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意匠審査便覧 10.37 (18.5.25)

2006-05-25 09:10:53 | Weblog
意匠法4条2項の論点です。

意匠審査便覧 10.37

 意匠法4条2項の「該当するに至った日」と意匠登録出願の間になされた公開行為についての取扱い

1.意匠登録を受ける権利を有する者が、意匠登録出願前に意匠法3条1項1号又は2号の規定に該当するに至った意匠を複数回に亘って公開した場合には、その意匠が最先の公開について意匠法4条2項の規定の適用を受けるものであれば、第2回以降の公開によっても、その意匠は意匠法3条1項1号又は2号に該当するに至らなかったものとする。

2.意匠法4条2項の「該当するに至った日」と意匠登録出願の間に第三者が「該当するに至った意匠」と同一の意匠を公開した場合には、その意匠は第三者の公開によって意匠法3条1項1号又は2号に該当したものとする。
 ただし、第三者の公開が「該当するに至った意匠」の公開に基づくことが明らかなときはこの限りでない。
 「第三者の公開が該当するに至った意匠の公開に基づくことが明らかなとき」とは、例えば「展示会の紹介記事」のようなことをいう。

(説明)
 意匠法4条2項に規定する「前条第1項第1号又は第2号に該当するに至った」意匠とは、意匠登録を受ける権利を有する者の行為により初めて公開された意匠ということを意味し、その意匠について「同項第1号又は第2号に該当するに至らなかったものとみなす」ということは、前記行為によって初めて公開された意匠について、その公開の日から6月以内にその者が出願をすると共に意匠法4条3項の手続をしたときに限り、新規性を喪失するに至らなかったものとみなすものである。
 そして、意匠法4条2項は、意匠登録を受ける権利を有する者の公開行為に何等制限を設けず、意匠に係る物品を製造し販売する等、第2回以降の公開について意匠登録出願人自身では律し切れない場合も例外事由とするものであるから、前記公開行為によって初めて公開された意匠がその公開に基づいて再度公開される限り、たとえそれが第三者の公開行為によるものであっても、そのことによって当該擬制が否定されることはないと解される。
 しかし、意匠法4条2項は、意匠の登録要件の判断を最先の公開時に行うとするものではなく、意匠登録を受ける権利を有する者(原始的には創作者)が、当該権利の発生原因たる意匠の創作に基づいて、意匠登録出願前にその創作に係る意匠を公開することを許容するに止まるから、第三者が別個に同一の意匠を創作し公開した場合についてまで、その意匠が新規性を喪失しないとするものではない。
 したがって、本文のとおり取り扱うものとする。
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