子や外国人も多数訪れる。

 博乱兄は元中央公論の論客。

 

 鶯谷から寛永寺の墓を横切って中学校まで通った。

 先に紹介した同期の安原監督の家も近い。

 偶然かご縁か、安原さんの親父さんのことが書かれた本を手に入れた。

 村松友視さんのいた中央公論の「海」編集部へ入ってからのヤスケンこと、安原さんのための本だ。

 同期の眞琴さんが誕生したときのことも書いてある。

 博乱兄貴はヤスケンさんと職場が重なっていたこともあったそうな。

 当時ヤスケンさんが編集長をしていた「マリ・クレール」は絶好調。

 様々なご縁に恵まれて、嬉し羨まし、大いに刺激を吸収する。

 今週は、長い版元経験の中で、初めての配本落ちを経験。

 付録のデザイン、質感、ブランドは自信あれど、海を越えなければ仕方あるまい。

 大陸任せの現状への問題提起、新年はその辺りから改革をしよう。

 年内に仕上げたかった小説は取っ掛かりのまま止まっている。

 ちょっぴり落ち込んでたが、子供たちに少しずつ元気をもらう。

 明日は書きたいな。

 冬至に柚子湯。

 昔ながらの風習に倣って、今宵も酔う

 

 
 

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柴又吟行(参道~本所吾妻橋)

2013年12月07日 | ★全国蕎麦屋飲み好き連★

  

         矢切りの渡し


「あぜを行くわだちでよれて秋の道」 海光 (人)


 前篇のつづき

 畦道を東へ、ふたたび渡しに乗ってエッチラオッチラ。

 長閑な昼下がりでござる。



 

 句会の賞品を、この日は現地でご調達。

 お腹の空いた面々は気持ちのままに、高級漬物やらお煎餅やら買い込んだ。

 おばちゃんとの掛け合い。

 散々試食を摘んで、みんなでやいのやいのと、参道店を冷やかすのもまた楽しい。
 





 目当ての蕎麦屋、やぶ忠にご到着。

 目抜き通りにありながら、良心的に旨いそばを食わしてくれる。

 前回に来た時に食べたうどんも本格的な手打ちの本物なのだ。 

 冷えたエビスが嬉しい。

 大人の遠足に、かんぱい! 
 

  
       寅さんのポスター





 囲炉裏端のテーブルに座れた。

 ぐるりと顔を揃えて、自家製の刺身コンニャクをつるり。氷にのった薄切りが絶妙の喉越し。

 野趣たっぷりの葱が効いたソバ味噌に燗酒がすすむ。

 柴又揚げはぷりぷりと歯ごたえがたまらない。

 酒飲みの頬が緩むツマミが庶民価格なのが嬉しいね。
 


 天麩羅も素材を活かした職人技が光る。

 塩でもよし、醤油でもよし。

 新鮮な油で揚げた証拠なり。


 

「河越えてのどの渇きに蕎麦湯かな」 草露

 

 そして、お待ちかねの手打ちである。

 香り豊かな新蕎麦を味わえる贅沢は晩秋ならでは。

 恵みの季節はやはりありがたい。

 

 じつは初回の俳句が酷いもので、二度目に詠んだ句を掲せたのだ。

 のどかな散策に、少人数の気楽さ、油断したメンバーみんなが絶句した。

 初回を知りたい方は個人的に連絡を。

 

 本所に移って、二次会はいつもの稲垣へ。

 モツと稲グラタンに舌鼓を打ち、芋焼酎が空いてゆく。

 クリスマス色に灯ったスカイツリーを背景に、記念のショット!

 小春日のなか、気持ちのいい休日になった。

 師走に入り、今日は大寒。

 永田町はとんでもないことになったが、 今こそ本物の民主主義への脱皮のとき。

 今月17~19日は、浅草寺で羽子板が開催される。

 せいぜい風刺の板を楽しんで明日に備えよう。

 全その皆さん、お疲れさんでした

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