フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

あじさい

2017-07-03 23:59:16 | Weblog
梅雨らしくない梅雨。こうなると梅雨のスター、あじさいも余り冴えません。本来の梅雨時は、各地であじさいの名所が脚光を浴び、人々が鮮やかな七変化を楽しむ筈なのに降れば大雨、後は空梅雨となれば、どうも上手くいきません。
ところでこのあじさい、七変化を楽しむようになったのは戦後のことで、それまでは長い歴史の中でも余り注目されませんでした。日本に生まれた花であるにもかかわらずです。江戸時代の古典にはほとんど登場していません。特にそれぞれ百種以上の植物が出てくる「枕草子」や「源氏物語」にも書かれていないそうです。やはりあじさいは心変わりを連想させるようで、人々は良い印象を持っていなかったのでしょうね。
「あぢ」は「集まる」「さい」は「藍色」を意味する言葉と言われています。しかし花の色は常に藍色とは限りません。色は根を張った土の質で変わります。花が開いてから徐々に色を変えます。まるで自分を取り巻く環境のようではありませんか。
貴方は今何色ですか?。