堤卓の弁理士試験情報

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H22/9/21 商品と役務の類似について

2010-09-21 11:50:42 | Weblog
H22/9/21 商品と役務の類似について

「第1類 肥料」と、「第35類 農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、類似します。

「第3類 化粧品」と、「第35類 化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、類似します。

「第5類 薬剤」と、「第35類 薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、類似します。

「第9類 写真機械器具映画機械器具光学機械器具」と、「第35類 写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、類似します。

「第11類 電球類及び照明用器具」と、「第35類 電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、類似します。

「第12類 自動車並びにその部品及び附属品」と、「第35類 自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、類似します。
 しかし、商品「自動車」と、役務「自動車の修理」とは、類似しません。


H22/9/21 最高裁平成9年3月11日第三小法廷・判決(平成6(オ)1102)

2010-09-21 07:54:16 | Weblog
最高裁平成9年3月11日第三小法廷・判決(平成6(オ)1102)

 商標法38条3項(現行法)の損害賠償請求に対して、損害不発生の抗弁が成立する理由が詳述されています。
 この理由を誤解されている方が多いと思います。
 登録商標に顧客吸引力がないからということのみで、ただちに損害が発生しないということではありません。

 上告代理人小野昌延のその余の上告理由及び同芹田幸子の上告理由第一点について
一 原審は、大要、次のとおり判断して、被上告人標章のうち標章二(1)(3)の使用は本件商標権を侵害するとしながら、昭和五五年から同五七年までの三年間に被った損害につき商標法三八条二項に基づいて賠償を求める上告人の請求を棄却すべきものとした
1 商標法三八条二項は、登録商標に一定の財産的価値があることを前提とする規定と考えられるが、特許権や実用新案権が創作的な発明や考案に係るものでそれ自体財産的価値を有するのに対して、商標権は、文字や図形を組み合わせた商標そのものに財産的価値があるのではなく、業務上の信用が付着することによって初めて財産的価値を取得するものである。
2 昭和五三年以降、四国地域においては、一般需要者の間で「小僧寿し」の標章が本件商品の出所たる小僧寿し本部又は小僧寿しチェーンを表示するものとして広く認識され、相当大きな顧客吸引力を有していたのに対して、本件商標は知名度がなく、顧客吸引力を殆ど有しなかったものであって、本件商標権には財産的価値が殆どなかった。
3 被上告人は、主として被上告人標章一(1)ないし(9)、同三(1)ないし(6)を使用しており、被上告人標章二(1)(3)は副次的に利用することがあったにすぎず、加えて前者が小僧寿し本部又は小僧寿しチェーンの略称として著名であったのに対し、後者が著名でなかったことに照らすと、被上告人標章二(1)(3)は本件商品の購買動機の形成に寄与しておらず、財産的価値はなかった。
4 したがって、本件において商標法三八条二項を適用することはできない。

二 原審の右判断は、次に述べるとおり、正当というべきである。
1 商標法三八条二項は、商標権者は、故意又は過失により自己の商標権を侵害した者に対し、その登録商標の使用に対し通常受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる旨を規定する。右規定によれば、商標権者は、損害の発生について主張立証する必要はなく、権利侵害の事実と通常受けるべき金銭の額を主張立証すれば足りるものであるが、侵害者は、損害の発生があり得ないことを抗弁として主張立証して、損害賠償の責めを免れることができるものと解するのが相当である。けだし、商標法三八条二項は、同条一項とともに、不法行為に基づく損害賠償請求において損害に関する被害者の主張立証責任を軽減する趣旨の規定であって、損害の発生していないことが明らかな場合にまで侵害者に損害賠償義務があるとすることは、不法行為法の基本的枠組みを超えるものというほかなく、同条二項の解釈として採り得ないからである。
 商標権は、商標の出所識別機能を通じて商標権者の業務上の信用を保護するとともに、商品の流通秩序を維持することにより一般需要者の保護を図ることにその本質があり、特許権や実用新案権等のようにそれ自体が財産的価値を有するものではない。したがって、登録商標に類似する標章を第三者がその製造販売する商品につき商標として使用した場合であっても、当該登録商標に顧客吸引力が全く認められず、登録商標に類似する標章を使用することが第三者の商品の売上げに全く寄与していないことが明らかなときは、得べかりし利益としての実施料相当額の損害も生じていないというべきである。
2 これを本件についてみると、原審の認定事実によれば、(一)上告人は昭和四九年一一月ころから大阪市を中心とする近畿地区において「おにぎり小僧」の名称で持帰り用のおにぎり、すし等の製造販売を始めたが、被上告人ないしその傘下の加盟店の店舗の所在する四国地域では本件商標を使用しておにぎり、すし等を販売したことがない、(二)遅くとも昭和五三年には、「小僧寿し」の名称は、小僧寿し本部又は小僧寿しチェーンの略称としてだけでなく、小僧寿しチェーンの製造販売に係る本件商品を示すものとしても著名となっており、被上告人標章三(1)ないし(6)も同様の標章として著名性を獲得し、いずれも業務上の信用及び顧客吸引力を有していた、(三)本件商標は、四国地域において全く使用されていないものであって、一般需要者の間における知名度がなく、業務上の信用が化体されておらず、顧客吸引力が殆どなかった、(四)昭和五五年から同五七年までの間は、被上告人標章二(1)(3)については、被上告人ないしその傘下の加盟店の店舗のうち高知県下の二一店舗の中に、正面出入口横のウィンドウに被上告人標章二(1)を表示したものと、店舗壁面に同二(3)を表示したものが各一店舗ずつ存在しただけであって、被上告人は、主として被上告人標章一(1)ないし(9)、同三(1)ないし(6)を使用し、副次的に同二(1)(3)を使用することがあったにすぎない、というのである。そうすると、被上告人の本件商品の売上げは専ら小僧寿しチェーンの著名性、その宣伝広告や商品の品質、被上告人標章一(1)ないし(9)、同三(1)ないし(6)の顧客吸引力等によってもたらされたものであって、被上告人標章二(1)(3)の使用はこれに何ら寄与していないのであるから、被上告人の被上告人標章二(1)(3)の使用により、上告人の販売する商品の売上げにつき損害が生じたものと認められないことはもちろん、上告人には本件商標権につき得べかりし利益の喪失による損害も何ら生じていないというべきである。
3 したがって、本件において商標法三八条二項に基づく損害賠償請求が認められないとした原審の判断は、是認することができる。
三 所論の点に関する原審の判断は、右に判示した点を始め、いずれも正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

H22/9/19 口述試験対策

2010-09-19 12:51:08 | Weblog
H22/9/19 口述試験対策

9月24日(金)に今年の論文合格発表があります。
昨年度の口述試験では、約200名の方が不合格になっています。
口述試験で不合格とならないようにするためには、相当の準備をすることが必要です。

口述試験の勉強をするにあたり、下記の点は、重要となります。

条文を完全に口頭で再現できるか。
規定の趣旨を青本のとおりに再現できるか。
意匠法・商標法では、審査基準の解説を正確に再現できるか。

口述試験は、口頭が解答する試験ですので、実際に口頭で解答する練習をすることが大事です。



H22/9/11 審判便覧47―03 審判の費用の範囲と計算

2010-09-11 12:41:00 | Weblog
審判便覧47―03 審判の費用の範囲と計算

1.審判費用の範囲
 審判に関する費用の範囲は、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律中、これに関する規定(第二章第一節及び第三節に定める部分を除く。)の例による(特§169⑥、実§41、意§52、商§56①、68④)。
 審判の費用として計算される項目は以下のとおりである。
(1)審判請求書その他の書類の作成及び提出の費用
(2)翻訳料
(3)審判手数料
(4)特§13(実§2の5②、意§68②、商§77②)により弁理士に代理を命じたときの報酬
(5)期日に出頭した当事者及び代理人の日当、旅費、宿泊費
(6)証人、鑑定人、通訳人、及び民訴§218②に定める鑑定書の説明者の日当、旅費、宿泊費
(7)鑑定料、通訳料
(8)実地検証のための審判官及び審判書記官の旅費、宿泊費
(9)証拠保全に要した費用
(10)その他
 なお、(6)、(7)、(8)、(9)、については、その概算額を証拠調申出人に予納させる(特§169⑥、実§41、意§52、商§56①、§68④、民訴費法§12)。

2.審判費用の計算
 審判の費用は、審判費用の額の決定の請求があった事件の審判記録、請求人の費用計算書及び相手方の意見書を照合、調整し、費用の範囲内の項目につき民事訴訟費用等に関する法律、及び同規則に定める基準に従い、次の手続によって計算する。その価額は、費用支出当時の価額による。
(1)審判記録に基づき、請求人が支出した個々の費用の項目及びその額を調査、計算する。
(2)請求人が提出した費用計算書の費用の項目及びその額を(1)の計算と照合して、所要の訂正を行う。
(3)請求人が提出した費用計算書における費用項目又はその額のうち、審判記録では明らかでないものがあるときは、請求人が費用計算書に添え、又は補正命令に応じて提出した疎明書によって調査、計算し、所要の訂正を行う。
(4)相手方が提出した意見書を請求人の費用計算書と照合し、理由ありと認められる事項については、相手方の意見書に基づいて請求人の費用計算を訂正する。
(5)以上の手続により、請求人の費用計算書の各項目及び額が適正なものとなったときは、その総計額を求めて、費用額を決定する。ただし、この総計額は、請求人の請求額を超える額であってはならない。

H22/9/8 審判便覧47-02 審判の費用の額の決定

2010-09-08 08:06:26 | Weblog
審判便覧47-02 審判の費用の額の決定
1.(1)審判に関する費用の額は、請求により特許庁長官が決定する(特§169⑤、実§41、意§52、商§56①、68④)。
 その額の決定をする前に、相手方に対し、費用計算書及び費用額の疎明に必要な書面並びに請求人の費用計算書の記載内容についての陳述を記載した書面を一定の期間内に提出すべき旨を催告しなければならない(特施則§50の8①)。
(2)請求は、当該審決又は参加許否の決定の確定後であって、その審判記録が保存されている期間内にしなければならない。
(3)審判の費用の額の決定を請求する者は、請求書に費用計算書及び費用の額の疎明に必要な書面を添付して特許庁長官に提出しなければならない(特施則§50の7、民訴則§24②)。
(4)請求があったときは、審判書記官がその処理を行う。

2.請求書の方式審査
 請求があったときは、その事件の記録を工業所有権情報・研修館から借り受け、請求書の必要的記載事項につき、記録との照合を行い、欠陥の有無を審査して、欠陥があるときは次の区分に従い却下理由通知又は補正命令の手続をする。
(1)費用の負担につき、審決の結論と請求書における申立てとの照合不一致のものは、審決の結論と一致させるよう補正を命ずる。
(2)請求人及び相手方の住所、氏名並びに申立人の印欠陥あるものについては、補正を命ずる。
(3)代理人があるときは、その委任状
 委任状(ただし、当該事件について授権があるものを除く。)のないものは、補正を命ずる。
(4)費用計算書につき、相手方の数に相当する部数の副本の提出の有無部数不足のときは、補正を命ずる。
(5)事件の確定の有無
 事件が係属中のときは、却下理由を通知し手続却下する。

3.催告書の作成、送達
(1)請求書の方式が完備したときは、別紙様式第1による催告書を作成し、審判部長までの決裁を得た上、請求書計算書及び費用額を証明する書面の各副本を添えて相手方に送達し、事情を考慮して適宜期間を指定して意見書提出の機会を与える。
 ただし、相手方のみが審判に関する費用を負担する場合において、記録上請求人の審判に関する費用についての負担の額が明らかなとき(例えば、商標登録取消審判における手数料のみの請求など)は、この限りでない(特§169②、実§41、意§52、商§56①、68④、民訴則§25①)。
(2)請求人が提出した費用計算書の請求項目が費用の範囲(→47―03)を越え、又は請求価額が所定の額を越えるときは、審判書記官で計算した費用計算書を申立人に示して訂正させたのち、相手方に催告の手続をする。
(3)催告に対し相手方が意見を提出したときは、その副本を請求人に送達したのち、請求人の費用計算書及び相手方の意見書を基礎として審判の費用を計算し、相手方が意見書を提出しないときは、請求人の費用計算書のみを基礎として計算し、決定する(特§169②、実§41、意§52、商§56①、68④、民訴則§25②、特施則§50の8)。

4.審判の費用の額の決定
(1)費用の額が決定したときは、別紙様式第2による審判の費用の額の決定書を作成し、長官までの決裁を得たのち、その謄本は割印して認証の上、当事者に送達する。
(2)審判の費用の額の決定原本は審判記録に連綴し、番号を記入したのち、審判記録を独立行政法人工業所有権情報・研修館に返却する。

H22/9/7 審判便覧47―01 審判の費用の負担

2010-09-07 08:08:45 | Weblog
審判便覧47―01 審判の費用の負担

1.特許(登録)無効審判、商標登録の取消しの審判、に関する費用の負担は、合議体が審判をもって(結論中に記載して)、職権で定める。
 ただし、審判が審決によらないで終了するとき(審判請求の取下げ、特§133③の却下など)は、審判による決定をもって定める(特§169①、実§41、意§52、商§56①、68④)こととなっているが、このような場合は、請求人側の負担になるのであるから、実務上は決定を行わない。
 負担の原則は、特§169②(実§41、意§52、商§56①、68④)によって準用される民訴§61により敗者負担と定められているが、民訴§62、63の例外(→2)が認められている。

2.審判の費用の負担の例外
(1)勝者となった当事者の不必要な行為によって生じた費用の全部又は一部を、勝者となった当事者に負担させることができ、敗者となった当事者の行為によって生じた費用であっても、その行為が、敗者側の権利の伸長又は防禦に必要なものであるときは、それを勝者となった当事者に負担させることができる(民訴§62)。
 a 証人尋問の結果、証人が立証を必要とした事項と全く無関係の者であることが判明した場合などには、その証人尋問に要した費用を、前記不必要な行為によって生じた費用と認めて、証人尋問を申請した当事者が勝者となった場合であっても、その者に、その費用を負担させることができる。
 b 公知の発明と同一であることを理由とする特許無効審判の請求後に、その特許発明の明細書が、訂正審判により訂正された結果、前記無効理由が消滅した場合は、民訴§62後段を適用して、勝者である被請求人に、その費用を負担させても良いと考えられる。
 c 訂正請求により特許に係る請求項のうち無効審判の対象となっている請求項がすべて削除された場合には、無効審判の対象が存在しなくなり、当該無効審判が却下されるので、勝者である権利者側にその費用を請求させても良いと考えられる。

(2)勝者となった当事者の責に帰すべき事由によって、審理を遅延させ、それにより余分の費用を要した場合は、その費用を勝者となった当事者に負担させることができる(民訴§63)。

3.特殊な場合の審判の費用の負担
(1)一部無効
 全部無効の請求に対して、一部無効の審決をする場合には、審判の費用を両当事者に分担させ、その分担割合を審決で定めることができ、費用の全部を当事者の一方に負担させることもできる(民訴§64)。(文例→45―04)

(2)共同審判
 a この場合は、敗者となった共同当事者に、平等の割合をもって負担させるのが原則であるが、それを連帯して負担させても良く、他の方法で負担させても良い(民訴§65①)。
 b 審判の請求が、甲、乙によって共同してされた場合において、甲が請求人適格を有しないものであり、乙のみによる請求を理由があるものとするときには、甲と被請求人との間に生じた費用は、甲の負担とし、その他の費用は、敗者となった被請求人の負担とする。
 c 共同審判においても権利の伸長防禦に必要でなかった行為によって生じた費用は、その行為をした者に負担させることができる(民訴§65②)。

(3)参加
 参加申請に対して、当事者から反対意見があった場合には、その参加申請人と反対意見を述べた者との間において、それによって生じた費用を敗者負担の原則で負担させる(民訴§66前段)。
 参加によって生じた費用の負担は、共同審判の場合と同様であり(民訴§66後段)、審決をもって定めるが、参加申請の反対意見により生じた費用の負担は、参加許否の決定に際し、その結論中に記載して定める。

(4)利害関係
 審判請求の利害関係について当事者間に争いがあって、そのための証拠調べなどに費用を要した場合には、その費用の負担は、利害関係について争った当事者のみの間において、本案審理における勝敗とは別に、その争いの勝敗により定めることができる。

(5)代理人
 代理権を証明することができない審判の請求についての費用は、その代理人の負担とする(民訴§69②、§70)。
(判例)甲、乙、2名の共同訴訟において、甲についての代理権は証することができたが、乙についての代理権を証することができないため、その代理人が乙の負担分を負担させられた例がある(昭32(行ナ)12号、昭和33.6.17)。

4.拒絶査定不服審判、意匠、商標登録出願における補正却下決定不服審判、訂正審判に関する費用は、請求人の負担であり、商標登録異議の申立てに関する費用は、異議の決定の結論のいかんにもかかわらず、申立人の負担と定められている(特§169 ③、意§52、商§56①、68④)。
 また、それらの請求、申立てが共同でなされた場合は、各請求人、申立人が平等の割合で負担する(特§169④、実§41、意§52、商§56①、68④)。

5.判定に関する費用の負担については、何も規定がないが、各当事者が支出した費用は、その当事者の負担とし、判定の結論には、費用の負担については判断を示さない。