フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

躓く

2019-04-10 22:02:48 | Weblog
テレビドラマを見ていて、いい言葉に出あいました。それは「人は躓いた分だけ優しくなれる」という言葉です。どんなに順風満帆な人生でも振り返ってみれば、どこかで躓いた経験があります。病気になった、仕事でちょっと結果が出なかったなど、大小にかかわらずあるものです。その経験があるなしによって人としての魅力に繋がっていくわけです。
特に大病を患った人がカムバックした場合には、病気の前後で性格すら変わったりもします。何故なら病気の時に自分を取り巻く人の優しさが有りがたいものだとよくわかるのです。
躓いた時に是非「躓いた分だけ優しくなれる」呪文のように唱えてみたいですね。

新人社員

2019-04-09 23:36:51 | Weblog
四月も半ば。新入社員も会社に慣れた頃でしょうか。社会人としてマナーやルールをしっかりと学ぶ研修が続いているでしょう。あいさつや名刺交換のやりかた、電話の受け答えなどはやり過ぎというくらいで丁度よいのです。
敬語のつかい方は特に難しいものです。例えば自分の会社は「弊社」相手の会社は「御社」などと表現することに始まって、様々な言葉を使いわけます。ただ危惧されることもあります。会社のマナー担当者は千差万別。教えられることを神の言葉として、他に耳をかさなくなってしまう心配があります。ですから一番大切なのは、形にこだわることなくまずは相手に敬意を払う気持ちを持つことが大切です。

守破離

2019-04-08 18:57:27 | Weblog
近代化が進んで、何年も修業をする職人の世界は今どうなっているのでしょう。知りあいの大工さんによると、釘を打ったり木を削るなどは、何年も修業して一人前になっていくのに、今は釘を打つにも機械がやってくれる時代になり、大幅に短縮されるようになりました。
職人の世界では「守破離」という言葉があります。「守」というのは師の指導の下に基礎固めをします。それが身についたら「破」で自分流にアレンジします。さらに進んだ「離」ではそのプロセスを忘れて無心の境地を切り開くという言葉です。
このような「守破離」はスポーツの世界でも見られる気がします。ドラフトで入団した新人選手は「守」でプロ選手としての基礎を学び、「破」で自分の特色を生かし、「離」で誰もがリスペクトする存在になっていくという工程です。この世界に身を置ける幸せを十分楽しんで欲しいですね。

才能開花

2019-04-07 23:53:49 | Weblog

プロ野球ペナントレースが開幕して、各ゲームが早くも白熱しています。セ・リーグ各球場のスタンドは満員ですが、どうも名古屋ドームのスタンドには空席があり、満員とは言えない状況です。昨年のドラフトで根尾選手の入団が決まってから、年間シートの売上がアップし、キャンプの見学者が増えたり、根尾グッズも好調だったり、シーズンに入ればスタンドは満員だろうと予想されました。しかし、予想に反してけがから出遅れてまだ一軍デビューが出来ない状態です。
しかし、人が花開くにはそれなりの準備段階があります。今の二軍生活も近い将来、きっと多いに役立つだろうと思います。選手個々の成長速度を監督やコーチは見きわめて欲しいですね。
そうそう、満員の件ですが、人気もの松坂投手も休んでいますね。


自分力

2019-04-06 23:50:59 | Weblog

自分の悪い癖はよく理解しています。それは古くさい伝統主義でなかなか新しいものに目をむけないところがあります。よく言えば流行に左右されないともいえますが、時代に乗り遅れてしまうことにもなりかねません。その言い訳は「年寄りだから」反省❗です。
このことを今日書こうと思ったのは、たまたまダーウィンの『進化論』の一節に出会ったことです。それは〔強い人間、賢い人間が生き残るのではなく、日々変化をする人間こそが生き残る〕という言葉です。つまり素敵な存在でいるためには、まず己を見つめ、把握し、そのことに応じて日々変化できる人間になれ、と教えてくれています。
年だからではなく、新しいものにも積極的に目を向けて「自分力」をアップさせることが流行りの「老人力」になるでしょう。


逢魔が時 ( おうまがとき)

2019-04-06 00:35:56 | Weblog
時々時代劇を見ていると「逢魔が時」という言葉にであいます。最近ではほとんど使われませんが、昔の人は夕暮れのひととき、家々に灯りがともるころをこう呼んで恐れていました。この自分は化け物や妖怪のたぐいがうろつき、悪さをするという言い伝えです。だから子どもには早めに帰りなさいと戒めた言葉だったのでしょう。
この逢魔が時も季節が進むにつれて時間が遅くなります。子どもの頃、外遊びが出来る時間が少しずつのびていくのが嬉しいのを感じたことが懐かしく思い出しています。

グッドルーザー

2019-04-04 23:17:10 | Weblog

時代とともに変化したもののひとつにテレビの野球中継があります。かつては野球中継は時間がきちんと決められていて、ゲームのヤマを迎えていても時間がくれば、中継はハイ、おしまい。後はラジオの天下です。ところが今は、スポーツ中継専門のチャンネルなどもありますから、ファンは最初から最後まで中継を楽しむことが出来ます。
もちろん私も野球中継を中心に楽しんでいますが、特に注目なのは、終わった後の両チームのベンチの表情です。それは勝ったチームがグッドウィナーか負けたチームがグッドルーザーかということです。グッドウィナーは自然な形で敗者に敬意を表しているだろうか。敗者は悔しさを面に出すことなく堂々としているかなどをみるのが好きなのです。
「グッドルーザーでなければグッドウィナーになれない」


もの忘れ

2019-04-03 23:01:35 | Weblog
私ももの忘れを自覚するようになりました。とくに本来なら忘れる筈のない人の名前が出てこないことが多いですね。生放送中に出てこないことがあると厄介です。このまま加速していったらどうなるでしょうか(笑)。
この傾向を止めるには二つの意見があります。そのひとつは忘れたことを思い出そうとするその努力が大事だという説。もうひとつは思い出す努力をしている際に生じるストレスがまた悪影響を及ぼすというものです。じゃあどうすれば良いかというと、もの忘れを他に悟られないように振る舞うことでしょうか。
かつて「老人力」という言葉が流行りました。江戸時代には「老人」と書いて「おいいれ」と読んで老人を前向きに捉えていたようです。

短い

2019-04-02 23:53:50 | Weblog
昨日、平成を引き継ぐ元号として「令和」が発表されました。テレビなどで伝えられる日本国民の反応は好評です。私もテレビに釘付けになった一人ですが、発表までのプロセスは分刻みの会議が続きました。もちろん、そこへ行くまで大変な努力があったと思いますが。
さて日本、いや世界で一番短い会議は何か知っていますか?。大相撲で物言いがついた時に、審判が土俵に上がって、行司さんの判定を「軍配通り」か「行司差し違い」などを検討する会です。会社でも会議が多いほどよくないといわれますが、会議のありかたは大切なことですね。
余談ですが、日本語の最も短い会話があります。「け」に対して「く」と返す会話です。この二文字で会話が成り立っているのですが、その意味は「食べなさい」「食べます」です。日本語の豊かさと膨らみを感じさせますね。

打ち出の小づち

2019-04-01 23:58:32 | Weblog

最近「打ち出の小づち」という言葉にお目にかかりませんが、これから時々はお目にかかるかもしれません。
この一寸法師お馴染みの言葉は、打ち出の小づちを一振りすれば、金銀財宝が飛び出してくるという意味です。この言葉が何故にこれから出てくるのかと言うと野球です。そうです。マルチヒットとか、猛打賞とかの表現がよく使われますが、それ以上ヒットを重ねると、実況アナウンサーは「まるで打ち出の小づちを振っているようです」と表現するのではないでしょうか。このような打ち出の小づちを振る選手がチームにどれだけいるかでペナントの行方が決まりそうです。