フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

味の表現

2019-02-16 23:57:10 | Weblog
テレビ界のプログラムの大きな位置を占めているのは相変わらず料理番組です。私も経験がありますが、出演者が一番苦労するのは、料理の味を表現することです。単に「おいしい」というのも芸がありません。「まったりした」あるいは「のど越しが良い」というのが平均的によく使われます。味の表現が難しい原因は、味を表す語彙が貧弱な為でしょう。
そもそも味というのは言葉でなかなか表現出来ないものと言われています。甘い、辛い、酸っぱい、苦いという表現はあるのですが、食べ物というのはそれらがミックスしたもので、単に甘い、辛いだけでは表現しにくいのです。人は仲間と食事を楽しむようになって味を共有する必要が生じました。仲間と同じように味を感じていることがコミュニケーションのこつのひとつですね。