仕事のアナウンサーは言葉には特に敏感です。いや敏感というより危険物と言って良いくらいです。
ところで「綸言汗のごとし」という言葉があります。「綸」とは組み糸のことで「綸言」といえば、口から出たときには細くても、下々に届くときには綸のように太くなる天子の言葉を指します。それだけに一旦口にしたら汗と同じで元には戻らないのです。
こうした「綸言」という言葉の背後にある意味あいを今の政治家や上にたつ人達がどれだけ意識しているのでしょうか。政治家、特に大臣という職にある人の発言は天子ほどではないにしても大変な重みがあります。にも関わらず、暴言というか失言が多すぎます。何を口走ろうと取り消せばいいのなら、言葉が命の筈の政治家には向きません。口走ってしまうことは、その人の人間そのもの、まあ立候補しないことですね。