京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

日本の装束:東松照明、池田満寿夫、磯辺行久 近代美術館コレクション展

2019-10-10 21:04:03 | 美術・博物館


京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー 
令和元年度 第4回コレクション展 
後期 9月10日(火)~ 10月27日(日)

装束:日本のドレス・コードの続きです。
「日本におけるドレス・コード「装束」をキーワードに当館のコレクションを紹介します。
京都における儀礼を取材し装束の裏に隠れた素顔を写真でとらえた東松照明による《京まんだら》、能の一演目を抽象画として表現した宇治山哲平による《能、鵺による》、を紹介します。
現代美術のなかから紹介する磯辺行久による《Work 64-14 & 15:舞楽》は、俵屋宗達による《舞楽図屏風》(醍醐寺蔵)が表面に描かれた作品で小扉をひらくとワッペン型のいくつものモティーフが姿を現します。わたしたちが装束に抱く古典的なイメージとのギャップが印象に残ります。このように装束のもつイメージを、作家はどのように引き受け、そして作品へ結びつけているのか、日本画から写真、そして現代美術を横断しながら考えたいと思います。」


東松照明 1930 - 2012 京まんだら:即成院 1982 エバーリッチ・プリント




東松照明 1930 - 2012 京まんだら:智積院 1984 エバーリッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:田山の花踊り 1982 エバーリッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:白峯神宮 1983 エバーリッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:須賀神社 1982 エバーリッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:護王神社 1984 エバーリッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:北野天満宮・ずいき祭 1985 エバ―リッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:時代祭 1983 エバ―リッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:京都御所・葵祭 1982 エバーリッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:久多の花笠踊り 1982 エバーリッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:清涼寺 1983 エバーリッチ・プリント





東松照明 1930 - 2012 京まんだら:貴船神社 1982 エバーリッチ・プリント





池田満寿夫 1934 - 1997 天女乱舞 A 1988 リトグラフ・紙





池田満寿夫 1934 - 1997 天女乱舞 B 1988 リトグラフ・紙





池田満寿夫 1934 - 1997 天女乱舞 C 1988 リトグラフ・紙





池田満寿夫 1934 - 1997 天女乱舞 D 1988 リトグラフ・紙





池田満寿夫 1934 - 1997 天女乱舞 E 1988 リトグラフ・紙










磯辺行久 1935 - Work 64-14 & 15:舞楽 1964 ミクストメディア、板




















宇治山哲平 1910 - 1986 能、鵺による 1974 油彩画布








秋の七草・藤袴とアサギマダラ(浅葱斑)

2019-10-10 16:14:25 | 2019 花


今年やっと藤袴を吸蜜するアサギマダラ(浅葱斑)を撮影できました。
2ヶ所で4頭のアサギマダラに出会いました。
秋に藤袴(フジバカマ)、鵯花(ヒヨドリバナ)などのキク科植物の花によく集まります。
名前の「浅葱」は青緑色の古称で、前翅(はね)は黒、後翅(はね)は褐色で、半透明水色の斑点が並びます。
成虫はマーキング調査で、秋に日本本土から南西諸島・台湾へ渡るのが多く発見され、または少数だが初夏から夏にその逆のコースで北上しているのもが発見されています。
2011年10月に和歌山県から放たれたアサギマダラが、83日後の12月31日に約2,500 km離れた香港で捕獲されています。






















































藤袴にアサギマダラの光景は秋の風物詩のようなものです。













嵐山福田美術館(2)竹久夢二、速水御舟、俵屋宗達、尾形乾山、尾形光琳、渡辺始興

2019-10-10 05:46:09 | 美術・博物館


明治以降絵画

竹久夢二  1884ー1934

「切支丹波天連渡来之図」  1914年(大正3年)
宣教師と遊女の禁断の恋

長崎を思わせる港町に、宣教師と遊女が並んで座っている。
一見、意外な組み合わせだが、男性の胸のロザリオと、女性が手にする聖書が二人の絆を暗示している。
目を見開いて、導きを受けたように恍惚と微笑む遊女の表情が印象的。





「待宵」  1912年頃(大正元年頃)
名曲「宵待草」の世界を表現
待てど暮らせど来ぬひとを、宵待草のやるせな、こよひは月も出ぬそうな。
夢二作詞の歌曲を連想させる、人待ち顔の女性。
当初は膝の近くに、読みかけの本を添える構図だったことが、薄く残る下書きの線から分かる。完成図では本を省くことで、思いを募らせる女性の心理が強調されている。







「庭石」  1931年頃(昭和6年頃)
夢二が描く、地上の織姫
夢二の俳句「庭石にぬれてちる灯や星まつり」が添えられている。
打ち水した庭石が灯火に照らされてきらめくという、ロマンチックな七夕の夜の趣を詠んだもの。八頭身を超えるプロポーションで、涼やかな単衣の裾を引いてたたずむ娘の姿が優美。





「秘薬紫雪」  1928年頃(昭和3年頃)
自身の小説にちなんだ哀愁漂う夢二美人
夢二は「秘薬紫雪」という連載小説を書いた。
この絵はその一場面ではないようだが、余白に住みたを施すことで強調された闇は、小説のドラマチックな場面と同じく、雪国の夜を連想させる。
光と陰の対照が意識された画面に、儚げな女性の姿が幻想的に描きだされている。






速水御舟  1894ー1935
「山東町翠明」  1915年(大正4年)
御舟渾身の巨大作品
目の前にそびえる山を仰ぎみるような感覚になる絵。
夏が終わり秋に向かう季節、朝の冷え込みで白い霧が生じ、紅葉も始まっている。
山の頂きは晴れ、「三頭に翠明らかなり」と名付けられた通りの青々とした木々が、細やかな点を連ねて表わされている。






木島櫻谷  1877ー1938
「遅日」  1926年(大正15)
墨一色で表現するおだやかな春の情景
櫻谷は。動物画で近年注目を集める画家。
遅日とは冬至を過ぎ、次第に昼が長くなる春の日のこと。
鵞鳥の賑やかな鳴き声、母に甘える幼い子供の声、小川のせせらぎ、笹の葉擦れ、桜の梢に羽を休める鵲(かささぎ)のさえずりなど、昼下がりの雰囲気を生き生きと伝える様々な音が、モノクロームの画面に溢れている。















2.江戸時代の絵画

福田コレクションにおける江戸絵画の収集は、重要文化財である渡辺華山「于公高門図」Ⅱ期から始まりました。その後、円山応挙、与謝蕪村などをはじめとする18世紀の京都で活躍した画家の作品も加わり、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢芦雪など「奇想派」と呼ばれる画家たちの作品が充実しています。
さらに、狩野山楽筆「源氏物語押絵貼屏風」Ⅱ期、深江芦舟「草花図屏風」などの琳派作品や葛飾北斎「端午の節句図」などの肉筆画をはじめ、外国人にも人気のある画家たちの作品へと広がりをみせ、江戸時代の絵画の流れを概観できる内容になっています。


俵屋宗達  生没年不詳
「益田家本 伊勢物語図色紙第二段「西の京」」 17世紀
琳派の祖・宗達が描く伊勢物語の世界
宗達は、桃山時代末から江戸時代初期に活躍した。
『伊勢物語』第二段「西の京」の一場面で、朝になり、牛車の御簾の細やかさに注目。










尾形乾山  1663ー1743
三十六歌仙絵 伊勢  18世紀前半
器で有名な乾山の歌仙絵
乾山は江戸時代中期の陶工・画家で、兄は尾形光琳、平安時代の歌人伊勢は、藤原仲平と恋仲であったが破局。
「どれだけ待ってみあなたは現れないでしょうね」と恨めしい気持ちを表した歌「三輪の山、いかに待ち見む 年ふもとたづぬる人もあらじと思えば」が添えられている。











尾形光琳  1656ー1716
「十二ヶ月歌意図屏風」  1699年(元禄12年以前)六曲一双
琳派の萌芽を感じる貴重な初期作品
光琳は呉服商に生まれ、装飾的な作品を多く残した。
これは15世紀に作られた和歌集の中から12首を選び、各図の上に書いた作品。
画面の大部分を占める木々や風景は、墨や繊細で優美な彩色によって落ち着いた雰囲気で描かれている。















正月、二月





三月、四月





五月、六月





七月、八月





九月、十月





十一月、十二月





渡辺始興 1683ー1755
「内裏雛図」 18世紀後半
江戸時代に流行した飾り雛を人物に見立てて
始興は円山応挙にも影響を与えた画家。
内裏雛とは、天皇・皇后の姿に似せた男女そろいの人形のこと。
江戸時代に流行したスタイル「享保雛」と呼ばれ、豪華なつくり、面長、切れ長の目が特徴的。










深江芦舟  1699ー1757
重要文化財 「草花図屏風」 18世紀前半 六曲一隻
四季の移ろいを琳派様式で表現
芦舟は京都生まれの画家。
この絵は春夏秋冬の草花を描いたもので、躑躅の赤と菊の白を強調し、市大医学部・土筆・蕨・芒などにモチーフの色調を少しずつ変化させることで、右から左へとうつろう四季を感じさせる。


















江戸時代絵画続く。