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京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

昨日の時代祭 絢爛豪華、生きた時代絵巻

2019-10-27 06:35:58 | 京都めぐり


昨日は「京都三大祭」の一つ時代祭でした。
本来は10月22日ですが、今年は「即位礼正殿の儀」と重なったため、26日に変更されました。
時代祭は京都平安神宮の大祭で、平安神宮の創建と平安遷都1100年を奉祝する行事として、1895年(明治28)に始まりました。
鳳輦に乗った桓武天皇と孝明天皇の神霊に各時代の行列がお供をし、京都御所を出発し平安神宮に向かいます。
行列は明治維新、江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦の8つの時代順に、牛馬を含む総勢約2,000名で構成されています。
綿密な時代考証を重ねられた衣装、祭具、調度品は1万2,000点になり、京の伝統の技で細部まで再現されています。
私は御池通りで観覧・撮影しました。撮影開始13時、終了14時50分。
時代祭の行列をほぼ網羅しましたので、行列の雰囲気が伝わるのではと思います。

平安騎馬隊が行列を先導します。













時代祭の行列先頭





維新勤王隊列
ピーヒャーラドンドンドンという太鼓・笛で有名な鼓笛隊が先頭を務めます。
明治維新の際、丹波の国北桑田郡山国村(現:京都市右京区京北)の有志が山国隊を組織し、官軍に参加した当時の行装を模したものです。
三斎羽織に義経袴をはき、下には筒袖の衣、頭に鉢巻または赤熊をかぶり、脚絆、足袋、草鞋をはき、刀を身につけ、鉄砲を携えた姿をしています。





















幕末志士列
明治維新で活躍した人物が「七卿落」列をはさんで次々と登場します。





桂小五郎 
後の木戸孝允。西郷隆盛、大久保利通とともに維新三傑と称せられた長州藩士です。





西郷吉之助 
後の西郷隆盛。坂本龍馬の仲介で薩長同盟を結び、江戸城の無血開城も果たした薩摩藩士です。





坂本龍馬 
薩長同盟の成立や、大政奉還の立役者となりました。志半ばで暗殺されてしまいました。





中岡慎太郎 
同郷の坂本龍馬とともに維新に奔走しました。





高杉晋作 
松下村塾に学んで久坂玄瑞とともに吉田松陰門下の双璧と称せられた長州藩士です。





吉田松陰 略
長州藩士。萩の松下村塾で高杉晋作、伊藤博文ら多くの秀才を教育しました。
吉村寅太郎 
天誅組を率いて大和に挙兵した土佐藩士です。




頼三樹三郎 
儒学者・頼山陽の子で、憂国のこころざし深く、同志と集って盛んに幕政の非を叫びました。




梅田雲浜 略
和漢の学に通じ、その徳をもって湖南塾を開き子弟を教え導いた小浜藩士です。
橋本左内 略
福井藩士で、蘭学医学をおさめ、洋学にも通じて時勢に通じていたため、その才覚を認められて藩政に尽力しました。服装は旅姿となっています。

七卿落列










近衛忠熈 
孝明天皇の左大臣になった後、事変で官を辞して仏門へ入りましたが、後に還俗して関白となりました。
ここでは関白の束帯姿で随身と舎人を従えています。





姉小路公知 
三條実美とともに勤王派として奔走しました。ここでは衣冠の参朝姿です。





三條実萬 
1824年(文政7)に権大納言、1857年(安政4)に内大臣に任じられました。後に梨木神社の祭神として祀られました。ここでは直衣姿です。
中山忠能 
明治天皇御実母の父君。大納言でしたが辞した後に輔弼(天皇の行政を直接助ける職)の大任につき従一位に叙せられました。ここでは小直衣姿です。





江戸時代
徳川城使上洛列
徳川幕府は朝廷の大切な儀式などの際には必ず城使を上洛させ、皇室に対し礼を厚くしていました。
特にご即位の大礼には将軍家名代が、煌びやかな装いをした多数の従者を伴った豪華な行列でした。
行列の先頭の槍持、傘持、挾箱持の掛け声や奴のパフォーマンスがみどころで、当時の行列を彷彿とさせます。

































江戸時代婦人列
和宮 
仁孝天皇の第八皇女で、江戸幕府第14代将軍徳川家茂の正室。
日本史を通じて、皇女が武家に降嫁し関東下向した、唯一の例です。
ここでは、女嬬(お供の人)たちを従え、近世女御装束(十二単)を身にまとった、宮廷内でのお姿を現しています。









大田垣蓮月 
江戸末期の女流歌人で、文筆のみならず、陶芸にも秀でていました。
後に尼となり連月と称します。ここでは若きの面影を偲ぶお姿です。





中村内蔵助の妻 
富豪の妻。衣装比べの逸話で有名です。
婦人たちは色鮮やかな衣装を身にまとい競いましたが、内蔵助の妻は白無垢に最上級の黒羽二重の打掛けという姿で現れました。
かわりに侍女たちには他の婦人にも劣らない豪華絢爛な衣装をまとわせ、いっそう内蔵助の妻女を引き立てる演出をしました。










玉瀾 
画家池大雅の妻。画人としても知られ、和歌にも秀でた女性でした。





梶  略
玉瀾の祖母で、祇園に水茶屋を営んでいました。女流歌人でもあり、歌集「梶の葉」を編みました。

吉野太夫 
美貌に加え、和歌や俳諧、琴、書道、茶道など数々の諸芸に優れており、人々を惹きつけて離さなかったとされています。また、常照寺に山門を寄進しました。ここでは芸妓の頃の衣装です。





出雲阿 
出雲大社の巫女。歌舞伎の創始者といわれています。





婦人列は頭の先から足の先まで当時の女性ファッションや髪型がそのまま伝えられており、見どころの一つです。
有職美容師によって、和官や太夫・お梶さんなどみな地髪を結ってます。
有職美容師とは朝廷や公家、武家の行事や風俗、装束などの伝統を学び伝えることに携わる美容師のことです。


安土桃山時代

豊公参朝列
豊臣家の朝廷参上のうち、1596年(慶長元)5月の秀頼の初参内と、翌年9月の元服時の参内などは最も盛んであったと伝えられ、列はその様相を表したものです。
秀吉はすだれの装具でまとった最高様式の牛車、檳榔毛唐庇車に乗っている設定で、姿は見えませんが、行列の衣装は当時特に「一日晴れ」として規則以外に許されたもので、衣冠の姿も普通でなく、袴をつけ、太刀も武家風です。
また牛童、牛飼などは公家風ですが、徒歩の者は当時の武家風の特徴を現わしています。
























織田公上洛列
1568年(永禄11)9月、天下統一のため織田信長が兵を率いて上洛した時の様子を表しています。






織田信長
1573年に室町幕府を滅ぼし、天下統一を目前に、本能寺の変で明智光秀に討たれてしまいました。





羽柴秀吉
後の豊臣秀吉。百姓として生まれ、後に織田信長に仕えて頭角を現し、天下統一を果たしました。






丹羽長秀
織田信長の家臣。信長から「長」の字を貰い、「長秀は友であり、兄弟である」と呼ばれるくらい親しい主従関係でした。









滝川一益
織田信長の家臣。





柴田勝家
妻は織田信長の妹のお市の方。





撮影枚数が100枚を超しますので、室町時代以降は次回にさせてもらいます。




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10 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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時代まつり (tango)
2019-10-27 07:18:55
おはようございます

やはり京都様に見せていただくのが一番ゆっくり
見学することが出来ます
感謝です(^_-)-☆
日本の時代の移り変わり・・先日の皇室の
絵巻と重なりすばらしい~~
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時代祭 (ふうせん)
2019-10-27 07:53:19
2時間近い撮影。頭がさがります。

いつも、有難うございます。

新幹線でも2時間かかる離れた地で、説明付きの時代祭を拝見でき、感謝、感謝です。
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Unknown (taipiro)
2019-10-27 08:51:34
たいぴろです。
こちらの中日新聞でも大きく載っていました。
大抵は平安時代のたおやかな衣装の写真が記事になりますから、こういう幕末から江戸期の装束の写真はなかなか見られません。京都さんのお陰で拝見できました。
次回の記事も楽しみにしています。
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お疲れ様でした (birugo)
2019-10-27 09:34:42
おはようございます。
時代祭は今までに烏丸通りや平安神宮の所で断片的に見たことはありますが、
解説つきで丁寧にアップしていただき、御池の所に居るようです。
京都の史跡、街のことも折に触れて教えて頂いているので今まで以上に、
時代祭のことを興味深く拝見しました。
ありがとうございます。
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Unknown (ぴろんこ)
2019-10-27 11:12:37
おはようございます。お恥ずかしながら、時代祭の全貌をまっったく知りませんで、やれ西郷さんやら太閤やらがいらっしゃったとは!てっきり平安貴族の行列だとばかり…。
二時間近くに渡り、写真を撮ってくださったのですね。有り難うございます、説明まであり、至れり尽くせりです。
それにしてもこの規模の衣装、小道具大道具の支度と片付け、頭が上がりません。
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tangoさまへ (京都で定年後生活)
2019-10-27 14:53:22
こんにちは
昨日は雨にならずに、無事行列が終わり、私も撮影できました。
時代祭は何度か行っていますが、大抵は京都御苑でした。今回は御池通りからの撮影でしたが、ここのほうが良く撮影できました。
ありがとうございます。
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ふうせんさまへ (京都で定年後生活)
2019-10-27 14:57:37
こんにちは
他府県からお越しの方はやはり大変だと思います。幸い近くに住んでいるもので、じっくり観覧できます。
夏の祇園祭は暑くて大変ですが、昨日は暑くも寒くもなくて良かったです。
明日残りを投稿しますので、楽しんで頂ければと思います。
ありがとうございます。
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taipiroさまへ (京都で定年後生活)
2019-10-27 15:01:11
こんにちは
そちらの新聞でも報道されていましたか。
時代毎にほぼ撮影できましたので、明日投稿の後半も楽しんで頂ければと思います。衣装は当時のものに忠実に再現されています。
ありがとうございます。
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birugoさまへ (京都で定年後生活)
2019-10-27 15:03:26
こんにちは
今まで京都御苑で観覧していましたが、場所とりが大変で、今回は初めて御池通りにしました。
観覧席でなくても充分撮影できました。
ありがとうございます。
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ぴろんこさまへ (京都で定年後生活)
2019-10-27 15:07:34
こんにちは
御池通りで定点撮影ですが、2時間ほどかかりました。
祇園祭のように山鉾の辻まわしもないので、もう少し早く通り過ぎるのではと思いましたが、やはり行列参加の人数が多いのだと思います。
気候に恵まれて良かったです。
ありがとうございます。
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