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ゴミムシダマシ科のヒコサンヨツコブゴミムシダマシ Uloma hikosana
紀北町の赤野島で2011.1.16に見つけていた甲虫の種名が判明した。ヒコサンヨツコブゴミムシダマシという。同定者はN氏である。N氏はこの標本を検鏡するとき,標本を逆さにして腹面を確かめていた。南方系の種で,三重県では南の方でしか採れていないようだ。
赤野島には松の倒木が多く,その朽ち木を崩していて見つかった。小雪が舞う中,この成虫は朽ち木の中で越冬していくのだろう。この島での個体数は多いと感じた。
甲虫図鑑には,ヨツコブゴミムシダマシの記載の中で「九州山地産のやや小型の亜種にU.b.hikosana Nakaneがあるが,多数並べてみると,基亜種に吸収される」とある。
それでもなお,ヒコサンヨツコブゴミムシダマシと同定するということは,近年の研究がそれだけ進んでいるからなのだろう。
『熊野灘沿岸照葉樹林の昆虫』には,Uloma属が5種記録されていて,ヒコサンヨツコブゴミムシダマシは尾鷲市や熊野市で採集されている。なお,尾鷲市からはヨツコブゴミムシダマシも記録されている。
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事情が飲み込めました。
原色日本甲虫図鑑(Ⅲ)の初版が1985年発行ですから,独立種として扱われる前の記述なので止むを得ないですね。