フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

適当

2014-05-29 18:12:30 | Weblog
映画監督の大林宣彦さんの言葉があります。「冬は寒いからよい。だから春を待つ楽しみがある。雪は深いからよい、だから春が来てこの雪の下から花たちが一斉に咲き始めるのがうれしい」。しかし、この言葉とは逆に、夏は暑いからよい、だから秋を待つ楽しみがある。とはなかなか言えません。それはこのところの暑さが半端ではないからです。五月で真夏日が続いているところからも、本格的な夏はどんなに暑いかと想像するだけで、夏の壁が大きくのしかかって来ます。日本の四季がまさに適当な折々を編み出す春夏秋冬はもうやって来ないのでしょうか。
気候全体が過ぎたるは及ばざるが如しになっています。本来ならば6月が衣替えである筈ですが、既に「クールビズ」ということで各社とも薄着が取り入れられています。と思えばある歌手は、北海道の網走公演の際には、まだ最近のことですが、雪が降り、コートを持って行ったそうです。いかに日本列島が細長でも、季節を取り違える気候になるのは日本の良さが失われます。先人が適当と価値判断した状態が戻って欲しいですね。